?音
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現在は表記どおり bo, po, mo, fo は[-o]と発音することが多い。

-i は zh, ch, sh, r([??]または[?])や z, c, s([z?]または[?])のそのままの舌の構えで出される音を表す。したがって、これらの声母に伴って使われ、単独で発音されない。

漢字に添えてその発音を示すときは、綴りを短くするため、ng を ? と省略することができることになっているが、実際の使用例はほとんどない。
erと児化音

「而」や「二」などの音 [?] は er と表記する。

児化した音節については、児化する前の形で表記して、その後ろに r を付ける。
e, m, n, ng

あまり多くないが、間投詞として e /e/ が現れる。漢字では「欸・?」と書く。

m, n, ng が母音なしで音節をなすことがある。? m? ? ? ? ?g ?g ?g hm hng など。
声調

第一声第二声第三声第四声軽声
?音? ????
(使用しない)

軽声には声調符号を付けない。

e, m, n の上にも声調符号がつき得る。

第二声を表す記号は正確には右上に向かう(左下が太く右上が細くなる)記号であり、ヨーロッパ系諸言語で用いられるアキュートアクセント記号とは向きが違うが、Unicode および UCS の文字コードでは区別されていない。通常、中国語書体ではアキュートを左下から右上に向かうデザインにしている。
声調符号の位置

声調符号は主母音の上につける。つまり、複数の母音字があった場合は a に、a がなければ e か o の上につける。主母音が省略されている -iu は後の u のほうに、-ui には i のほうにつける。
声調が変化する場合

第三声が連続する場合に、最後の一つ以外は第二声に変化するが、声調符号は変化しない。(ただし一部の辞典では実際の発音を表示している。)

例えば「?好、n? h?o」は両方とも第三声なので、前の「?」が第二声に変化するが、表記上は本来の声調で書かれる。

数詞の「一、y?」、「七、q?」、「八、b?」の後に音節が続く場合、および否定副詞「不、bu」 の後に音節が続く場合、それぞれ「yiまたはyi, qi, ba, bu」と発音する場合があるが、その場合も本来の声調で表記する。ただし、語学用の書籍では、変化した発音を載せてもよいとされている[6]
辞書の配列

辞書は?音表記によるアルファベット順で排列される。部首と画数から検索可能な索引が付される[7][8][9]
区切り符号

a, o, e の文字で始まる音節が他の音節の後に続くとき、もし音節の切れ目に混交が起きる場合は区切り記号「?」(隔音符号、アポストロフィー)を用いて区切る。

例:「皮襖/皮?、pi??o」 ≠ 「朴/朴、piao」

ただし、その間で改行する場合は、アポストロフィは省略される[10]。中華人民共和国のパスポートの姓名表記でもアポストロフィは省略される[11]

なお、二つ以上の音節からなる略語、範囲を示す語、対等関係の語を並べた語、二つずつに分解して理解すべき四字熟語などでは、語の間に「-」(ハイフン)を入れてつなげる場合がある。

例:「環保/?保、huan-b?o」(環境保護)、「五六天、w?-liu ti?n」(五六日)、「陸海空軍/?海空?、lu-h?i-k?ngj?n」(陸海空軍)、「愛憎分明/?憎分明、aiz?ng-f?nming」(愛憎分明)

離合詞では、jian//mian のように//を入れて表記する辞書もある[12]
分かち書き

?音では単語を単位とし、分かち書きを行う規則になっているが、どこまでを一区切りとすべきか判断に困る場合も多いため、『漢語?音正詞法基本規則』というガイドラインが1988年に示されている。大文字で書くべき固有名詞の例や、上記のハイフンによる結合の例なども示している。

例:「中華人民共和國/中?人民共和国、Zh?nghua Renmin Gongheguo」(中華人民共和国)、「各國/各国、ge guo」(各国)、「非金屬/非金属、f?ij?nsh?」(非金属)、「泰山、Tai Sh?n」(泰山)、「梅蘭芳/梅?芳、Mei Lanf?ng」(梅蘭芳)、「中山服、zh?ngsh?nfu」(人民服)、「進行了/?行了、jinxingle」(進行した)、「寫得不好/写得不好、xi? de bu h?o」(下手に書く)。

コンピュータ上での取り扱い

中国の基本文字セット GB 2312 や、2000年に制定された日本の拡張文字セット JIS X 0213 には、漢語?音で用いられる声調符号付きラテン文字が含まれる。

声調符号のついたラテン文字を含む書体の使えない環境で中国語の?音を書く際には、声調は通常無視される。非母語話者の中国語初学者などのように声調が必要な場合は、音節の後に声調の番号を振って示すことがある。例えば W? shi Rib?n ren(我是日本人、私は日本人です)と書く代わりに Wo3 shi4 Ri4ben3 ren2 と書く。

「u」の字が使えない場合 v で代用することがある。
?音入力

?音は漢字入力方式としても使われる。この場合は v のキーに u が割り当てられていることが多い。なお入力時には声調の違いは無視される場合が多い。

多くの?音入力は短縮入力をサポートしている(zg で「中国」に変換されるなど)。
jピンイン

陳淑梅 (2011) は、中国語の音節と片仮名とが1対1に対応する表記法として「jピンイン」を考案した[13]。中国語の知識がない日本人が片仮名を実際に発音して、中国人が正しく聞き取れるかどうかをテストしている。jピンインの音節対応表(Microsoft Excel のファイル[14])も公表されている。
注釈^ 例えば中華民国(台湾)教育部ウェブサイトにある ⇒中文譯音轉換系統でウェード式は「威妥瑪?音」(w?itu?m? p?ny?n)、イェール式は「耶魯?音」(yel? p?ny?n) と表記されている。

出典^ 小川環樹、西田太一郎、赤塚忠 編「中国語ローマ字表記一覧表」『角川新字源』(初版)角川書店、1968年、1226-1227頁。 
^ a b “ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「普通話」の解説”. 世界大百科事典 第2版. 平凡社. 2021年4月4日閲覧。
^ 中?人民共和国教育部 (2012年10月1日). “???音正?法基本??” (PDF) (中国語). 中華人民共和国国務院. 2018年5月20日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2018年5月20日閲覧。
^ 中?人民共和国教育部 (2012年10月1日). “中国人名???音字母?写??” (PDF) (中国語). 中華人民共和国国務院. 2018年5月20日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2018年5月20日閲覧。
^ 橋本萬太郎・鈴木孝夫・山田尚勇『漢字民族の決断』大修館書店、1987年、425頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4469220493。 
^ GB/T 16159-2012 6.5.2
^ “ ⇒辞書の使い方(中国語編)”. 翻訳会社イデアのブログ. 株式会社イデア・インスティテュート (2015年12月25日). 2023年2月18日閲覧。
^ 中国社会科学院語言研究所詞典編輯室 編『現代漢語詞典』(第5版)商務印書館、2005年。ISBN 7-100-04385-9。 
^ 《?英?典》組 編『?英?典』(修?版 (?印本))外?教学与研究出版社、1997年。ISBN 7-5600-1325-2。 
^ GB/T 16159-2012 6.6.2
^ GB/T 28039-2011 5.1.6
^ “?面の解説”. Weblio 日中中日辞典. 白水社 中国語辞典. GRASグループ株式会社. 2023年2月18日閲覧。
^ 陳淑梅 2011.
^ 東京工科大学jピンイン研究プロジェクト (2011年10月). “jピンイン音節表”. 2023年2月25日閲覧。

参考文献

陳 淑梅「現代中国語のカタカナ発音表記をめぐって 「jピンイン」という名前の中国語音節の仮名表記案」(PDF)『東方』第368号、2011年10月、14-17頁、2023年2月25日閲覧。 

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