持株会社
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日本において、持株会社の社名では以下の語が用いられることがある。
ホールディングス (holdings)
英語において「持株会社」を直接示す語の一つである[5]。(例:パナソニックホールディングス伊藤ハム米久ホールディングスセガサミーホールディングスANAホールディングスヤンマーホールディングス) 「ホールディングス」部分は、少なくとも日本では「HLDGS」[6]、「HD」[注 2]と略されることがある。
グループ (group)
英語において「集団」「同系列に属する組織」を示す語である[8]。(例:ソニーグループソフトバンクグループLIXILグループ
グループ本社
「グループ」の意味は上述の通り。なお、ここでの「本社」に文脈上適合する用法は、少なくともデジタル大辞泉には収録されていない[9]。(例:ハウス食品グループ本社大和証券グループ本社日清製粉グループ本社読売新聞グループ本社
グループホールディングス (group holdings)
「グループ」ならびに「ホールディングス」の意味は上述の通り。(例:アサヒグループホールディングス近鉄グループホールディングス

上記の各語のいずれも含まれない社名を持つ持株会社も存在する(例:イオンキッコーマン)。
持株会社のメリット・デメリット

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出典:M&A総合研究所ポータル『持株会社のメリットとデメリット』[信頼性要検証]
メリット

各部門毎の子会社化からもたらされるメリット。

ある特定の部門の利益にとらわれない、戦略的な本社(親会社としての持株会社)の構築。

新規事業の立ち上げがしやすい。


経営統合で合意済みの他企業に対する買収、グループ化 (M&A)がし易い(友好的買収)。

傘下の各社への権限の委譲がしやすい。

柔軟な人事制度の導入がしやすい。

持株会社Aの下に事業会社 x, y, z がぶらさがっており、z社で巨額損失が発生したような場合z社とA社は打撃を受けるが、x社とy社はダメージを受けない。仮に事業部制の場合は財務が繋がっているため、無関係のx事業部y事業部にも累が及んでしまう。この事態を打破する最後の選択として、A社はx社とy社を売却することによりその売却代金でA社自身を救うことができる。わかりやすいのは
カネボウカネボウ化粧品を、東芝が東芝メモリ(現・キオクシア)を売却した例である。

デメリット

子会社から見た場合、親会社(持株会社)への「お伺い」が増えてしまう。

各子会社(事業会社)間の横の連携がしにくい。

労働条件の交渉について、使用者側の窓口(実際の雇用関係のある子会社なのか、子会社に対して実質的な経営権を有する持株会社(親会社)なのか)が不明となる。

特に純粋持株会社(親会社の主たる収入が子会社からの配当である形態)の場合、持株親会社単体では子会社(あるいは連結ベースでのグループ総体)より信用リスクが大となるため、格付上の「ねじれ」が生じるケースがある。

持株会社およびその子会社に赤字企業がある場合、グループ全体に信用不安が連鎖し、個別企業と見た実力よりも資本市場において株価を通じて過小評価されることがある。

財閥解体を経て構築された経済システムの有名無実化に繋がる(持株会社による傘下企業全体の財閥化は事実上、法の抜け道となる)。

日本における持株会社の規制と解禁

日本では持株会社の定義は会社法には無く私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法。以下「独禁法」)にある[1]

独禁法第9条第4項では、「子会社の株式の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の、当該会社の総資産の額に対する割合が百分の五十を超える会社」を持株会社と定義している。

日本では、戦前の財閥本社が純粋持株会社の形態を採っていた。しかし、戦後に制定された過度経済力集中排除法によって財閥解体が行われ、また独禁法により、持株会社たる会社の設立及び既存の会社の持株会社化が禁止された。

1997年の独禁法改正により、日本においても純粋持株会社の設立が解禁された[10]。これは金融ビッグバンの一環として行われたものであった。

また、銀行法は、銀行を傘下におく持株会社(銀行持株会社)についても認可を必要としており、そのため銀行法上の持株会社を「子会社(国内の会社に限る。)の株式等の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の総資産の額(内閣府令で定める方法による資産の合計金額をいう。)から内閣府令で定める資産の額(内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。)を除いた額に対する割合が百分の五十を超える会社をいう。」(第2条第12項)と定義している。

解禁後の設立第1号は、同年に株式会社神戸セントラル開発が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社ダイエーホールディングコーポレーションである(その後、同社はダイエーグループの経営悪化により2001年に解散)。[要出典]

上場企業においては、1999年4月に大和證券株式会社が商号を変更し純粋持株会社となった株式会社大和証券グループ本社が第1号であり、大和総研はこれを「日本国内初の純粋持株会社化」としている[10]

近年は複数企業の経営統合において、それら複数企業の共同出資により共同持株会社を設立し、両社がその子会社となったのちに、合併などの再編を行う事例が多くなっている[注 3]。また、持株会社と子会社が合併して事業会社とする事例も出ている[注 4]
持株会社の創設

持株会社を創設する方法には株式移動方式と抜殻方式がある[11]
株式移動方式

株式移動方式とは既存の事業会社の事業を継続させたまま、その株主の保有する株式を持株会社となる上位会社の株式に移動させることで各事業会社を傘下に収める方法である[11]株式移転株式交換が代表例であるが、既存の事業会社の株主による株式の現物出資、株式公開買付けによる方法もこれに含まれる[11]
株式移転による例

持株会社となる完全親会社を株式移転によって新規に設立するものである。複数の会社による株式移転は合併代替方式とも呼ばれる。主な例は、株式会社バンダイナムコホールディングスセガサミーホールディングス株式会社株式会社テレビ東京ホールディングスなど。この場合、子会社株式は旧親会社が保有したままなので、必要に応じて旧親会社の会社分割か株式譲渡の手続きを取って子会社管理事業を承継することがある。
株式交換による例

既存の会社を株式交換によって完全親会社に仕立て上げるものである。これを採用して持株会社体制に移行したものは、株式会社みずほフィナンシャルグループ株式会社メルコホールディングスキョーリン製薬ホールディングス株式会社など。
その他の例

他、きわめて特殊な例では、民事再生法の適用を申請した企業(再生企業)が100%減資したうえで既存の会社が新たに再生企業に全額出資したケースもあった。


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