援助交際
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1994年にはダイヤルQ2を使い「援助交際クラブ」(デートクラブ)と称し、児童を使って売春(組織売春)をしていた業者が摘発されたことがきっかけで、マスコミに初めて「援助交際」のワードが出現するようになる[22]

また、同年には宮台真司の著書『制服少女たちの選択』が話題となり、援助交際が世間に知られるきかっけとなった。宮台は援助交際を個別の道徳意識や成育環境の問題としてではなく、日本の社会システムの問題として分析している。


1995年以降、1993年前後から既に流行していたポケットベル携帯電話PHS社会人青少年に爆発的に普及しはじめ、家族学校などの周囲に悟られないコミュニケーションが可能となった。また、バブル崩壊等による機能不全家族の増加とそれに伴うネグレクトや、平成以降の日本の核家族の増加による親子関係の希薄化と非行問題の関連が指摘され始める。

1996年に『週刊文春』にて、援助交際についてのルポルタージュが連載される[注 1]。レポーターの黒沼克史はテレフォンクラブやデートクラブに潜入し、その実態を抉り出して世間を騒然とさせた。このルポルタージュは純粋な調査報道だったが、これがいったん世に出ると大衆紙や低俗週刊誌は興味本位に書き立て、それまで援助交際など知らなかった女の子たちまでやりたがるようになり、それがまた報道を過熱させるという悪循環が起きた[23]。こういった経緯で当時日本中で話題になっていった「援助交際」という言葉は、この年ユーキャンが主催する毎年恒例の流行語大賞にノミネートされた。流行語大賞(の選考)で「援助交際」は惜しくも年間大賞を逃したものの、上位でのトップテン入りを果たし、全国放送されたテレビ特番の授賞式で「援助交際」が発表され、1996年の日本を象徴する流行語となった。「援助交際」は特に(1990年代前半から)"女子高生ブーム"を起こしていた当時の女子高生を象徴する言葉であったが、女子高生以外の学生(専門学生短大生・大学生・大学院生)やフリーター・女性会社員・女性公務員主婦なども幅広く象徴する流行語であった。

1996年東京都生活文化局の男子を含む当時の中高生を対象にした調査によると、援助交際を経験したことがある者は3.3%。1997年ベネッセ教育研究所の調査では、女子を対象として4.4%であった[24]

1997年、援助交際の急増を受けて警察大阪府警)により「援助交際は売春です。」との内容のポスターが製作され、同じ内容のテレビコマーシャルも全国放送されるにまで至った。

1999年にはNTTドコモiモードのサービスを開始し、iモード用の匿名掲示板出会い系サイトが登場して社会問題となる。

1999年11月1日、援助交際の社会問題化を受けて「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」が施行され、法規制が強化された。

2000年代

2003年に「
出会い系サイト規制法」が制定され、法規制が強化された。

2006年、法規制が行われた出会い系サイトと入れ替わる形で店舗型の「出会い喫茶」が拡大する。法規制が明確でない業態であることから、新たな援助交際の温床となる可能性が指摘されていた[注 2]

2008年頃から、後に「JKリフレ」と呼ばれる形態の店舗が拡大し始める。

2010年代

2010年7月4日に
風営法施行令が改正され、出会い喫茶を「店舗を設けて、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際(会話を含む。)を希望する者に対し、当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業」と定義して、性風俗関連特殊営業の規制対象とし、2011年1月1日より施行された。これにより、出会い喫茶は18歳未満の者の立ち入りや営業地域・営業時間・広告宣伝などが全国的に規制されるようになった。

出会い喫茶が規制された2011年以降、入れ変わるような形で秋葉原を中心に所謂「JKビジネス」店が急拡大し、2010年代前半から後半にかけて国際的な社会問題となる。

2013年4月以降、警察は「JKリフレ」「JK撮影会」「JKお散歩」等の「JKビジネス」に従事している、18歳未満の従業員を補導の対象とした[25]

2014年には、アメリカ合衆国国務省がレポートを纏めた『人身売買に関する年次報告書(英語版)』において、日本の「JKお散歩」が性目的の人身売買の例として取り上げられた[26][27]

2015年3月には全国に先駆けて、愛知県青少年保護育成条例の改正という形で、JKビジネスを「有害役務営業[注 3]」と位置付けて、18歳未満による接客を禁じ、有害役務営業をしている店舗には行政が立ち入り調査し、違反があれば営業停止命令を出し、停止命令違反者は1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科される内容を盛り込む条例『JKビジネス包括的規制条例』が制定され、7月1日に施行された[28]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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