?音
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中国以外では長らくウェード・ジャイルズ式などが使われてきたが、1977年には国際連合の地名標準化会議で中国の地名を?音によって記載することを決定した[5]。また、1982年には国際標準化機構も?音を ISO 7098 として採用した。現在ではラテンアルファベットを使う諸言語の新聞・書籍などで、中国の固有名詞はほとんど?音で表記するようになっている。

一方、政治体制が異なる台湾中華民国)では、標準中国語(国語)の発音表記体系として、漢語?音ではなく注音符号が使用されてきた。固有名詞を中心としたローマ字表記としては長らくウェード式を用いてきた。ほかに、国語ローマ字(1928年公布)、国語注音符号第二式(1984年公布)もあった。1998年にはさらに通用?音が考案され、漢語?音と通用?音のどちらを採用するかをめぐって関連当局間でも同意を得られない状態が続いたが、最終的に2009年1月1日、公式に漢語?音を採用した。ただし都市名等の「台北、Taipei」や「高雄、Kaohsiung」のようなウェード式表記や、「基隆、Keelung」のような非北京語音を基にした表記など、国際的に定着しているものについては変更していない(仮にこれらを漢語?音にするなら、Taibei、Gaoxiong、Jilong となる)。
表記

?音には v を除く25文字のラテン文字が使われる。ほかに u, e と声調符号が使われる。
声母(音節頭子音)

セル内に太字で?音を、角括弧内に国際音声字母を示した。

 歯茎反り舌歯茎硬口蓋軟口蓋
破裂音無声無気音b [p]d [t]  g [k]
無声有気音p []t []  k []
鼻音m [m]n [n]   
破擦音無声無気音 z [t͡s]zh [ʈ͡ʂ]j [t͡ɕ
無声有気音 c [t͡sʰ]ch [ʈ͡ʂʰ]q [t͡ɕʰ
摩擦音f [f]s [s]sh [ʂ]x [ɕ]h [x]
側面接近音 l [l]r [ɻ~ʐ]  
声母の順序は、 b p m f  d t n l  g k h  j q x  zh ch sh r  z c s である。

漢字に添えてその発音を示すときは、綴りを短くするため、zh ch sh を ? ? ? と省略することができることになっているが、現実の使用例はほとんどない。
韻母

セル内の1段目には国際音声記号を、2段目には声母がなく韻母だけで構成される形の?音を、3段目には声母と組み合わされる形の?音を示した。

尾音
?/i//u//n//?/
介音?[??], [z?]

-i 3[?]
e
-e[a]
a
-a[ei]
ei
-ei[ai]
ai
-ai[ou]
ou
-ou[?u]
ao
-ao[?n]
en
-en[an]
an
-an[??]

-ong[??]
eng
-eng[??]
ang
-ang
/i/[i]
yi
-i[i?]
ye
-ie[ia]
ya
-ia[iou]
you
-iu[i?u]
yao
-iao[in]
yin
-in[i?n]
yan
-ian[i??]
yong
-iong[i?]
ying
-ing[i??]
yang
-iang
/u/[u]
wu
-u[uo]
wo
-uo 2[ua]
wa
-ua[uei]
wei
-ui[uai]
wai
-uai[u?n]
wen
-un[uan]
wan
-uan[u??]
weng
 [u??]
wang
-uang
/y/[y]
yu
-u 1[y?]
yue
-ue 1[yn]
yun
-un 1[y?n]
yuan
-uan 1

u は、j, q, x の後では u と表記する。

uo は、b, p, m, f の後では o と表記する。現在は表記どおり bo, po, mo, fo は[-o]と発音することが多い。

-i は zh, ch, sh, r([??]または[?])や z, c, s([z?]または[?])のそのままの舌の構えで出される音を表す。したがって、これらの声母に伴って使われ、単独で発音されない。

漢字に添えてその発音を示すときは、綴りを短くするため、ng を ? と省略することができることになっているが、実際の使用例はほとんどない。
erと児化音

「而」や「二」などの音 [?] は er と表記する。

児化した音節については、児化する前の形で表記して、その後ろに r を付ける。
e, m, n, ng

あまり多くないが、間投詞として e /e/ が現れる。漢字では「欸・?」と書く。

m, n, ng が母音なしで音節をなすことがある。? m? ? ? ? ?g ?g ?g hm hng など。
声調

第一声第二声第三声第四声軽声
?音? ????
(使用しない)

軽声には声調符号を付けない。

e, m, n の上にも声調符号がつき得る。

第二声を表す記号は正確には右上に向かう(左下が太く右上が細くなる)記号であり、ヨーロッパ系諸言語で用いられるアキュートアクセント記号とは向きが違うが、Unicode および UCS の文字コードでは区別されていない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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