中央競馬における20世紀中の重勝式の最高配当額は、国営競馬時代の1953年12月6日に、中山競馬場の第6回中山競馬第6日目に出た507,940円(投票総数13,765票中、的中2票)である。また中央競馬になってからの最高配当額は、1954年10月30日の中山競馬場で出たもので、507,080円(的中1票)となっている。この配当金額は馬番号連勝単式が導入されるまで、中央競馬の最高配当記録であった[76]。
重勝式は、朝から競馬場に入場客を集める為の策として導入された馬券であった。頻繁に大穴も出たが、午前中のみの発売でもあり人気を得るには至らず、1961年には、中央競馬における総発売馬券額の僅か0.04%まで低下[77]した事から、1961年の第1回中京競馬の開催を最後に発売を中止する事となり、8日目となる2月19日の発売を最後に姿を消した[注 27]。後の競馬法改正により、発売可能な馬券の種類からも削除された。
21世紀に入ってから公営競技の各根拠法(競馬法、自転車競技法、モーターボート競走法、小型自動車競走法)が改定され、重勝式投票券の発売が再び認められるようになった。 競輪では、指定された連続7競走の勝者を予想する重勝式投票法「チャリロト」が2008年4月15日より平塚競輪場においてインターネット投票限定で発売を開始し、半世紀ぶりに重勝式が復活した。その後、立川競輪場でも重勝式投票券「Kドリームス[78]」の発売を2008年4月25日よりインターネット投票限定で開始した。その他の競輪場でも「チャリロト」「Kドリームス」「Odds Park LOTO」のいずれかを採用し、過半数の競輪場にて発売されている。これらの重勝式車券は、その名称となっている民間投票ポータルサイトそれぞれ、およびその提携サイトで発売される。 JKAは、重勝式投票券に対する共通ブランドとして「Dokanto!」(ドカント)を提唱していたが、2012年4月よりGIII以上の開催を中心において発売される重勝式の名称として使われている[79][80]。Dokanto!の発売は1日で全国の開催の中のいずれか1場を対象に行われるが、発売のない日もある。このDokanto!はJKA公式サービスであるサイクルテレホンセンターだけでなく、上述の民間投票ポータルサイトでも発売する。詳細は「チャリロト」、「Kドリームス」、「オッズパーク#Odds Park LOTO」、および「Dokanto!」を参照 2014年2月18日現在の競馬法施行規則 以下、発売方法別に説明する。詳細は各記事を参照。 海外の競馬ではニューヨークの「ピック6」で2003年の平均配当金額が約338万円、最高は約9200万円であった。香港では「シックスアップ[注 28]」の最高配当が1億円を超えるとの説もあるが、詳細な記録は不明[要出典]。 オートレースでは、「OddsPark LOTO」が2011年4月14日の山陽オートレース場における開催より「重勝式勝車投票券」発売開始したのが最初である[94]。当初は4月1日から発売予定だったが東日本大震災の影響で4月13日までの日程が中止となったため、4月13日の前日発売から開始した。
競輪
競馬
Odds Park LOTO
5重勝単勝式ならびに7重勝単勝式(7重勝単勝式は一部のみ)。地方競馬の一部主催者の競走について発売。
2010年1月8日よりばんえい競馬(帯広競馬場)の競走について、オッズパークのインターネット投票会員限定で発売開始した(当初は2009年秋から開始予定だったが、システムの不具合などで延期されていた)[81]。日本の競馬における重勝式再導入(前述)後に最初に重勝式を採用した事例となった。
既に導入している競輪と同様にキャリーオーバー(繰越)制も採用され、払戻金の上限額は2億円。
2010年1月22日(前夜発売)より発売開始した福山、佐賀を皮切りに岩手(盛岡・水沢)、笠松、兵庫(園田・姫路)、荒尾でも順次導入された[82]。
当初の発売形式は佐賀と荒尾は購入者が買い目を指定する「セレクト式」、その他はばんえい競馬と同様コンピューターが無作為に買い目を指定する「ランダム式」であったが、2010年12月末の開催からばんえい・岩手・福山・笠松が「セレクト式」に変更された[83]ほか、兵庫も2012年5月14日の発売からセレクト式に変更され、現在地方競馬で発売している重勝式は佐賀競馬の7重勝ランダム以外、すべてセレクト式に統一された[84]。
その後青森競輪場での発売開始に伴い競馬での呼称も変更され、ランダム式は「ランダム5」、セレクト式は「セレクト5」に統一された。
当初は競馬法の規定により最大「5重勝式」までしか認められていなかったが、内閣府は構造改革特区の特例として佐賀競馬に「7重勝単勝式」投票券の発売を認可した[85]。発売はオッズパークのインターネット投票限定で、2012年5月11日から発売予定[86]だったが、オッズパークのサイトリニューアル作業の延期により発売開始が延期され、同年5月25日から開始になった[87]。その後、ばんえい競馬でも2012年12月15日より7重勝単勝式投票券の発売が開始された。
WIN5
5重勝単勝式。日本中央競馬会(JRA)の競走について発売。
2011年4月24日に施行する競走(発売は4月23日より開始)から、原則として毎週日曜日に施行する5競走を対象とした投票券「WIN5」をインターネット投票・JRA-UMACA投票限定で導入している[88][89]。
キャリーオーバー制を採用し、払戻金の上限額を2億円としている。
2021年2月現在では払戻金の上限額は6億円となっている[90]。
トリプル馬単
3重勝馬番号二連勝単式。地方競馬の一部主催者の競走について発売。
南関東公営競馬のインターネット投票サービス「SPAT4」において、2014年度中に重勝式の勝馬投票券を発売することを発表[91]。2014年6月1日から南関東4場のうち川崎競馬場を除く3場の競走を対象に発売を開始した[92]。
同年8月18日からは川崎競馬場[93]、8月19日からはホッカイドウ競馬[9]の競走についても発売している。
各主催者ごとにキャリーオーバー制を採用し、50円から10円単位で購入可能。払戻金の上限額は10円につき6,000万円としている。
オートレース
OddsPark LOTO
既存の賭式とは切り離し、重勝式のみ伊勢崎市が管理施行者となって「指定した1つの開催場の競走」を対象とし、伊勢崎市が収益を指定した場に分配する形で全6場の場間相互キャリーオーバーを実現させている[95]のが特徴。このため、オートレース開催日は例外なく重勝式車券を発売するが、同日に複数の開催が行われる場合でも対象となるレース場は「1日につき1場」のみとなる。
発売方式は、最終競走から数えて連続する4競走(通常は第9競走から第12競走まで)における1着と2着を着順通り予想する「4重勝2連勝単式」と最終競走から数えて連続する5競走(通常は第8競走から第12競走まで)における1着を予想する「5重勝単勝式」の2通りでスタートし、2023年4月1日より「7重勝単勝式」が加わった。4重勝2連勝単式は「ランダム式」、5重勝単勝式と7重勝単勝式は「セレクト式」で投票する。
いずれも100円単位で発売、最高払戻金は6億円[96]。