「大きく広げて、小さく折り畳む」というのが、日本の折りたたみ文化であるという指摘もある[7]。毎日寝具(布団)や和服を畳んで収納(出し入れ)してきた歴史から、「畳む文化(包む文化、折る文化[8])」という言葉が用いられることもある[9][10]。他に、袱紗、風呂敷[注 2]、蚊帳、三面鏡、ちゃぶ台、扇子、屏風[注 3]なども、一例として挙げられることがある[11][12]。
発展の要因の一つとして、遊牧文化の歴史を持たず定住化が顕著だったこと[9]や住環境が狭隘だったことを唱える説もある[12]。前述の着物や洗濯物など、「畳むことで行為を終える」というのが日本的な所作なのではないかという見解もある[13]。折り紙も、基本的には折りたたみによる変形で形を作る。
江戸時代には、木製の枕[14][15]や、田中久重が発明したとされる旅行や医師の往診に用いられる「懐中燭台」など、折りたたむと平面的になるものもあった[16][17]。
脚注
注
^ 折りたたみ翼は、航空母艦の艦載機に採用されている機構でもあるという。 ( ⇒米ベンチャー企業が発表、折りたたみ翼を装備したライトプレーン - BusinessNewsline)
^ 1980年頃まで風呂敷は日本独自のものとの一般認識があったが、その後「多くの国々で使用されている」ことが広まったという。 ( ⇒第12回展示「世界のふろしき展」part.1 - 宮井ふろしき・袱紗ギャラリー)
^ 屏風は中国の発祥で、最古のものは新羅から日本に伝来したといわれる。
出典
^ 「モノ・マガジン」 No.438 (ワールドフォトプレス、2001年 10-16) p.117-123 折りたたみの美学 タタミズム (文/山本雅也)
^ ⇒CNN.co.jp : 「折り紙」ヒントにカヤック開発、収納便利で運びやすく - (2/2)
^ ⇒CNN.co.jp : 写真特集:折りたたみ式のカヤックや飛行機を見る - (1/9)
^ a b ⇒伝統折紙の“技”! 曲がった筒の折り畳み設計手法 p.2-3 - 明治大学 先端数理科学インスティテュート(MIMS)
^ 「かたち・機能のデザイン事典」 (丸善出版、2011年1月) p.5 構造
^ ⇒【応用数学】物体の折りたたみを説明できるコンパクトな数理モデル - Nature Publishing Group、2012年12月19日
^ ⇒日本の折りたたみ文化 - 企業文化誌「エプタ」(ヒノキ新薬) vol.64 2013.11月[雪号]
^ ⇒霞の文化と光の文化 - 千葉大学教育学部研究紀要 第54巻
^ a b ⇒おりがみの歴史 - 東京おりがみミュージアム
^ ⇒12月!収納術(和文化研究家 三浦康子) - YAMAZEN BOOK
^ たたむ収納、たたむ文化 - 小さな家の生活日記(大平一枝)