拳銃
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銃床を持たず銃身が短く携帯性に優れている[注 2]。各国の警察官も拳銃を携行している事が多い。犯罪者側も隠し持つために有利であるので、大型銃と比較し所持規制が厳しい傾向にある(アメリカでは州により法律が異なるが、自宅に置く「所有」は規制が緩い一方、「携行」は警察官を除き許可を要する州もある)。
拳銃弾を用いる
緩燃性の装薬を多く用いる小銃弾に比べて、速燃性の装薬を少なく用いる拳銃用弾薬が使われる。拳銃は銃身が短いため銃身内での弾頭の十分な加速が望めず、発射薬の燃焼速度や弾頭重量によってパワーを稼ぐ必要がある。
そのため拳銃弾は小銃弾に比べ短いが口径は大きい傾向にある。結果として近距離で十分な威力を持つが距離による威力減衰が激しい特性がある。
片手でも射撃が可能
拳銃は小型で低威力のため、反動が少なく片手でも使用できる。片手で使用できないものは拳銃の範疇に含めない。ただし片手持ちでは射撃精度が低くなるため、現在は両手で保持する射撃姿勢が主流である[注 3][注 4][注 5]
名称について

「拳銃」とは、英語のハンドガン(英語: Handgun)が日本で意訳された言葉である。「拳」の字が改定前の常用漢字表に含まれていなかったため[注 6]、官庁やマスコミなどでは「短銃」と呼ぶか、または「けん銃」と交ぜ書きにすることが多い。また、暴力団関係者の間では「はじき」、「チャカ」、「飛び道具」といった隠語で呼ばれている。

この種の「小型で銃身が短く片手で射撃可能な銃」を指すものとして広く用いられる「ピストル」の語は、イタリアトスカーナ州北部にある都市であるピストイア(Pistoia) に由来するとされ[3]1540年頃にこの町に住む銃工カミッロ・ヴィテッリ(Camillo Vitelli)が発明し、それがヨーロッパでこの種の銃を指す「ピストル」の語源になった、という説がある[注 7]。日本語としての“ピストル”は、直接的にはオランダ語(pistool)の発音が語源である。

ただし、米国で単に「ピストル」というと普通は自動拳銃を指し、回転式拳銃は「リボルバー(Revolver)」と呼ばれる[注 8]

中国語ではhandgunを意訳した「手槍(手?)」と表記され[注 9]、「全自?手?(自動式拳銃)」など特徴を併記して分類される。なお回転式拳銃(多?室手?)の多くは弾倉が左に飛び出すことから「左?手?」や単に「左?」と呼ばれる。
構成要素・アタッチメントについて詳細は「銃の部品#拳銃」を参照

部品の名称などは主に銃の部品#拳銃ページにて行っている。
アタッチメント


銃床(ストック)

銃剣

ランヤード(英語版) - 体と結び盗難や落下を防止する紐。ピストルランヤード、拳銃吊り紐とも呼ばれ、警察や軍隊で用いられる。

レッドドットサイト(英語版)

アウターバレル - 外付けのバレルで、有効射程を伸ばす。

コンペンセイター - 射撃時の反動を抑える部品

サプレッサー(消音器)

muzzle stand off device -主にショートリコイルの銃にある銃口を押し付けるとスライドする部分がずれて、連動する内部部品が接続しなくなり射撃できなくなる問題を解決するための部品。格闘用の突起の付いたストライクフェイスなどがある。

フラッシュサプレッサー、フラッシュハイダー - 射撃時のマズルフラッシュ(英語版)を目立たなくする。

カメラ(法廷に提出するための使用前後の映像を記録するための物)[4]

レーザーポインター

高輝度ライト - 暗所での捜索や目くらましに用いられる。あらかじめ照射範囲を調節することで、簡易照準器としても応用できる。

auto-sear - 違法な安易にフルオート連射化させる改造部品[5]。Swich、Chipなどとも呼称される。3Dプリンターでも出力できる簡易な部品だが、アメリカでは所有だけで2年の懲役刑となる[6]

スタビライジングブレース(Stabilizing Braces) - アームブレースとも呼ばれる腕に固定化してライフル銃並みに命中精度を向上させる装備[7][8]。2023年1月13日、アメリカではスタビライジングブレースを装備して銃身を改造したピストルはライフルと同じ規制対象となった[9]

メンテナンス・保持方法について

火器の清掃
(英語版) - 拳銃のメンテナンスは大別して2種類ある。注油ときちんと動作するかの確認という日常的なメンテナンス、射撃後の残留物を除去する射撃後の手入れを行うことと銃器の説明書には記載されている[10]

使用する器具としては、クリーニングロッド、チェンバークリーニングブラシ、布、クリーニング液などである[10]


ホルスター - 拳銃を持ち運ぶ際には、隠し持つコンシールドキャリー(英語版)の場合が多いが、銃が見えるようオープンキャリー(Open carry)で携行する場合もある。

口径変更(ドイツ語版) - メーカーが提供するモジュールを変えることで口径を変更できるようにしている。マルチキャリバー(Multi-Caliber)システムなどとも呼ばれる。

用途について「制式拳銃」および「en:Service pistol」を参照
軍事用途拳銃を使用するNavy SEALs隊員模擬拳銃(実銃との区別のため赤い樹脂で出来ている)を使用して臨検の訓練を行うアメリカ海軍兵士、狭い空間での戦闘では拳銃が使用される場合がある

現代では将校、狙撃手重火器の操作手、車両および航空機の乗員などに、護身用として自動拳銃が支給されるのが一般的である。


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