回転式拳銃の基本的な射撃操作と、拳銃の挙動は以下の通りだが、競技用拳銃などに操作の異なるものがある。
シングルアクションコルトSAA詳細は「シングルアクション」を参照
シングルアクションとは弾丸を1発撃つごとに手で撃鉄を起こす必要がある銃、または1発撃つごとに手で撃鉄を起こす操作法を指す。
弾薬を回転式弾倉に装填し、銃にセットする。
撃鉄(ハンマー)を親指で引き起こす。銃内部のばねを圧縮した状態で撃鉄は止まる。
上記操作と連動して弾倉が回転し、弾薬が発射位置まで移動したところで弾倉が固定され、発射準備が完了する。この状態をコッキングと呼ぶ。
人さし指で引き金を引く。撃鉄が作動して落ち、弾薬の底部にある銃用雷管を叩いて火薬が発火し、弾丸が発射される。
引き金が撃鉄を倒すという1つ(シングル)の動作しかしないことからこう呼ばれる。西部劇で多く登場する。片手撃ちの場合、基本的には親指でコッキングして発射準備をする。
速射する場合には先に引き金を引いたまま、空いている手の親指と小指で掌を扇ぐようにコッキングし連続射撃を行う。この動作をファニング(ファニングのファンとは扇のこと)といい、西部劇などでよく見られる。初期のリボルバーにダブルアクション機構がなかったために生じた連射技だが、実弾射撃の場合は1発発射するごとの反動が大きいので、次弾以降の命中を期するのは難しく、空包を使用した映画やショーならではのパフォーマンスと言える。
ダブルアクションダブルアクションとシングルアクション併用のナガンM1895(カットモデル)詳細は「ダブルアクション」を参照
ダブルアクションとは弾丸の発射に際し、引き金を引くだけで撃鉄が起き上がってから落ち、連続で発射が行える機構やその操作法のことを指す。
弾薬を回転式弾倉に装填し、銃にセットする。
引き金を引く操作と連動して撃鉄が起こされる。さらに連動して弾倉が回転し、弾薬が発射位置まで移動したところで弾倉が固定され、発射準備が完了する。
弾倉の固定とほぼ同時に、引き続けていた引き金が定位置に来た段階で連動していた撃鉄が落ち、弾丸が発射される。
引き金が撃鉄を起こし、さらに倒すという2つの動作をすることからダブルアクションという。引き金を連続して引くだけの簡単な操作で連射できるが、撃鉄を起こす余分な力が必要となるため、引き金を引くのに必要な力(トリガープル)がシングルアクションより大きいことや、引き金を引く距離(トリガーストローク)が長くなり撃ちづらく、命中精度が落ちるなどの欠点もある。
現代のリボルバーの大部分はシングルアクションとダブルアクションの両方の操作ができるようになっているが、ダブルアクション専用のものもある(S&W M40、二十六年式拳銃など)。これは、取り扱いに不慣れな者による暴発事故を防ぐほか、格闘時などに偶然もしくは相手の妨害により、ハンマーと弾丸底部を叩く隙間に異物が挟まることで撃鉄が弾丸底部を叩けなくなったり、異物がクッションとなって雷管が発火せず射撃不能になることを防ぐ意味もある。
撃鉄を起こした状態から射撃を中止する場合、指で撃鉄を押さえながらゆっくり元の位置に戻す操作「デコッキング」の必要があるが、内蔵安全装置を持たない古い時代の回転式拳銃の場合には暴発の可能性があり、危険である。こうした古い時代の回転式拳銃の場合には、撃鉄が起きていない状態でも落下などにより衝撃が加わると暴発する可能性がある(遊戯銃では、実銃にはない安全装置が追加して設けられていることがある)。これを踏まえ、現代の回転式拳銃には引き金を引く操作をしない限り撃針を弾薬に触れさせない、内蔵安全装置が組み込まれている。
自動式拳銃の射撃操作についてフィールドストリップしたM1911
以下に、一般的な自動式拳銃の操作と挙動を示す。回転式拳銃同様に、シングルアクション、ダブルアクションなどの方式が存在するが、基本的に自動式の場合は2発目以降は撃鉄またはストライカーが発射準備状態になるため2発目以降は回転式でいうシングルアクションの撃鉄が起きた状態となる。そのため、ダブルアクションとシングルアクションの違いは撃鉄が倒れた状態からの最初の1発目の場合にのみ差がある。ただし最近は撃鉄が起きたままで引き金に軽く触れただけで発射されてしまう状態を嫌い、回転式のダブルアクションと同様に毎回撃鉄を起こすダブルアクションで作動するように作られた物が、主に警察関係で採用される傾向がある。
弾薬が装填された弾倉を銃に取り付ける。弾倉はばねの力で弾丸を銃の内部に押し上げている。
遊底(スライド)をいっぱいに引いて、引く手をはなす。