現在、大型捕鯨と小型捕鯨に分類されることがある。また、国際捕鯨委員会 (IWC) は国際捕鯨取締条約 (ICRW) 締結国の大型捕鯨を、1 商業捕鯨、2 調査捕鯨、3 原住民生存捕鯨の3つに分類している。→#分類
紀元前から、捕鯨を行う民族がいたと推察される遺跡が発見されている。日本では縄文時代(紀元前131世紀頃 - 4世紀頃)の遺跡から鯨類の骨が発見されており、韓国の盤亀台岩刻画
(朝鮮語版)にも先史時代に鯨漁が行われていたと見られる図がある。ヨーロッパでは11世紀にバスク人による捕鯨が盛んになった。かつては主に鯨肉や鯨油採取目的で行われていた。→#歴史現在は国際捕鯨委員会(IWC)「加盟国」において管理対象の13種類の大型鯨類については日本 (既に脱退)、ノルウェー、アイスランドに加えて、「原住民生存捕鯨枠」によりアメリカ、ロシア、デンマーク(グリーンランド)の北極圏先住民族が継続している。韓国では混獲により多くの2000頭近くのクジラが漁獲されており事実上の捕鯨国となっている[1]。またこれは「混獲を装った違法捕獲」を非難する声も上がっている[2](後述)。
国際捕鯨委員会「非加盟国」においては、管理対象種の捕鯨はフィリピン、インドネシアが継続しており、カナダは先住民の申請があった時に行っている。その他、国際捕鯨委員会の「管理対象外」の71種類のいわゆるイルカなどの比較的小型の鯨類については、各国の自主的な水産資源管理に委ねられており、その詳細(捕鯨を行っている国や捕獲数量など)は把握されていない。
世界自然保護基金(WWF)によると、IWCのモラトリアム以降、捕鯨によって殺された鯨の数は、1986年 - 2008年で31,984頭とのことである[3][4]。1986年から2008年まで、殺された鯨の総数も、調査捕鯨にて殺された数も右肩上がりに増加した[3]。 国際捕鯨委員会(IWC)は、国際捕鯨取締条約 (ICRW:The International Convention for the Regulation of Whaling) 締約国の大型捕鯨を3つに分けて表現している。 近代においては捕鯨方式により次のように分けられている。 さらに、「大型捕鯨」と「小型捕鯨」の分類があるが、これには若干異なった三つの定義が存在する。 古代から商業捕鯨モラトリアムに至るまでの捕鯨史について記述する。 ノルウェーにおいては紀元前3000年以降と見られるイルカまたは鯨を描いた洞窟壁画が発見されている。このうち鯨はいずれも小型のハクジラ類であるとみられ、周期的にフィヨルド内へと回遊していた個体を捕獲していたと考えられている。 朝鮮半島の南東部、慶尚南道において鯨を描いた洞窟壁画が存在する。これらの岩壁画は青銅時代から鉄器時代にかけてのものと見られ、金属器を用いて比較的大型の鯨を捕獲していたとされる。 日本でも縄文時代の遺跡から鯨類の骨が発見されており、一部では大量のイルカの骨が集中的に出土していることなどから、積極的な捕獲がすでに始まっていたと推測されている[要出典]。弥生時代の捕鯨については、長崎県壱岐市の原の辻(はるのつじ)遺跡から出土した弥生時代中期の甕棺に捕鯨図らしき線刻のあるものが発見されており、韓国盤亀台
分類
商業捕鯨 - 明確な定義は無いが、事実上2.と3.を除く全ての捕鯨。
調査捕鯨 - ICRW第8条に基づく締約国の特別許可による捕鯨。
原住民生存捕鯨 - ICRW附表第13項に基づくIWCの特別許可による捕鯨。
母船式捕鯨 - 洋上での鯨の解体・加工能力のある船を使用して行う捕鯨。
沿岸捕鯨 - 陸上施設で解体・加工する捕鯨。基地式捕鯨。
第一の定義としてIWCで用いられる業態分類があり、要求される操業記録などに異なった規律が敷かれている。
大型捕鯨 - 積極的な定義は無い。
小型捕鯨("small-type whaling")- 動力船と捕鯨砲を用いて、ミンククジラ、トックリクジラ、アカボウクジラ、ゴンドウクジラ、シャチを専門的に捕獲する捕鯨( ⇒ICRW付表第1条C項)。
第二の定義として捕獲の対象がIWCの管理鯨種(大型鯨)かによる区別がある。ここでの「大型鯨」と「小型鯨」は法的な定義であり、おおむねクジラの体格とも一致するが、「大型鯨」のミンククジラより大きなツチクジラは「小型鯨」に分類されるなど例外もある。
大型捕鯨 - IWCの管理鯨種を対象とした捕鯨。具体的には全てのヒゲクジラ類、マッコウクジラ、キタトックリクジラ及びミナミトックリクジラのいずれか1つ以上を対象とする捕鯨。
小型捕鯨 - 1.以外のクジラ(イルカを含む)を対象とする捕鯨。
第三の定義として日本の漁業法にもとづく分類としての「大型捕鯨業」と「小型捕鯨業」があり、これは「母船式捕鯨業」を加えた3分類となる。使用する捕鯨船の大きさや捕鯨砲の口径(小型は50mm以下)などに異なった規律がある。
大型捕鯨業 - 動力漁船により捕鯨砲(もりづつ)を使用してミンククジラ以外のヒゲクジラ又はマッコウクジラをとる漁業で母船式捕鯨業以外のもの。
小型捕鯨業 - 動力漁船により捕鯨砲を使用してミンククジラ又はマッコウクジラ以外のハクジラをとる漁業で母船式捕鯨業以外のもの。
母船式捕鯨業 - 処理設備のある母船などと捕鯨砲を使用して鯨をとる漁業。
歴史
先史時代
バスク人による捕鯨ルボーク(ロシアの版画)に描かれたカレリア人とポモールが白海でクジラを狩る様子16世紀の捕鯨18世紀グリーンランドにおける捕鯨18世紀オランダ船によるホッキョククジラの捕鯨