幼稚舎の教育理念は、校歌の『幼稚舎の歌』にも歌われているように、生徒が福澤諭吉の教え、「独立自尊」を実践できる人材を育成することである。福澤は、「まず獣身を成して、のちに人心を養う」と常に唱え、その教えに従って、幼稚舎では昔から身体能力を鍛えることに力を入れ、入学してから卒業するまでにたくさんの体育行事や活動を用意している。
6年間担任持ち上がり制、教科別専科制を採用している。在籍する男子児童は女子の2倍であり、1クラス36人、内訳は男子24人、女子12人である。一学年計144人である。各学年にK組、E組、I組、O組の4つのクラスがあり、クラスごとにクラスカラーがあり、K組は青、E組は黄、I組は緑、O組は白である。運動会のクラス対抗リレーなどではそれぞれのクラスカラーのはちまきをする。
I組は2002年(平成14年)度に新設され、2002年度 - 2006年(平成18年)度までは1学年3クラス (K, E, O) と4クラス (K, E, I, O) が混合していた。教育方針は「勉強は強制しないし、勉強は家庭の責任」である[4][5]。また、6年間クラス替え、担任変更のない教育編成が特徴。クラスごとに方針が異なる。理科、音楽、絵画、造形、体育、英語、情報、習字はそれぞれ専門の教育を受けた教員が指導に当たる。
慶應義塾の教育の一環として児童全員に1000m完泳を義務付けている。また、福澤諭吉の誕生日記念会では音楽科教員が選抜した幼稚舎生数十名が『福澤諭吉ここにあり』を歌う。校歌は多数あるが、『若き血』、『福澤諭吉ここにあり』、『幼稚舎マーチ』が有名。給食はホテルニューオータニの食事が採用されている。 各教室には冷暖房、それぞれ1台ずつプラズマテレビとパソコンが設置してある。自尊館(講堂)、理科園(自然園)、サイエンスミュージアム(学校博物館)[27]、けやきホール(食堂)が備えられている。 図書室は約33,000冊以上の蔵書数を誇る。最寄り駅は東京メトロ広尾駅。制服の着用義務がある。 名門校の1つとされる。そのため、政官財界、医者、文化人や芸能人ら著名人なども在籍する。入学試験は学力ではなく行動観察、運動、制作、口頭試問などで行われ、多くの父母がお受験塾に通わせる。 一学年の入学者数は男子96名、女子48名の合計144名。144名の募集人数に対し、2021年度は合計1,487名が受験し、合格倍率は男女合わせて10.3倍であった。募集人員が少ない女子の方が倍率は高く11.6倍。募集人数は長年変わっておらず、受験者数も2020年度1558名、2019年度1406名と比較的安定している[28]。 慶應義塾大学までの小中高大一貫教育、無試験でそのまま進級できるエスカレーター式を採用しているが、必ずしも進級できるわけではなく、中学・高校で留年制度がある。特に義務教育の中学校で出席日数ではなく、学力で留年があるのは、日本国内で異例とされる。 慶應義塾が設置している3つの中学校慶應義塾普通部、慶應義塾中等部、慶應義塾湘南藤沢中等部のうちどの学校に進学するかは、児童・保護者が選択できる。近年の幼稚舎卒業生の慶應義塾一貫校の各中学校への進学状況は以下である。 幼稚舎卒業生の中学校への進学状況[29]卒業年普通部中等部湘南藤沢中等部他校 「幼稚舎」という名称であるが、幼稚園ではなく小学校である。学校教育法の135条で、専修学校や各種学校、無認可校など学校教育法上の小学校以外の教育施設が「小学校」を名乗ることは禁じられているが、「小学校」と名乗る義務は無いため合法である。
設備
入学・進学
2012年3月卒業男子81男子13・女子45男子1・女子31
2013年3月卒業男子65男子24・女子47男子5・女子12
2014年3月卒業男子68男子22・女子46男子5・女子20
2015年3月卒業男子70男子21・女子46男子5・女子20
2016年3月卒業男子64男子25・女子45男子6・女子3男子1
2017年3月卒業男子72男子18・女子47男子3・女子1男子2
2018年3月卒業男子66男子24・女子41男子6・女子70
2019年3月卒業男子78男子14・女子48男子2・女子0男子2
2020年3月卒業男子77男子18・女子46男子1・女子20
2021年3月卒業男子61男子31・女子43男子0・女子5男子4
2022年3月卒業男子51男子39・女子45男子3・女子3男子3
名称
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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