@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}なお、ルパンの存在について問うテーマや原爆が取り上げられている点は2008年のOVA『ルパン三世 GREEN vs RED』と共通している[独自研究?]。
計画から数十年を経た2021年9月1日、『ルパン三世 PART6』のゲスト脚本の一人として押井が参加することが発表され[17]、第4話と第10話を担当した。今野敏主催の空手塾で親交のあった大倉崇裕からの依頼で二つ返事で引き受けたという[18]。 2012年に公開されたアニメ映画『009 RE:CYBORG』は、当初は押井守が監督に予定されており、そのときのアイデアは天使の化石がおさめられた巨大な塔が東京に建造され、そこに主人公の島村ジョーが登っていくというもので、本作の構想の一部が流用されたものだった[19]。 構想の流用については、他にも以下のような例が挙げられる。 モーゼとガウディを足して2で割った様な狂気の建築家の老人が、20世紀の東京のど真ん中にダンテ・アリギエーリの「神曲」の地獄篇[20]・バベルの塔を模倣した塔を建てるが、完成当日に塔の天辺から投身自殺する[7]。 どこか外国にあるウェルカム・トゥ・ネバーランド駅。真夜中に列車が到着して、若い女の子が降りてくる[7]。ベアトリーチェ 一方、酒場でのポーカーに大儲けしたものの袋叩きに遭い、パンツ一丁のルパンと次元が道々話す。「そろそろ何かやろうぜ」と次元が促すも、ルパンは世界中にもう盗むモノが無くなり、怪盗としてのアイデンティティを喪失、「今更何をやるんだ」とやる気をなくしていた。そこに駅で降りた女の子が来て何やら不可解な依頼をする[7]。 依頼は、伝説では現実と非現実の狭間にあるようなものである「天使の化石」を盗むこと。大戦中にアフリカで発掘された後、ナチスの手に渡って、そしてイスラエルに渡り、なぜか日本に持ち込まれている[7]。塔で殺人事件が起こり、写真に「女の子の白い手」が写っていたことで、ルパンはこの謎に挑もうと塔に忍び込む[20]。 塔の内部には、白い羽が床に散っていたり、小動物の死骸があった[20]。 不二子の調査で、女の子は建築家の孫娘ではないことがわかる。実はその正体は「天使」であり、人間をからかう様に殺していた[20]。 最終的にルパンは「天使の化石」を捜し当てたものの、それは天使の化石ではなくただの「プルトニウム(原子爆弾)」だった。それにルパンが触れてしまったことで大爆発を起こし、東京が壊滅する[7]。 しかし、実際には作動しない原子爆弾で、すべてがフェイクだった。だからルパンだけが現実であり得るわけがない。ルパンもフェイクであった[7]。 そう、最初からルパンなんていなかったのだ[7]。 不二子がインドにて、女の子の墓を見つける。「子供の頃に亡くなっていた」という真実を知り、不二子は「あの子は誰なの?」と呆然とする所で幕が閉じる[21]。
後の押井守作品への流用
ルパン三世シリーズのメインキャラクター5人は登場するものの、峰不二子は他の4人には最後まで会わない。盗まれた化石を元にルパンを追跡する→『機動警察パトレイバー the Movie』で虚構性を明らかにした刑事2人の役目として使われる[10]。
主人公が不確定→『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』[10]。
虚構の中で東京を壊滅させる→『機動警察パトレイバー 2 the Movie』。
クライマックス、ルパンがバベルの塔を昇っていく→『機動警察パトレイバー the Movie』の箱舟描写に生かされる[10]。
事件の黒幕が冒頭で物語から退場する→『機動警察パトレイバー the Movie』の帆場[10]。
脚本を手掛けた『ルパン三世 PART6』第10話「ダーウィンの鳥」では天使ならぬ“堕天使(ルシファー)の化石”が登場する。
予定されていたストーリー
以下のストーリーは、後にインタビューで押井本人により語られたものをまとめたものである。
予定されていたスタッフ
監督 - 押井守[22]
脚本 - 押井守、伊藤和典[22]