放射線被曝
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注釈^ (参考)「被曝」と「被爆」、読みはどちらも「ひばく」だが、「被曝」は放射線を浴びること、「被爆」は、爆撃によって被害を受けること[1]
^ 被曝した放射線の線量に応じて放射線障害は大きく確定的影響(deterministic effects)と確率的影響(stochastic effects)に分類される。
^ 確定的影響には閾線量が存在し、線量をそれ以下に抑えることによって、発生を完全に防止することができる。
^ 確率的影響の被曝に伴う発生モデルは閾線量無しの直線関係仮説(Linear No-Threshold : LNT仮説)が取られているため、被曝線量をゼロにしない限り、確率的影響の発生を完全に防止することはできない。そこで、被曝に伴う確率的影響の発生については、確率的影響の発生確率を人々が容認するレベルに制限することとしている。
^ また、照射を受ける身体の範囲により全身被曝と局部被曝に、照射を受ける時間分布により急性被曝と慢性被曝に分類される。[4]
^ 国連科学委員会(UNSCEAR)では放射線の種類やその用途、一般大衆と職業上などの切り口で以下のように分類している。「UNSCEARによる被曝の分類」も参照
^ なお、同一の放射性物質からの放射線に被曝する場合でも、外部被曝より内部被曝の方が危険な場合がある。アルファ線は体外からの照射では、その大部分は皮膚の内側に達することはないが、体内にアルファ線を出す放射性物質が入ると、その周囲の細胞が照射されるため組織や器官の受ける放射線の量が大きく異なる透過力の弱いベータ線とエネルギーの低いガンマ線を出す放射性物質も外部被曝では影響を与える程ではないが体内にある場合の影響は大きくなる。
^ 職業被曝であれば作業場所、公衆被曝であれば一般環境
^ ただし、公衆被曝の場合全ての人々に個人線量計を配布することは困難である。
^ なお、定量的リスクが絡む事柄一般に言えることだが、いわゆるブラックスワン(想定しにくいまれな現象)が存在しないことは証明不可能である。[5]
^ ただし、眼の水晶体の被曝、皮膚の限られた面積の被曝は実効線量を算出する際の組織加重係数が与えられていないため、この2つの臓器(ただし、広い面積の皮膚が被曝した場合は実効線量に加えられる)に関しては臓器の等価線量で線量限度が規定されている。[6]
^ 実効線量等価線量はあくまで、この放射線防護を行うための防護量である。実効線量、等価線量は被曝による確率的影響の生物影響を基に定められたものであるので、確定的影響に対しては、シーベルト[Sv]ではなく吸収線量とその単位であるグレイ[Gy]が用いられる。
^ 密封された形態の放射性物質。密封されているため、放射性物質の拡散はしない。
^ 密封されていない放射性物質。密封されていないため、放射性物質は拡散してしまい、体内に入り込む可能性がある。
^ アルファ線は紙一枚で遮蔽できるので、外部被曝ではあまり問題にならない。
^ γ線(およびX線のような電磁放射線あるいは光子線)は主に原子核周囲の電子と相互作用して阻止されるため、や金といった密度の高い物質(電子の密度も高い)のほうが効果的に遮蔽することができる。コンクリートならば厚さ30 cmごとに、鉛板ならば厚さ5 cmごとに線量を10分の1にまで減らす(コバルト60のγ線の場合)。
点状線源の場合、遮蔽物の厚さに応じて、遮蔽物を透過した放射線の強度は指数関数的に減少する。
^ ベータ線の遮蔽は、ベータ線の最大飛程以上の厚みのものを使用する。ベータ線のみを防ぐのであれば、10?15mm厚のプラスチック板で十分効果がある。ただし、エネルギーの大きいベータ線が原子番号の大きい物質に衝突すると、制動 X 線が発生するので、その場合は X 線の遮蔽も合わせて行わなくてはならないが、そのようにエネルギーの大きいベータ線を発生する物質は少ない。ただ、ベータ線を薄くて密度の高い物質で遮蔽しようとすると、制動放射X線が多く発生しかえって被曝線量を増やすおそれがある。
^ これは、荷電粒子(電荷を持つ粒子)や光子が電磁気力で物質と相互作用して透過を阻止されるのに対して、電荷を持たない中性子は物質を構成する粒子と直接衝突することで運動エネルギーを失い、透過を阻止されるためで、中性子の運動エネルギーを効率よく奪うためには同程度の質量の粒子、つまり陽子(水素の原子核)と衝突させることが最も有効だからである。また、中性子の遮蔽体は中性子吸収材(中性子を比較的捕獲しやすい非放射性同位元素を含む物質)と組み合わせて使うこともある。
^ 線源はトングやマジックハンドを用いて扱い、直接触らないようにする。放射性物質が皮膚に付着しないよう、ゴム手袋などの保護具を装備する。
^ そのため、放射線場での作業時間ができるだけ短くなるよう、作業計画などを綿密に立てることが求められる。屋内退避も推奨されている。
^ ただし、内部被曝対策としてのマスク等の呼吸保護具は、外部被曝対策としては役に立たない。[10]
^ チェルノブイリ原子力発電所事故で甚大な被害を蒙り、内部被曝により病気になる人が多発したベラルーシやウクライナでは、食品中に含まれる放射性セシウムの基準値を定めて、基準値を超える食品を流通させないことで内部被曝を防止している。[11][12]食の安全#放射能と食の安全」も参照
^ セシウム等の放射性物質を摂取後、速やかにプルシアンブルーを服用すると、消化管からの吸収を抑制する効果があるとも言われることがある。[13]
^ 皮膚に傷が無い場合はほとんど吸収されないと考えてよいとされる。[14]
^ また、手を汚染した場合は、その後の飲食、喫煙または化粧などによって汚染を体内に取り込む可能性が高い。したがって、放射性物質を取り扱う区域内では飲食、喫煙または化粧を行ってはならず、また取り扱いを中断・終了するときは必ず手に汚染がないことを放射線測定器で確認しなければならない。
^ ヨウ素は甲状腺ホルモンであるチロキシンを構成する元素であり、ヨウ素の放射性同位体も、ヨウ素の一つの同位体であり化学的にはヨウ素に他ならないため甲状腺に取り込まれることになる。
放射性ヨウ素に対する防御
原子力発電所において事故の際には、揮発性の高い放射性ヨウ素(ヨウ素131)が環境中へ放出される可能性が高く、甲状腺に高い被曝線量を受ける人が出てきてしまう。これをある程度防ぐ(甲状腺への被爆線量を低減する)ために、放射性ヨウ素を摂取する前かあるいは摂取後比較的早い時期(6時間後までは効果がある)に安定ヨウ素剤を投与することで、放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれることを制限することができる。[15]
^ 放射性セシウム体内除去剤としては、紺青(別名:ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、プルシアンブルー)がある。商品名では「ラディオガルダーゼカプセル」と呼ばれる。[17]
^ 例えば、ストロンチウム90はベータ線しか出さず、その娘核種のイットリウム90も極稀にしかガンマ線を出さないため、検出できない。そのような核種による被曝を調べるには、尿などの排泄物を検査・測定し、推定することになる。[18][19]
^ なお、放射線防護の視点からは、放射線はどんなに微量であっても人体にとって有害であると仮定されている。[20]
^ 原水爆実験に起因した死の灰の被曝許容量を現代的に定義づけた武谷三男による武谷説を取り入れたものであると思われる。[25]
^ 公衆に対する計画被曝の限度は 1mSv とされる。[26][27][28]

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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