攻撃_(軍事)
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一方で敵と正面から対決して突撃や包囲を行うのではなく、リデル・ハートにより間接的な攻撃である迂回の有効性が主張される[3]。いずれの議論でも攻撃においてどのような機動を選択するかが中心的な論点となっている。
攻撃の実践
応急攻撃

応急攻撃(Hasty attack)とは遭遇戦における攻撃を言う。遭遇戦とは部隊の戦闘展開が不完全な状態で発生する戦闘であるが、移動中に突発的に発生する場合もある。全く予想していない敵と遭遇する場合は不期遭遇戦と呼ぶ。応急攻撃を行う場合は敵味方共に状況不明に陥ることが多い。その経過は極めて迅速に発展するため、速やかに部隊を戦闘展開して対応しなければならない。
陣地攻撃

陣地攻撃(周密攻撃)とは敵が戦闘陣地要塞などに立て篭もり、防御行動を準備している状況において行われる準備された攻撃である。その攻撃においては基本的に敵の正面を避けて迂回することが原則となる。なぜなら、正面から攻撃するよりも、迂回するほうが攻撃側の利点である機動力を発揮することができるからである。
戦果拡張

戦果拡張(Exploitation)とは攻撃によって得られた利益を拡張することを狙った、追撃にまでは至らない追加的な攻撃である。攻撃の成功に引き続き、敵の防御の再編、敵部隊の離脱を妨害することで、目標を占領し、敵部隊を撃滅することが可能である。
追撃

追撃とは退却する敵に対して追跡して加える攻撃である。敵の後方を追尾して行う追尾追撃と、敵の退却と並行する別路を移動して行う平行追撃がある。この追撃を実行する場合は、敵の退却の状況を的確かつ速やかに把握し、時期を逃さないことが重要である。敵は退却に先立って一部の部隊による攻撃を行い、その間に本隊の離脱を図る場合がある。この場合、捕虜・スパイ、偵察員などから情報を収集し敵の状況を正確に把握する手段を講じなければ成らない。
逆襲

逆襲(counterattack)とは敵の攻撃を受けた場合、これを防御した上で行われる攻撃であり、攻撃転移の手段である。これを行うことは効果的な防御戦闘に欠かせないが、非常に戦機を見極めることが重要である。それゆえ、優秀な指揮官の指揮統制の下で実行する場合は作戦計画、他正面の防御や遅滞作戦、攻撃中の部隊との連携に注意することが不可欠である。
襲撃

襲撃(Raid)とは敵地において拠点や土地の占領ではない特定の目的のために行われる限定的な目標に対する攻撃である。例えばこれは敵の戦略要地の破壊、敵の指揮系統欺瞞や後方攪乱などが目的となって実行される。古今東西に渡って見られる例として敵の継戦能力を効果的に削ぐのを目的に補給物資が狙われることが多い。襲撃部隊は作戦目標を達成した後はその場にとどまらず、速やかに撤収して友軍と合流する。
波状攻撃詳細は「波状攻撃」を参照
飽和攻撃詳細は「飽和攻撃」を参照
脚注^ Clausewitz, C. Von. Vom Kriege. (1832) 清水多吉訳 『戦争論 上下』中公文庫、2001年。
^ Folard, J. C. Histoire de Polybe
^ リデル・ハート著、市川良一訳『戦略論 間接的アプローチ 上下』原書房、2010年 

関連項目

侵攻

侵略 - 直接侵略 - 間接侵略

攻勢作戦 - 射撃と運動

包囲 - 突撃 - 陽動

攻勢終末点 - 攻撃三倍の法則 - 重心 (軍事)

防衛 - 自衛権

参考文献.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2012年9月)


松村劭『戦術と指揮 命令の与え方・集団の動かし方』PHP文庫、2006年

Bauer, E. Der Panzerkrieg. Books 1 and 2. Bonn: Verlag Offene Worte. 1955.

Clausewitz, C. Von. Vom Kriege. 16 .Aufl. Bonn: Ferd. Dummler-Verlag. (1832) 1952.

清水多吉訳 『戦争論 上下』中公文庫、2001年。


Dupuy, T.N. Understanding War. New York: Paragon House. 1987.

Folard, J. C. Histoire de Polybe vol.1-5. Nabu Press. (1927) 2010.

Guibert, F. A. Essai General de Tactique. Nabu Press. (1770) 2010.

Liddel Hart, B. 1954. Strategy: the indirect approach, 3rd ed. London: Faber and Faber.

リデル・ハート著、市川良一訳『戦略論 間接的アプローチ 上下』原書房、2010年 


Schilieffen, A. Von., Robert Foley translated. Alfred Von Schilieffen's Military Writings. London: Frank Cass Publishers. 2002.

U.S. Department of the Army. Field manual 100-5: Operations. Washington, D.C.: Government Printing Office. 1982.

典拠管理データベース
国立図書館

チェコ

その他

公文書館(アメリカ)


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