1つめはジェット噴射推進に相当するもので、後方の水を急激に押し、その反動で前進する方法[3] 。その典型はイカやタコの急発進で、足を膨らませたマント状にして水をいっぱい取り込んでおいて、その水を一気にしぼり出し、その反動で前進する[3]。
2つめの方法は体幹の後部を屈曲・伸展させることで斜め後方の水を蹴る方法[3]。これは別の言い方をすると、身体のいっぽうの側面あたりの水に自身の身体の側面を衝突させ、衝突させた側の水圧を高く、反対側の水圧を低くすることによってそれらの水圧差を抗力として用い、身体の身長方向の力の分力によって前進する、という方法だということになる[3]。典型的なのは魚の腹から尾びれまでの左右の動き、あるいは魚の背びれの(うねうねした)動き、また人間や他の動物の泳ぎ方である[3]。クジラやイルカは尾びれを上下にあおって推進力を生み出す[3]。
プロペラ船水中で回転し推力を生んでいるプロペラ。キャビテーションが生じると推力が減少してしまう。
様々な艦船で多様な推進装置が用いられているが、代表的なものにスクリュープロペラ(プロペラ)を用いるプロペラ船がある。これは、プロペラを回転させ、水を後方に加速して(蹴って)推力を得る方式である。原動機で発生させた力をシャフトでプロペラに伝え、プロペラが水を後方に押しその反作用を推力とする。原動機の発生させた力が全て推力になるわけではなく、プロペラが生じさせる水流はらせん状の渦でねじれが生じており、推力になるのは原動機の発生させた力の一部である。
帆船ヨットにはたらく力の分析
帆船の場合はいささか複雑である。帆船などでは風の力を推力の源とする。ただし風の力と言っても、真の風に、船の進行によって逆向きに生じる進行風が合成され《みかけの風》が発生する。その《みかけの風》をセイルが受け、その結果セイルは迎え角に応じて斜め方向の力を発生させ、その力を帆柱などに伝え船体が受ける。その力は進行方向からずれた斜め方向になっているが、その力のうち船体の横方向の成分は船体側面やキール(竜骨)が水から受ける抗力によって差し引き減少させ、船体の縦方向の成分を推力として前方へ進む。
出典^ a b c d e 平凡社『世界大百科事典』 第2版 「推力」
^ “ ⇒AMT-USA jet engine product information”. 2006年12月13日閲覧。
^ a b c d e f g 石井喜八,西山哲成編『スポーツ動作学入門』市村出版, 2002 p.120
関連項目
推力重量比
推力偏向
比推力
スラスター
外部リンク
『推力』 - コトバンク
表
話
編
歴
ジェットエンジンおよび航空用エンジン ガスタービンエンジン
ガスタービンおよび
ジェット推進(英語版)
種類
パルスジェット
プロップファン
ターボファン
ターボジェット
ターボプロップ
ターボシャフト
ラムジェット
スクラムジェット
ロケット
機械
部品
アクセサリードライブ(英語版)
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軸流式圧縮機
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燃焼器
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