地方競馬についてまとめると、1頭を対象とする馬券が20%、2頭対象の馬券が25%、3頭対象の馬券が27.5%である。例外は北海道の3頭対象馬券(他場より2.5%不利)、ワイド(5%有利)、兵庫の馬連、佐賀の3連複(それぞれ2.5%有利)である。 一つの競走のある投票法(詳細は「投票法の種類」節を参照)において、競走結果を正しく指定した投票が全くなかった場合(重勝式でキャリーオーバー制を採用している場合を除く)には、当該投票法の投票券すべてについて、前述の控除率によって差し引かれた額が返還される。これは「特払い」(とくばらい)と呼ばれる。ただし最低発売単位(10円)に対して1円未満は切り捨てられるので、ほとんどのケースでは実際には購入した投票券100円につき70円の払戻し(「特別払戻金」と呼ばれる)となる(ただし、競馬において控除率が20%となる条件で特払いが発生した場合は80円の払い戻しとなる)。 この規定により、購入した投票券の着順と一致していなくても払い戻しが生じることがありうるため、場内放送や実況放送で「投票券は確定まで捨てないように」と注意喚起が行われることも多い。 当該レース確定後から、所定の払い戻し窓口(多くは自動払い戻し機を使用する)で行われる。時効は当該レースが実施された日の「翌日から」60日間(但し最終締切日が払い戻しを実施しない日と重なる場合はその翌日まで)となる。 但し、無観客開催措置に伴い時効までに払戻が出来なくなった場合、当該会場及び当該場外発売場にて購入した投票券については、営業再開後60日間まで延長される(新型コロナウイルス感染拡大による事例)[25]。 なお高額配当(大体は100万円以上)となる場合は通常の払い戻し窓口や自動払い戻し機ではなく「高額払い戻し専用窓口」を利用し、所定の手続き(住所・氏名・年齢などを記録し、状況によっては年齢確認の証明書類提出や印鑑を求められることもある)を行った上で払い戻しが行われる。中央競馬においては払戻し金額にかかわらず的中券のみあれば所定の手続き等は一切不要(但し受取人が20歳未満と見られる場合のみ年齢確認が行われる場合がある)。 投票券が以下の事象に遭遇した場合は、当該競走対象を含んだ券面金額(記載内容)が返還される。 現在は返還が実施される場合、当該レースの確定(決定)後に払戻窓口にて対象となる券面と引換えに購入金額と同額を交付している[注 7]。的中しているわけではないため、「払戻」とは根本的に異なる。また「施行者が同額の金銭をもって発売した投票券を引き取る」という観点から、「買い戻し」と表現することもある。 払戻金は税法上の一時所得扱いとなり、税法上所定の控除額(上記控除分とは無関係)を越える利益は課税対象になり毎年の確定申告を要する。国税庁もホームページで「公営競技(競馬、競輪、オートレース、ボートレース)の払戻金については、一時所得として確定申告が必要となる場合があります」なる旨の告知を行っている[26]。 負け分を税額控除することは原則できない。例えばあるレースで100万円勝ち次のレースで100万円負けた場合、差し引き利益0円で非課税になるのではなく勝ち分である100万円に対して課税される。原則はそうであるのだが一般人が趣味として小遣い程度の小額で楽しむ場合にはいちいち勝ち分を正確に記録しておらず年間を通じてどれだけ勝ったのか明確に示せる者もなく、また趣味で楽しむ人の数が非常に多いので厳密な税務捕捉は事実上困難となっており、「大穴を当てて幾ら勝った」と公言している芸能人[27]や一般人などに限られてしまうのが現状である。ただし公営競技の主催者は大口投票を行なった人物に対し「不正投票の疑い」を理由にマークすることがあり、また加入に身分登録が必要な電話投票では大口的中により高額の払戻金を受ける際には主催者側が確認の連絡を入れているので、「捕捉されない」ということではない。 他、職場で競馬の結果を自慢したことで、配当について確定申告を行っていないことが発覚し、納税指導を受けた例がある[28]。
特払い
払戻の手続き
返還(買い戻し)
競走が施行されなかった場合
競走が施行されたがレースに勝者がいなかった場合
競走が不成立となった場合
競走において特定の競走対象が出走しなかった場合
(競艇)フライング・出遅れによって、正常なスタートが出来なかった競走対象がいた場合。または競走は成立したものの、転覆・失格等により特定の投票種別が不成立となった場合
(競馬・競輪)特定の競走対象が出走しなかったことによって、特定の枠を構成する競走対象が存在しなくなってしまう場合
税金
払戻金にかかわる裁判
2007年から2009年にかけて競馬での払戻で得た所得を申告しなかったとして、大阪国税局が所得税法違反容疑で男性を告発し、大阪地方検察庁はこの男性を大阪地裁に起訴した[29][30]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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