援助交際
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このルポルタージュは純粋な調査報道だったが、これがいったん世に出ると大衆紙や低俗週刊誌は興味本位に書き立て、それまで援助交際など知らなかった女の子たちまでやりたがるようになり、それがまた報道を過熱させるという悪循環が起きた[23]。こういった経緯で当時日本中で話題になっていった「援助交際」という言葉は、この年ユーキャンが主催する毎年恒例の流行語大賞にノミネートされた。流行語大賞(の選考)で「援助交際」は惜しくも年間大賞を逃したものの、上位でのトップテン入りを果たし、全国放送されたテレビ特番の授賞式で「援助交際」が発表され、1996年の日本を象徴する流行語となった。「援助交際」は特に(1990年代前半から)"女子高生ブーム"を起こしていた当時の女子高生を象徴する言葉であったが、女子高生以外の学生(専門学生短大生・大学生・大学院生)やフリーター・女性会社員・女性公務員主婦なども幅広く象徴する流行語であった。

1996年東京都生活文化局の男子を含む当時の中高生を対象にした調査によると、援助交際を経験したことがある者は3.3%。1997年ベネッセ教育研究所の調査では、女子を対象として4.4%であった[24]

1997年、援助交際の急増を受けて警察大阪府警)により「援助交際は売春です。」との内容のポスターが製作され、同じ内容のテレビコマーシャルも全国放送されるにまで至った。

1999年にはNTTドコモiモードのサービスを開始し、iモード用の匿名掲示板出会い系サイトが登場して社会問題となる。

1999年11月1日、援助交際の社会問題化を受けて「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」が施行され、法規制が強化された。

2000年代

2003年に「
出会い系サイト規制法」が制定され、法規制が強化された。

2006年、法規制が行われた出会い系サイトと入れ替わる形で店舗型の「出会い喫茶」が拡大する。法規制が明確でない業態であることから、新たな援助交際の温床となる可能性が指摘されていた[注 2]

2008年頃から、後に「JKリフレ」と呼ばれる形態の店舗が拡大し始める。

2010年代

2010年7月4日に
風営法施行令が改正され、出会い喫茶を「店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際(会話を含む。)を希望する者に対し、当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業」と定義して、性風俗関連特殊営業の規制対象とし、2011年1月1日より施行された。これにより、出会い喫茶は18歳未満の者の立ち入りや営業地域・営業時間・広告宣伝などが全国的に規制されるようになった。

出会い喫茶が規制された2011年以降、入れ変わるような形で秋葉原を中心に所謂「JKビジネス」店が急拡大し、2010年代前半から後半にかけて国際的な社会問題となる。

2013年4月以降、警察は「JKリフレ」「JK撮影会」「JKお散歩」等の「JKビジネス」に従事している、18歳未満の従業員を補導の対象とした[25]

2014年には、アメリカ合衆国国務省がレポートを纏めた『人身売買に関する年次報告書(英語版)』において、日本の「JKお散歩」が性目的の人身売買の例として取り上げられた[26][27]

2015年3月には全国に先駆けて、愛知県青少年保護育成条例の改正という形で、JKビジネスを「有害役務営業[注 3]」と位置付けて、18歳未満による接客を禁じ、有害役務営業をしている店舗には行政が立ち入り調査し、違反があれば営業停止命令を出し、停止命令違反者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科される内容を盛り込む条例『JKビジネス包括的規制条例』が制定され、7月1日に施行された[28]

2017年(平成29年)3月には、警視庁の有識者懇談会(座長:藤原静雄中央大学教授)の提言を受け[29]東京都がJKビジネスを「特定異性接客営業[注 4]」と位置付けて、18歳未満による接客を禁じ、店舗には行政が立ち入り調査し、違反があれば営業停止命令を出し、停止命令違反者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科される内容を盛り込む新条例「特定異性接客営業等の規制に関する条例」が制定され[30]7月1日に施行された[31]。また条例施行規則では、「特定異性接客営業」における「青少年が客に接する業務に従事していることを明示し、若しくは連想させるものとして東京都公安委員会規則で定める文字、数字その他の記号[注 5]」が規定され、対象となる営業所の名称は条例の規制対象となった。

2017年頃から、JKビジネスの摘発の厳罰化に伴い再び店舗の存在しないSNS援交が流行し始める[32]

2020年代

2020年頃から、
不良行為少年である所謂「トー横キッズ」を中心とした児童売買春が社会問題となる。

2023年7月、強制性交、準強制性交罪が「不同意性交罪」として、罰則が強化される。「盗撮処罰法」が新設され、各都道府県の迷惑防止条例ではなく、国の法律により重く罰せられることとなる。

援助交際防止への取り組み

児童との援助交際を防止するために施行される法令は、「青少年の保護」および「買春の処罰」の両方の観点から行われる。ただ現在では、児童が見ず知らずの大人と容易に接触できる手段から隔離する為の施策のみが重点的に議論されており、匿名性の高いコミュニケーション手段が創生されるたびに、法規制で対応しているのが現状である。

また、法規制が強化される度に新たな業種や形態の児童買売が誕生するためいたちごっこが続いている。

1999年11月 - 児童買春・児童ポルノ処罰法が施行される。

2003年9月 - 出会い系サイト規制法が施行される。

児童の持つスマートフォンからインターネットにアクセスする際のフィルタリングの是非や、小中学生にスマートフォンを持たせること自体の是非も議論されている。
扱った作品
漫画

闇金ウシジマくん - 真鍋昌平による日本の漫画。

君に愛されて痛かった - 知るかバカうどんによる日本の漫画。

明日、私は誰かのカノジョ - をの ひなおによる日本の漫画。

援助交際撲滅運動 - 山本英夫原作、こしばてつや作画による日本の漫画。

ドラマ・映画

神様、もう少しだけ - フジテレビによる1998年のテレビドラマ。


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