憲法が国法秩序の段階構造で最も強い形式的効力をもつ規範であることは通常の法律改正よりも難しい憲法改正手続きが要求される硬性憲法のもとでは当然のことである[32]。そこで憲法の最高法規たる本質は憲法が実質的に法律とは異なる点に求める必要があり、それが次の実質的最高法規性である[32]。 憲法の最高法規性の実質的根拠は、憲法が自由の基礎法として、人間の権利・自由をあらゆる国家権力から不可侵なものとして保障するという理念に基づきその価値を規範化したものという点にある[33]。 憲法の実質的最高法規性を重視する立場では、人権体系を憲法の根本規範と解し、憲法規範には価値序列があることを認める[34]。「堅固に保護された条項」も参照 なお、一部のイスラム教国ではイスラム教の教典であるクルアーンが憲法と位置づけられている。1992年3月のサウジアラビアでは統治基本規則第1条で「憲法はクルアーンおよびスンナとする」と定められており、イスラム教の教典が不文憲法となっている国である。このため、いかなる手続きをもってしても、絶対に憲法を改正することはできない。「シャリーア」も参照 多くの近代国家では法律は憲法の規定を満たす範囲で公布されるため、初等的な法学の教書では「憲法は法律の法律である」等と説明される。より一般的には上述したような歴史的経緯などから、多くの国では、憲法は「国民が国家に守らせる法」であり、法律は「国家が国民に守らせる法」であると捉えられている。このような解釈により、国民主権の国では必然的に憲法は法律よりも優先される法となるため、結果的に法律は憲法に基づくことが必要となる[35][36]。「立憲主義」も参照
実質的最高法規性
法律との関連
著名な憲法学者日本の著名な憲法学者については「日本の法学者一覧#憲法」を参照「Category:憲法学者」も参照
ゲオルグ・イェリネック(ドイツ)
ハンス・ケルゼン(オーストリア)
カール・シュミット(ドイツ)
ルドルフ・スメント(ドイツ)
コンラート・ヘッセ(ドイツ)
パウル・ラーバント
パウル・キルヒホフ