この種の「小型で銃身が短く片手で射撃可能な銃」を指すものとして広く用いられる「ピストル」の語は、イタリアのトスカーナ州北部にある都市であるピストイア(Pistoia) に由来するとされ[3] 、1540年頃にこの町に住む銃工カミッロ・ヴィテッリ(Camillo Vitelli)が発明し、それがヨーロッパでこの種の銃を指す「ピストル」の語源になった、という説がある[注 7]。日本語としての“ピストル”は、直接的にはオランダ語(pistool)の発音が語源である。
ただし、米国で単に「ピストル」というと普通は自動拳銃を指し、回転式拳銃は「リボルバー(Revolver)」と呼ばれる[注 8]。
中国語ではhandgunを意訳した「手槍(手?)」と表記され[注 9]、「全自?手?(自動式拳銃)」など特徴を併記して分類される。なお回転式拳銃(多?室手?)の多くは弾倉が左に飛び出すことから「左?手?」や単に「左?」と呼ばれる。
構成要素・アタッチメントについて詳細は「銃の部品#拳銃」を参照
部品の名称などは主に銃の部品#拳銃ページにて行っている。
アタッチメント
銃床(ストック)
銃剣
ランヤード(英語版) - 体と結び盗難や落下を防止する紐。ピストルランヤード、拳銃吊り紐とも呼ばれ、警察や軍隊で用いられる。
レッドドットサイト(英語版)
アウターバレル - 外付けのバレルで、有効射程を伸ばす。
コンペンセイター - 射撃時の反動を抑える部品
サプレッサー(消音器)
muzzle stand off device -主にショートリコイルの銃にある銃口を押し付けるとスライドする部分がずれて、連動する内部部品が接続しなくなり射撃できなくなる問題を解決するための部品。格闘用の突起の付いたストライクフェイスなどがある。
フラッシュサプレッサー、フラッシュハイダー - 射撃時のマズルフラッシュ(英語版)を目立たなくする。
カメラ(法廷に提出するための使用前後の映像を記録するための物)[4]
レーザーポインター
高輝度ライト - 暗所での捜索や目くらましに用いられる。あらかじめ照射範囲を調節することで、簡易照準器としても応用できる。
auto-sear - 違法な安易にフルオート連射化させる改造部品[5]。Swich、Chipなどとも呼称される。3Dプリンターでも出力できる簡易な部品だが、アメリカでは所有だけで2年の懲役刑となる[6]。
スタビライジングブレース(Stabilizing Braces) - アームブレースとも呼ばれる腕に固定化してライフル銃並みに命中精度を向上させる装備[7][8]。2023年1月13日、アメリカではスタビライジングブレースを装備して銃身を改造したピストルはライフルと同じ規制対象となった[9]。
メンテナンス・保持方法について
火器の清掃(英語版) - 拳銃のメンテナンスは大別して2種類ある。注油ときちんと動作するかの確認という日常的なメンテナンス、射撃後の残留物を除去する射撃後の手入れを行うことと銃器の説明書には記載されている[10]。
使用する器具としては、クリーニングロッド、チェンバークリーニングブラシ、布、クリーニング液などである[10]。
ホルスター - 拳銃を持ち運ぶ際には、隠し持つコンシールドキャリー(英語版)の場合が多いが、銃が見えるようオープンキャリー(Open carry)で携行する場合もある。
口径変更(ドイツ語版) - メーカーが提供するモジュールを変えることで口径を変更できるようにしている。マルチキャリバー(Multi-Caliber)システムなどとも呼ばれる。
用途について「制式拳銃」および「en:Service pistol」を参照
軍事用途拳銃を使用するNavy SEALs隊員模擬拳銃(実銃との区別のため赤い樹脂で出来ている)を使用して臨検の訓練を行うアメリカ海軍兵士、狭い空間での戦闘では拳銃が使用される場合がある
現代では将校、狙撃手、重火器の操作手、車両および航空機の乗員などに、護身用として自動拳銃が支給されるのが一般的である。対して一般の歩兵部隊ではごく限定的な数が運用されるのみである[注 10][11]。
拳銃は一般的な火器と異なり、ストック(銃床)やフォア・グリップ(前方銃把)の類が存在しない上に、そのものが軽量であるため制動が難しい。そのため、射撃には習熟が必要[注 10][11]な上に、野戦において小銃類に対抗することは不可能に近い。中近距離の戦闘においても、アサルトライフルや短機関銃といった自動火器に比べて、有効射程や発射速度が絶対的に不足しており、不利は免れない[注 11][11]。