押井版ルパン三世
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押井版ルパンで使われるはずだった様々な設定やモチーフは、後の『天使のたまご』『機動警察パトレイバー the Movie』などの押井作品に散りばめられることになる[10][12][13]。押井いわく「『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』でやっとルパンを吹っ切ることができた」という[14]

2000年、押井に対してあらためて新作ルパンの監督のオファーがあり、このときは「好きにしていい」と言われたものの、押井は断った。その理由について問われると、本人は「主人公に腕毛が生えてるのが気に入らないから」とうそぶき[15]、2008年には「今の時代にあんなキャラを成立させられない」と語った[16]

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}なお、ルパンの存在について問うテーマや原爆が取り上げられている点は2008年のOVA『ルパン三世 GREEN vs RED』と共通している[独自研究?]。

計画から数十年を経た2021年9月1日、『ルパン三世 PART6』のゲスト脚本の一人として押井が参加することが発表され[17]、第4話と第10話を担当した。今野敏主催の空手塾で親交のあった大倉崇裕からの依頼で二つ返事で引き受けたという[18]
後の押井守作品への流用

2012年に公開されたアニメ映画『009 RE:CYBORG』は、当初は押井守が監督に予定されており、そのときのアイデアは天使の化石がおさめられた巨大な塔が東京に建造され、そこに主人公の島村ジョーが登っていくというもので、本作の構想の一部が流用されたものだった[19]

構想の流用については、他にも以下のような例が挙げられる。

ルパン三世シリーズのメインキャラクター5人は登場するものの、峰不二子は他の4人には最後まで会わない。盗まれた化石を元にルパンを追跡する→『機動警察パトレイバー the Movie』で虚構性を明らかにした刑事2人の役目として使われる[10]

主人公が不確定→『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊[10]

虚構の中で東京を壊滅させる→『機動警察パトレイバー 2 the Movie』。

クライマックス、ルパンがバベルの塔を昇っていく→『機動警察パトレイバー the Movie』の箱舟描写に生かされる[10]

事件の黒幕が冒頭で物語から退場する→『機動警察パトレイバー the Movie』の帆場[10]

脚本を手掛けた『ルパン三世 PART6』第10話「ダーウィンの鳥」では天使ならぬ“堕天使(ルシファー)の化石”が登場する。

予定されていたストーリー

以下のストーリーは、後にインタビューで押井本人により語られたものをまとめたものである。

モーゼガウディを足して2で割った様な狂気の建築家の老人が、20世紀の東京のど真ん中にダンテ・アリギエーリの「神曲」の地獄篇[20]バベルの塔を模倣した塔を建てるが、完成当日に塔の天辺から投身自殺する[7]

どこか外国にあるウェルカム・トゥ・ネバーランド駅。真夜中に列車が到着して、若い女の子が降りてくる[7]。ベアトリーチェを彷彿とさせる女の子は、普段は一人部屋で車いすの生活を送る建築家の孫娘で、建築家の12人の弟子の内、生き残った4人に世話を受けていた[20]

一方、酒場でのポーカーに大儲けしたものの袋叩きに遭い、パンツ一丁のルパンと次元が道々話す。「そろそろ何かやろうぜ」と次元が促すも、ルパンは世界中にもう盗むモノが無くなり、怪盗としてのアイデンティティを喪失、「今更何をやるんだ」とやる気をなくしていた。そこに駅で降りた女の子が来て何やら不可解な依頼をする[7]


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