日本では1933年以降、2011年まで、手話は日本の法律上では『言語』として認められておらず、公立のろう学校でも、積極的に教授されているところが多くなかった。多くのろう学校ではむしろ、「口話法
」(相手の口を見て話を理解する技術)が主流となっているが、口話法は習得が難しいと指摘する専門家が少なくない。これまで、多くのろう者は、先輩等の手話を見て憶えるのが主流だった。そこで、手話言語法という、手話を言語として認める法律を制定しようという動きが出た。国際連合の障害者権利条約には、手話が『言語である』と明記されている。2011年(平成23年)7月29日、「言語」と規定された改正障害者基本法案が参議院本会議で全会一致で可決、成立し、8月5日に公布された。この改正により、日本で初めて手話の言語性を認める法律の裏付けが制定された[4]。2013年(平成25年)には、日本で初めて、鳥取県が「手話は言語である」と明記した鳥取県手話言語条例を制定した[5][6][7][8][9]。2014年(平成26年)11月27日には近畿の自治体では初めて、兵庫県加東市で手話言語条例が可決された。施行は翌年4月[10]。北海道新得町でも同様の条例が施行された[11]。
平成27年4月に生まれつきの聴覚障碍者として、初めて議員当選した家根谷敦子が同年6月22日、明石市議会で初の手話による一般質問を行った[12][13]。
その他の国の手話手話の地域分類 .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{} フランス手話族 アメリカ手話 (ASL)群 ロシア手話群 チェコ手話群 デンマーク手話族 スウェーデン手話族 ドイツ手話族 ベトナム手話・タイ・ラオス アラブ手話族 インド・パキスタン手話 中国手話 日本手話族(台湾手話含む) イギリス手話語族 南アフリカ手話 孤立した言語 No data詳細は「en:List of sign languages」および「手話の一覧」を参照
手話は世界共通ではなく、アメリカの ASL・イギリスのBSL・フランスのLSF等のように原則的に各国で異なるが、分布は必ずしも国とは一致していない。
その地域で使われる音声言語と手話との間には関係がない。例えば、アメリカとイギリスは音声言語の英語を共有するが、手話のASLとBSLは全く異なる。ところがフランスでは英語を用いないのにもかかわらずLSFはASLに比較的近いと言われる。カナダのフランス語圏ではLSFでなくLSQを使う。アイルランド手話もASL系であるし、アフリカの手話の多くもASL系である。
こうした状況の背景には、手話の先進地域で手話や手話による聾教育を学んだ人物が、別の地域で手話や手話による聾教育を広めるという現象がある。例えばASLがLSFに近いのは、そもそもアメリカで手話による聾教育を広めたトマス・ホプキンス・ギャローデットがフランスで手話や聾教育を学んだからである。同様にアフリカの手話にASL系が多いのは、アメリカで聾教育を学んだ人物がアフリカで活動した結果である。
世界聾連盟主催の国際会議、国際大会など、国際的な場では国際手話が使われる。実際の国際交流の場ではASLが一番広まっている。その理由は、アメリカの影響力や、世界中の留学生が学ぶギャローデット大学がアメリカに所在しているためである。
日本に日本手話・日本語対応手話・中間手話が存在するように、アメリカにも英語対応手話(Signed English)や中間手話(Conceptually Accurate Signed English/Pidgin Signed English)が存在しており、それぞれ無視できない数の使用者を持っている。
手話の自然発生
家単位
手話を学んでいない単独の人が、身近にいる人に何かを伝える為、独自に作った身振り手振りをホームサインという。
一家以上での発生
マサチューセッツ州にあるマーサズ・ヴィニヤード島にはマーサズ・ヴィニヤード手話と呼ばれる、独自の村落手話(英語版)がある。