拳銃
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使わない手を胸と首のあたりに持ち上げて手のひらを上に向けてから握りしめることで上体の筋肉を引き締め、射撃側の手を伸ばして射撃する方法[19]

Strong-Hand Retention Stance - 近接距離で銃が奪われかねない状態や閉所での使用に用いられる。腕を折り曲げ、銃を持った手をわきの下に接触させて固定させて撃つ方法。もう片方の手は格闘に備えるなり自由に動かせる。ただし、反動を抑えるために上に燃焼ガスを逃す機構があると自分の目や顔などに燃焼ガスがかかるため、そういう銃の場合は若干前に出す必要がある[19]

射撃競技の射撃姿勢


イン・ライン・スタンス - 射撃競技に見られる姿勢。片手で保持し、銃の銃口から持つ手の反対の肩までが一直線上になる構え方。

オープン・スタンス - 命中率が下がるがイン・ライン・スタンスの状態から体を若干対象に向けることで頭を横に向け続ける負荷を減らす射撃姿勢。

技術


ファストドロウ(英語版)(クイックドロウ) - 西部劇で見られるような、ヒップホルスターから抜き出して即座に射撃する早射ち。

ファニング (銃)(英語版) - やはり西部劇で見られる、回転式拳銃の引き金を引いたままで保持し、もう一方の手で撃鉄を弾き起こして連射する技術。

ポイントシューティング(英語版) - 近距離の標的に対して、照準器を使わずに感覚だけで撃ち込む迅速射撃技術。

タクティカルリロード - 薬室や使用途中の弾倉にまだ弾薬が残っている状態で、新しい弾倉と交換する手法。建物内の捜索といった緊迫した状況下で、万一の弾切れを予防するための措置。弾倉の交換も一挙動で迅速に行われる。

ダブルタップ射撃(英語版) - 同じ目標に二連射すること。

モザンビーク・ドリル(英語版) - 当たりやすい胴体にまずダブルタップ射撃を行い、なおも標的を無力化できなければ、三発目で頭部などの急所を正確に狙い撃つという技術。名称は、ローデシア傭兵のマイク・ルソーが首都の空港で体験した戦訓にもとづくという俗説による。

タップ・ラック・バン(英語版) - 自動銃の動作不良時に行う応急対応をまとめた用語。タップは弾倉を軽く叩いて弾薬や弾倉ばねの引っかかりを解く、ラックは遊底やコッキングハンドルなどを操作して薬室に新しい弾薬を送り込む、バンは射撃を再開する。それでも動作不良が再発するようなら、銃や弾倉そのものに破損などの異状が疑われる。もし腔発や遅発が起きた場合には、タップ・ラック・バンを行うべきではない。

射撃芸(英語版)

二丁拳銃 - 両手に一挺ずつの拳銃を持ち、携行・射撃を行うこと。二挺を同時または交互に射撃する場合と、利き腕側の拳銃を使い、そうでない側を予備とする場合がある。単発拳銃が主流だった頃には実戦的な射撃法ともされたが、反動制御や精度や取り回しに難があり、現代ではもっぱらパフォーマンスやフィクションでの演出として行われる。

回転式拳銃の射撃操作について

回転式拳銃の基本的な射撃操作と、拳銃の挙動は以下の通りだが、競技用拳銃などに操作の異なるものがある。
シングルアクションコルトSAA詳細は「シングルアクション」を参照

シングルアクションとは弾丸を1発撃つごとに手で撃鉄を起こす必要がある銃、または1発撃つごとに手で撃鉄を起こす操作法を指す。
弾薬を回転式弾倉に装填し、銃にセットする。

撃鉄(ハンマー)を親指で引き起こす。銃内部のばねを圧縮した状態で撃鉄は止まる。

上記操作と連動して弾倉が回転し、弾薬が発射位置まで移動したところで弾倉が固定され、発射準備が完了する。この状態をコッキングと呼ぶ。

人さし指で引き金を引く。撃鉄が作動して落ち、弾薬の底部にある銃用雷管を叩いて火薬が発火し、弾丸が発射される。

引き金が撃鉄を倒すという1つ(シングル)の動作しかしないことからこう呼ばれる。西部劇で多く登場する。片手撃ちの場合、基本的には親指でコッキングして発射準備をする。

速射する場合には先に引き金を引いたまま、空いている手の親指と小指で掌を扇ぐようにコッキングし連続射撃を行う。この動作をファニング(ファニングのファンとは扇のこと)といい、西部劇などでよく見られる。初期のリボルバーにダブルアクション機構がなかったために生じた連射技だが、実弾射撃の場合は1発発射するごとの反動が大きいので、次弾以降の命中を期するのは難しく、空包を使用した映画やショーならではのパフォーマンスと言える。
ダブルアクションダブルアクションとシングルアクション併用のナガンM1895(カットモデル)詳細は「ダブルアクション」を参照

ダブルアクションとは弾丸の発射に際し、引き金を引くだけで撃鉄が起き上がってから落ち、連続で発射が行える機構やその操作法のことを指す。
弾薬を回転式弾倉に装填し、銃にセットする。

引き金を引く操作と連動して撃鉄が起こされる。さらに連動して弾倉が回転し、弾薬が発射位置まで移動したところで弾倉が固定され、発射準備が完了する。

弾倉の固定とほぼ同時に、引き続けていた引き金が定位置に来た段階で連動していた撃鉄が落ち、弾丸が発射される。

引き金が撃鉄を起こし、さらに倒すという2つの動作をすることからダブルアクションという。引き金を連続して引くだけの簡単な操作で連射できるが、撃鉄を起こす余分な力が必要となるため、引き金を引くのに必要な力(トリガープル)がシングルアクションより大きいことや、引き金を引く距離(トリガーストローク)が長くなり撃ちづらく、命中精度が落ちるなどの欠点もある。

現代のリボルバーの大部分はシングルアクションとダブルアクションの両方の操作ができるようになっているが、ダブルアクション専用のものもある(S&W M40二十六年式拳銃など)。これは、取り扱いに不慣れな者による暴発事故を防ぐほか、格闘時などに偶然もしくは相手の妨害により、ハンマーと弾丸底部を叩く隙間に異物が挟まることで撃鉄が弾丸底部を叩けなくなったり、異物がクッションとなって雷管が発火せず射撃不能になることを防ぐ意味もある。

撃鉄を起こした状態から射撃を中止する場合、指で撃鉄を押さえながらゆっくり元の位置に戻す操作「デコッキング」の必要があるが、内蔵安全装置を持たない古い時代の回転式拳銃の場合には暴発の可能性があり、危険である。こうした古い時代の回転式拳銃の場合には、撃鉄が起きていない状態でも落下などにより衝撃が加わると暴発する可能性がある(遊戯銃では、実銃にはない安全装置が追加して設けられていることがある)。これを踏まえ、現代の回転式拳銃には引き金を引く操作をしない限り撃針を弾薬に触れさせない、内蔵安全装置が組み込まれている。
自動式拳銃の射撃操作についてフィールドストリップしたM1911

以下に、一般的な自動式拳銃の操作と挙動を示す。回転式拳銃同様に、シングルアクション、ダブルアクションなどの方式が存在するが、基本的に自動式の場合は2発目以降は撃鉄またはストライカーが発射準備状態になるため2発目以降は回転式でいうシングルアクションの撃鉄が起きた状態となる。そのため、ダブルアクションとシングルアクションの違いは撃鉄が倒れた状態からの最初の1発目の場合にのみ差がある。ただし最近は撃鉄が起きたままで引き金に軽く触れただけで発射されてしまう状態を嫌い、回転式のダブルアクションと同様に毎回撃鉄を起こすダブルアクションで作動するように作られた物が、主に警察関係で採用される傾向がある。
弾薬が装填された弾倉を銃に取り付ける。弾倉はばねの力で弾丸を銃の内部に押し上げている。

遊底(スライド)をいっぱいに引いて、引く手をはなす。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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