戸籍
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戸籍の無制限の閲覧ができなくなり、本人などに限られた[8]
1981年(昭和56年)
食糧難の解消により米穀通帳が廃止された。
1994年(平成6年)
戸籍法の改正により、戸籍事務の電算化が可能になる。コンピュータで戸籍を管理する自治体が徐々に増えていった。詳細は「戸籍システム」を参照
2002年(平成14年)
宮城県仙台市2001年(平成13年)に発生した自動車窃盗団による戸籍不実記載事件により、内容訂正歴のある戸籍の再製を求める声が高まり、不実記載があった戸籍を作り直せるようになった。
2004年(平成16年)
オンラインでの戸籍手続の扱いを可能とする法改正等が実施され、システム構築にあたっての基準書『戸籍手続オンラインシステムの構築のための標準仕様書』が全国市町村に配布された。婚外子に対する「男・女」という続柄差別記載がプライバシー権の侵害であると判示され、11月1日以降の出生については、「長男・長女」式に記載することになった。それ以前に出生した婚外子については、現行の除籍されていない戸籍についてのみ、申し出によって更正するとした。
2010年(平成22年)
高齢者所在不明問題が発覚、戸籍消除手続きの煩雑さに焦点が当てられた。
2011年(平成23年)
東日本大震災東北地方太平洋沖地震)の影響により、宮城県南三陸町女川町岩手県大槌町陸前高田市の戸籍データが失われた[9]。2010年1月 - 2月分のデータが法務局に残されており、これを元に再製した[10]
2013年 (平成25年)
最高裁判所大法廷が、「相続において婚外子を差別する民法の規定が、日本国憲法に違反している」と、違憲判決を下した[1][11]
2019年令和元年)
戸籍法が改正され、副本を管理している法務省のシステムを2024年をめどにネットワークで接続し、本籍地以外の自治体でも戸籍を閲覧できることになった[12]
2020年 (令和2年)
最後まで残っていた東京都御蔵島村の戸籍が電算化され[13]、全ての戸籍の電算化が完了。従来、規定に入っていなかった読み仮名(振り仮名)に関して法制化の検討を開始。早ければ2024年度(令和6年度)までに実施の見込み。[14]
旧規定における戸籍用語
戸主
一家の代表者のこと。現行戸籍制度の筆頭者と違い、同意なく結婚した者を戸籍から除くことが出来るなど、非常に強い権限が与えられていた。
女戸主
詳細は「
女戸主」を参照
私生子・私生児
父から認知されていない非嫡出子のこと。
庶子(しょし)
父から認知された非嫡出子のこと(旧民法827条2項)。
入夫婚姻
夫が女戸主をしている妻の戸籍に入る婚姻方法(旧民法736条)。婚姻後に妻が戸主を続けるか、夫が新たに戸主となるかは任意。
婿養子縁組
結婚と、妻の親との養子縁組を同時に行うこと。夫は妻側の戸籍に入る(旧民法788条)。入夫婚姻と異なり、女戸主以外と行う事ができる。現在でも、男性が結婚相手(=妻)の父母の養子になってから結婚することを婿養子や入り婿というが、「結婚後に妻の姓を称する=婿養子」という誤解が多い。
隠居
詳細は「隠居」を参照
家督相続
戸主を新たに別の者に引き継ぐこと。戸主が死亡・隠居したとき、戸主自身が婚姻し別戸籍に去ったとき、女戸主が入夫婚姻を行い夫に戸主を譲るとき、入夫婚姻により戸主となった夫が離婚により戸籍を出るとき、戸主が日本国籍を失ったときに行われる。
推定家督相続人

離籍
戸主の同意を得ずに結婚・養子縁組した家族や、戸主の指定した場所に居住しない家族について、家から排除すること。離籍は戸主の権利だが、未成年者と推定家督相続人は離籍することができない。
復籍拒絶
家族が戸主の同意を得ずに結婚・養子縁組して他の家に入った場合、新たな家までは元の戸主の権限が及ばないため、離籍をすることができない。しかしその後に離婚・養子離縁をすると通常は元の家に戻る(復籍)ことになるが、このとき戸主は復籍を拒絶することができる。この場合、復籍拒絶された者は一家創立を行う。
一家創立
戸主により入籍や復籍の拒絶をされた者や、入るべき戸籍が無い者が、新たに家を作ること。
廃家
戸主が家族を連れて他の家に入るため、元の家を廃すること(旧民法762条)。
絶家
戸主が死亡したことなどにより家督相続が始まったが、相続人が一人もおらず、家が消滅すること(旧民法764条)。廃家が戸主の意志を元に行うのに対し、絶家は不可抗力により生じる。
分家
詳細は「分家」を参照
廃絶家再興
廃家・絶家した家を、縁故者が戸主となり再興すること。ただし元の家の財産など各種の権利を引き継げるわけではないため、単に家の名前を残すための手続に過ぎない。
族称

襲爵

日本の戸籍制度

この節は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。

日本の戸籍制度(こせきせいど)は、国民一人一人を(日本国内外の居住に関係なく)出生関係により登録する制度である。居住地を登録し、地方公共団体との関係を明示する住民登録制度とは異なる。居住地は住民票と関連付けて戸籍の附票に記載されており、居住地の追跡にも利用することができる。

戸籍は元来は徴税・徴兵のために設けられ、家制度の根幹であった。しかし第二次世界大戦後の民法改正に伴う戸籍法改正により、現在の目的は大きく変わった。国民健康保険国民年金などの行政サービスに用いるデータは住民票を基にしており、戸籍の果たす役割は低下している[15]

現在では、出生生年月日)、氏名婚姻配偶者)、養子縁組国籍の離脱等の個人の関係(法的に「身分関係」と呼ぶが差別的な意味ではない、以下同様。)を明確にするものとなっている。婚姻・離婚の届出や日本国旅券パスポート)の発行にかかわるほか、親族の関係を証明する唯一の手段として相続人の特定にも活用される[16]。「日本における結婚」も参照
利点と欠点

大前提として、よほど手の込んだ不正の無い限り、「出生から死亡までの履歴」が記録され、住民基本台帳制度との連携により、戸籍の附票を閲覧すれば転居の履歴が判明し、市町村名までの出生地は、移記すべき事項と定められているので本人であることの真正性が確実であり、転籍や分籍をした後の戸籍にも記載され、相続などの手続きの際に取るべき手順が明確である。

婚姻や本籍の移転により新戸籍が作られるシステムでは、婚姻や相続の際に、一つの戸籍だけでなく何重にも遡り各地の戸籍を取得しないと、婚姻歴や子の有無が分からないことがあり、一つの戸籍でその者の出生から婚姻・離婚、死亡まで網羅される個人編纂のシステムと比べると不便であると言われているが、個人番号(マイナンバー)制度の導入により、この問題は将来的に解決するとされる[注 2]

戸籍謄本の身分事項【従前戸籍】(「前の本籍地」ではなく「前の戸籍」)は、前に記載されていた戸籍の筆頭者(婚姻または分籍により新たに戸籍を編製した場合は親、離婚により新たに戸籍を編製した場合は前配偶者。)と本籍地が記載される。転籍歴の記載は無い(戸籍事項・戸籍改製【改製事由】平成6年法務省令第51号附則第2条第1項による改製)。

現行制度では外国人(日本国外の外国籍者)と結婚しない限り夫婦別姓が不可能なため、一方の者は結婚前まで使い続けていた名字が公的証明で通用しない。そのため、選択的夫婦別姓制度の導入を望む声が近年増加している[17]

日本の戸籍法により出生後14日以内に氏名と性別を登録する義務を親権者は負うが、性分化疾患などにより出生時の段階で性別の診断が確定しない場合は、医師の診断書を添えれば生後14日以降でも性別留保ができる。詳細は「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」を参照

性同一性障害当事者で、性別の移行手術をした者は、戸籍上の性別と自身の術後の身体の状態が一致せず日常生活で混乱が起きることがある。従来は性別の変更が認められてこなかったが、2003年に性同一性障害特例法が成立し、2004年に施行した。申し立てを行い、必須要件を満たし第二項の要件を踏まえて厚生労働省の定める2人以上の医師の診断書と出生から全ての戸籍謄本及び本人の申し立て書などの受理により裁判官が全ての要件等を満たしたと判断されれば、従前の戸籍は残るが除籍され新たに性別を変更できるようになった。

現在では世界的に戸籍制度のような血縁・婚姻単位の国民登録制度を持つ国は少数派であり、主要国等では日本、中華民国(台湾)のみである。第二次世界大戦後に家制度は廃止されたが、戸籍制度は残ったために、地方自治体にも国民にも、住民登録との重複業務となっている部分もある。

"夫婦別姓の解禁論"などの理由から、戸籍制度の廃止を提唱する者もいる(橋下徹[18]ら)。


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