打ち切り
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視聴率よりも商業成績(主にメインスポンサーの商品売り上げ)を重視する子供向けのアニメ特撮児童向けドラマの場合、打ち切り基準が他番組と異なり、視聴率が低くても商業成績が絶好調の時は該当しないが、視聴率は好調でも商業成績が不振の時は該当する[注釈 1]一社提供番組において、総合的な人気が低迷しても提供している企業の意向から打ち切らないこともあり、これらの番組が長寿番組にまで発展することもしばしばである。番組によっては、スポンサーが存続している間は業績が悪化しても打ち切りの予定は一切無い場合がほとんど。特定地域の人気低迷で打ち切る番組もある。『笑神様は突然に…』(日本テレビ・2013年 - )は芸人をメインとしたバラエティ番組ということで元々関西地区の視聴率関東地区よりも高かったが[注釈 2]、開始2年後の2015年春改編で編成されている枠の金曜日19時台がローカルセールス枠に移行し、関西地区の日本テレビ系列局である読売テレビが自社制作番組『大阪ほんわかテレビ』がこの枠に移動を余儀なくされて遅れネットとなった結果、視聴率が極端に低迷したため、僅か2クール後の秋改編を以てレギュラー放送の打ち切りにまで発展し、関西地区での放送を条件とした全国ネットの単発特別番組に移行し、2023年現在まで続いている。

(例)長寿番組が視聴率低迷を受けて、相次いで打ち切り[10]

資金・経営戦略上の都合
制作費や出演料の高騰、出版・製作会社や広告代理店などの経営悪化(廃刊、廃業なども含む)により、陥る場合もある。それと同様に、評価にかかわらず、スポンサー料の総額に対して、実際の制作費や出演料が高くついた赤字番組では、極端な不人気番組と同等の扱いを受けているため、それらの番組も、春(4月)と秋(10月・民放のみ)における大型改編期の整理番組に指定される傾向にある。

(例)毎日放送(MBS)製作で、NET系列であった頃の昭和仮面ライダーシリーズは、TBS系列局であった朝日放送テレビ(ABC)との腸捻転ネットを解消するネットチェンジが決まったため、制作元である東映側からMBSに提案する形で『仮面ライダーX』を1974年1月開始から一年放送予定が9月を以て打ち切り[注釈 3]1975年3月31日に実施されたネットチェンジの直前まで『仮面ライダーアマゾン』を急遽製作する形で放送され、その次番組である『仮面ライダーストロンガー』の初回からTBS系列で放送する東映独自の戦略を採った[注釈 4]穴埋め番組としての性格が強いため、シリーズ自体を遅れネットで放送し、TBS系列局を有する地域では、『仮面ライダーアマゾン』が非ネット(半年遅れネット地域)か途中打ち切り(それ以外)という事態も多く発生した。

放送機材の運用上の都合
ごく稀な事例として、ヘリコプターなど番組の製作に欠かせない希少な放送機材の運用における都合上、それらの番組を打ち切ることがある。

(例)1961年から1963年までNHK総合テレビジョンで放送されたNHKが独自に制作した子供向け特撮番組の『魔法のじゅうたん』がそれにあたる。クロマキーの背景に全日本空輸が所有しているNHK専用ヘリコプター(現在はオールニッポンヘリコプターに移管)で撮影された映像が用いられており、それらの運用を翌年の東京オリンピックに集中させるため、人気があるにもかかわらず打ち切りを余儀なくされた。

インターネット配信に関わる都合
権利者不明の著作物といったネット配信の許可を取りづらい音楽を扱う音楽番組の場合、テレビでは使用パートの削除および無音化(かぶせ放送の一種)を行い、ラジオでは番組自体か音楽部分のみの配信停止を採り、BGMのみに留まる場合は即座に配信の許可を受けた別な曲に差し替えるが、稀に打ち切りを余儀なくされることもある。地上波ラジオサイマル配信するインターネットラジオや、NHKの地上波テレビをサイマル配信するNHKプラスの場合、配信される番組は原則全番組配信であることから、2011年の東北楽天ゴールデンイーグルス主催戦といった権利上の配信停止番組や、2017年度までにおけるジャニーズ事務所所属タレントが出演するラジオ番組の有料・アーカイブ配信といった肖像権によって規制された番組も存在する。肖像権に厳しいタレントが出演する番組は、ネット配信に応じない事例もあり、配信開始に合わせてレギュラーを降板したり、番組自体を打ち切ったりする事例もある。オリンピック中継の場合、IOCが定める放映権インターネット放送は配信実施国のみを対象としたサービスに限られているため、日本[注釈 5]アメリカ合衆国[注釈 6]など、インターネット配信がある場合は配信対象国のみとすることで打ち切らずに済んでいるのに対し、大韓民国中華民国台湾)など、地上波局におけるインターネットラジオが世界中で配信されている場合は、テレビ中継は実施されていてもラジオ中継のみ配信開始に合わせて打ち切ることで対処されている。

(例)西日本放送ラジオタンゴアルバム』(ラジオ番組)がそれにあたる。アルゼンチン・タンゴを専門に扱うが故に配信の許可を受けづらい楽曲が毎回のように流され、開局時からある長寿番組であったのにも関わらず、2017年11月から実施される西日本放送自体のradikoでの配信開始を期に放送を打ち切った。

スポンサーの降板・廃業
一社提供冠番組や、玩具メーカーなどの子供向けアニメ・特撮番組のメインスポンサーに多くみられる。冠番組ではない一社提供番組に関しては、複数社提供に降格することがほとんどで、複数社提供の番組スポンサーの一部に過ぎないものは該当しないのがほとんど。スポンサー企業の不祥事が原因などの要因により打ち切られることもある。『料理バンザイ!』(テレビ朝日系列雪印グループ雪印牛肉偽装事件の影響)や『POWERフレーズ』(日本テレビ系列みずほフィナンシャルグループみずほ銀行の大規模なシステムトラブルの影響)などが該当する。
契約満了


(例)経営悪化により、企業広告の契約更新を行わない事を決定[11]

出演者の降板・引退・逝去、グループの解散・活動休止
原作者・出演者・要となる制作スタッフが退社ないし脱退、引退、逝去、もしくはグループの解散や無期限活動休止により、継続が不可能と判断された場合に行われる。冠番組は番組の性質上、出演者が降板したことやグループが解散したことで打ち切りに至るケースが多い。

(例)島田紳助の芸能界引退に伴い、2つあった冠番組(紳助社長のプロデュース大作戦クイズ!紳助くん)を一斉に打ち切った[12]。冠番組ではない「クイズ!ヘキサゴンII」は引退だけでの打ち切りは回避されたが、異常なほど視聴率が低迷したため、程なくして番組そのものが打ち切られた。
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