戦国時代_(中国)
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逃げ延びた趙の大夫らは代の地で幽繆王の兄の趙公子嘉を擁立し代国とした[注 17][83][98]。秦王政は生まれた地である邯鄲に入り、母の太后の実家と揉めていた者たちを生き埋めにして秦へ戻った[99][98][86]
秦王政の暗殺未遂と燕の壊滅
秦王政の暗殺未遂

は弱小な国であった[100]太子丹はかつて人質として趙の邯鄲で過ごし、同じ境遇の政と親しかった。政が秦王になると、丹は秦の人質となり咸陽に住んだ。このころ、彼に対する秦の扱いは礼に欠けたものになっていた[98]。『燕丹子』という書によると、帰国の希望を述べた丹に秦王政は「烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら返そう」と言った。ありえないことに丹が嘆息すると、白い頭の烏と角が生えた馬が現れた。やむなく秦王政は帰国を許したという[注 18][98]。丹は秦に対し深い恨みを抱くようになった[102]逃げる秦王政(左)と襲いかかる荊軻(右)。中央上に伏せる者は秦舞陽、下は樊於期の首。武氏祠石室。

両国の間にあった趙が滅ぶと、秦は幾度となく燕を攻め、燕は武力では太刀打ちできなかった[100]。丹は非常の手段である暗殺計画を練り、荊軻という刺客に白羽の矢を立てた[103][100]。秦王政20年(前227年)、荊軻は秦舞陽を供に連れ、督亢(とくごう)の地図と秦の裏切り者の樊於期の首を携えて秦王政への謁見に臨んだ[104][100][98]。秦舞陽は手にした地図の箱を差し出そうとしたが、恐れおののき秦王になかなか近づけなかった。荊軻は、「供は天子の威光を前に目を向けられないのです」と言いつつ進み出て、地図と首が入る二つの箱を持ち進み出た[100][105]。受け取った秦王政が巻物の地図をひもとくと、中に隠していた匕首が最後に現れ、荊軻はそれをひったくり秦王政へ襲いかかった[106]。秦王政は身をかわし逃げ惑ったが、護身用の長剣を抜くのに手間取った[107][100]。宮殿の官僚たちは武器所持を、近衛兵は許可なく殿上に登ることを秦の「法」によって厳しく禁じられ、大声を出すほかなかった[108]。しかし、従医の夏無且が投げた薬袋が荊軻に当たり、剣を背負うよう叫ぶ臣下の言に秦王政はやっと剣を手にし、荊軻を斬り伏せた[109]。二人のいつわりの使者は処刑された[110][100][111][112]
燕の壊滅

秦王政は激怒し、燕への総攻撃を仕掛けた[113][114]。暗殺未遂の翌年には国都を落とした[115][116]。荊軻の血縁をすべて殺害しても怒りは静まらず、ついには町の住民全員も虐殺された[111]。その後の戦いも秦軍は圧倒し、遼東に逃れた燕王喜は丹の首級を届けて和睦を願ったが聞き入れられなかった[117][101][111][118][119]
魏の滅亡
魏攻略戦

紀元前225年には王賁が魏に侵攻した。魏は国都大梁で籠城した。城壁が強固で落としづらいことに気付き、黄河の水を引いて水攻めにした[13]。当時、は防衛に専念していて、は傍観していた[13]。よって援軍が来るあてもなかった。状況を理解すると、魏王假は急いで開城し、魏の人々のさらなる流血を避けるために秦軍に降伏した。魏も滅亡した[120][121][122]
楚の滅亡
城父の戦い

同年、秦はを滅ぼし、次の標的を楚とした。秦王政楚攻略に必要な兵数を訊くと李信は20万と答えた。同じ質問を老将の王翦に訊くと60万と答えた[123]。すると政は「王将軍(王翦)も年をとったな。戦場が恐ろしくなったのか。李将軍(李信)は果断勇壮だ。李将軍の言葉に間違いは無い」と言い、20万の兵で楚に侵攻した[124]。意見を取り上げてもらえなかった王翦は病気と称し故郷に引きこもった[125][126]。また政を諫めた右丞相昌平君も失脚した。

李信・蒙恬に10万人ずつの兵を託し楚の討伐に向かわせた。李信は平輿から、蒙恬は寝丘から攻め入り、寝丘の北の城父で合流する予定だった[127]。両軍は勝利を重ねていて、特に李信は快進撃していた[128]。しかし、前年に民の安撫のため楚の公子である元右丞相の昌平君を配した[129]楚の旧都・陳で起きた反乱や項燕の奇襲により大敗し2つの土城と7人の部隊長を失った[130][131][132]。そのため王翦のいる頻陽に秦王政自ら向かい詫びを入れた[133]
楚攻略戦

紀元前224年、秦の武将王翦がまたもや60万の大軍を率いて楚に進攻、王翦は堅守・不出の戦術を使い、項燕の防備に隙ができるように仕向けた後、項燕の軍を奇襲して楚軍を大破[134]、楚王負芻は俘虜となった[135][136]


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