戒厳
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なお、2016年に発覚した崔順実ゲート事件当時、国会によって弾劾訴追された朴槿恵大統領の罷免を憲法裁判所(朝鮮語版)が認めず、反発した国民が暴徒と化した場合、陸軍が戒厳令を布告し、デモを鎮圧する計画を国軍機務司令部(現・防諜司令部)が策定していた事実が明らかになっている[48][49][50]
タイ

タイ王国では反政府デモが続き2014年5月20日に戒厳が発令された[51]。2015年4月1日に解除されたが、同時に軍に戒厳下と同等の権限を認める命令が出されたため独裁体制の強化につながるとの批判が出された[52]
フィリピン

フィリピンではイスラム過激派組織アブ・サヤフに呼応した武装組織との交戦が拡大し2017年5月25日に南部ミンダナオ島全域に戒厳が発令された[53]。同年10月23日には戦闘終結宣言が出されたものの、2018年までの戒厳の延長が決定している[54]
イタリア

イタリアでは第二次世界大戦末期となる1943年7月、ベニート・ムッソリーニ首相が打倒され、後任にピエトロ・バドリオが就任すると、7月26日から戒厳が発令された。内容は国内の武装兵力ならび警察力を軍に集中させることのほか、様々な禁止項目(夜間外出禁止照明の使用、3人以上の集会、鏡や燈火による信号、火器の所持など)が中心となった[55]。同月には連合国軍によるシチリア島上陸などが始まっており、バドリオ政権は2か月後の1943年9月に崩壊した。
トルコ

トルコでは2016年7月にトルコ軍の一部がクーデターを起こし、戒厳と外出禁止令を布告したが、最終的に鎮圧された[56]2016年トルコクーデター未遂事件)。
ポーランド詳細は「ポーランドの戒厳令」を参照

ポーランドでは1980年に独立自主管理労働組合「連帯」が結成され、これは社会主義諸国では初となる労働者による自主的かつ全国規模の労働組合であったが、翌年の1981年にポーランド政府は戒厳を出した[57]。しかし、民主化運動の流れは抑えきれず、1989年の円卓会議により非社会主義政権が樹立された[57]。1981年に戒厳を出したヴォイチェフ・ヤルゼルスキ元大統領はのちに起訴されている[58]
アルゼンチン

アルゼンチンでは治安情勢の悪化から1985年10月25日から12月9日まで戒厳が出された[59]
チリ

チリでは治安情勢の悪化から1984年11月から1985年6月まで戒厳が出された[59]。その後、1986年9月にピノチェト大統領暗殺未遂事件が発生したため再び戒厳が出されたが翌年1月には全面解除されている[60]
ボリビア

ボリビアでは1986年8月に鉱山労働者によるストライキが発生したため90日間の戒厳が布告された[60]
コロンビア

コロンビアでは1948年4月9日のボゴタ暴動により1949年11月9日から1958年8月27日まで戒厳が布告された。
チュニジア

チュニジアでは2011年1月11日に失業の増加や食料価格の高騰などに抗議するデモ隊と治安部隊との衝突の拡大に伴い戒厳が出された[61]
ギニア

ギニアでは2007年2月12日に戒厳が出されたが、23日の議会で戒厳延長を全会一致で否決した[62]
ソマリア

ソマリアでは2007年に無政府状態となった国内の安定の確保を図るため大統領が戒厳を発令することを議会が承認した[63]
ウクライナ2018年のケルチ海峡事件に伴い戒厳令が発令されたウクライナの州。北から時計回りにチェルニーヒウ州スームィ州ハルキウ州ルハーンシク州ドネツィク州ザポリージャ州ヘルソン州オデーサ州ムィコラーイウ州ヴィーンヌィツャ州の10州に戒厳令が発令された。

ウクライナでは、ロシアが初めてウクライナ攻撃を公式的に認めたケルチ海峡事件(2018年11月25日に発生)によりロシアによる侵攻に備え、11月28日にロシアとの国境[注釈 2]およびアゾフ海黒海に面する州において戒厳令を発令した。しかしロシアによる侵攻はないとし、30日後の12月27日に戒厳令は解除された。

2022年2月24日のロシアによる侵攻を受け、ウクライナ全土に戒厳令が敷かれた[64]ウクライナ国家安全保障・国防会議は、国政政党で親ロシア派のОпозиц?йна платформа ? За життя(英語版)など11の政党に活動停止処分を下した[65][66]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ この勅令は、緊急勅令ではない。例えば明治38年のときは、「東京府内一定ノ地域ニ戒厳令中必要ノ規定ヲ適用スルノ件」 (明治38年9月6日勅令第205号)は緊急勅令で、この発動範囲を定める「明治三十八年勅令第二百五号ノ施行ニ関スル件」(明治38年9月6日勅令第207号)が一般の勅令である。
^ ドネツク人民共和国ルガンスク人民共和国沿ドニエストル共和国が実効支配する領域との境界線を含む。

出典^ “ コトバ解説 「非常事態宣言」と「戒厳令」の違い ”. 毎日新聞. (2015年12月8日). https://mainichi.jp/articles/20151203/mul/00m/030/00700sc 2017年7月6日閲覧。 
^ 大江 1978, p. 27.
^ 大江 1978, p. 28.
^ 大江 1978, pp. 28?29.
^ 大江 1978, p. 29.
^ 大江 1978, pp. 29?30.
^ a b c d e f 大江 1978, p. 30.
^ a b 大江 1978, p. 31.


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