バーモント大学のジョー・ローマン(英語版)は「我々が新たに検証した複数の研究では、クジラのような大型捕食動物が存在するほうが、生態系における魚類の個体数が多くなることが明らかになっている」と2014年に指摘した[65][66]。
また、大型鯨類の糞に含まれる大量の窒素やリンや鉄は植物プランクトンの発生を促し、海洋生態系全体への恩恵があるだけでなく、二酸化炭素の抑制にも効果があるとされている。さらに、大型鯨類の死骸による炭素の吸収も指摘されている[67]。
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2009年6月にマデイラ諸島で開催された国際捕鯨委員会の年次会合において、森下丈二(水産庁参事官)は、日本政府代表代理としての立場から、鯨類の増加による漁業資源への被害を実質的に撤回したが、その後も国内世論を是正するという動きは見られなかった[68]。
絶滅の可能性
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国際捕鯨委員会科学委員会の推定資源量では、
ミンククジラは南半球761,000頭、北大西洋174,000頭、西グリーンランド10,800頭、北西太平洋及びオホーツク海25,000頭[30]。
シロナガスクジラは南半球2,300頭[30]。(世界的に10000?25000頭(IUCNレッドリスト[69]))
ナガスクジラは33200頭[30]。
コククジラは26421頭[30]。
ホッキョククジラは11730頭[30]。
ザトウクジラは北西大西洋で11,600、南半球42,000、北太平洋で少なくとも10,000頭[30]。
セミクジラは約7800頭[30]。
ゴンドウクジラは78万頭[30]。
であり、シロナガスクジラやセミクジラは絶滅の危険性が高い。また、クロミンククジラについては増加に度々引き合いに出される76万頭という生息数は下方修正されており、増加の停止が確認されている(後述)。なお種としての生息数が豊富であっても、世界中に生息する種類では生息域によっては系群単位で危機にある場合もあり、そういった事実を鑑みた上で資源管理は地域ごとにおこなわなければならない[70]。
捕鯨に対して、数をコントロールしやすい「家畜」と違い鯨類の捕獲はその減少をコントロールできなくなるという懸念もグリーンピースが主張している[71]。
2024年に日本政府がナガスクジラの商業捕鯨の再開を宣言したが、台湾の自然保護団体やシーシェパードの元船長であったポール・ワトソンも含めた各国からの懸念が寄せられ[72][73]、さらに日本国内の識者も懸念を示しており[74]、絶滅危惧種を捕獲対象とすることのリスクだけでなく需要の低下と商業性の脆弱さも指摘されており[75]、2001年にミンククジラを「海のゴキブリ」と評して「鯨害獣論(鯨食害論)」の拡散と捕鯨論争の拡大に関与した小松正之も[76]、捕鯨推進派としての経歴を持ちながらも今回のナガスクジラの捕獲対象種への追加の科学的正当性への疑念を呈している[73][75]。 国連食糧農業機関の2008年報告によれば、海洋水産資源の利用は19%が過剰漁獲、8%が枯渇、1%が枯渇から回復しつつあるとされ、52%が満限利用の状態にあり、20%が適度な利用又は低・未利用の状態とされている[77]。FAO水産委員会の「漁獲能力に関する国際行動計画」に即し水産資源を持続的に利用していくためには、各国による水産資源管理の一層の強化が求められている[77]。 自然保護の観点からは、「人間による捕鯨を含む漁業によって海洋生態系が撹乱されている」という海洋資源の過剰搾取問題がある。
海洋資源の過剰搾取