接触感染とも呼ぶ。英語は direct contact(直接接触)。病原体を有する生体同士が直接接触することにより感染する事を言う。
典型的には皮膚と皮膚の接触、キス、性交をさす。さらに病原体をふくんだ土壌、植物との接触もさす[13]。糞口経路については、主に間接的な接触経路とみなされるが、糞への直接接触によって感染するケースもある。[14][15]
伝染性膿痂疹など皮膚疾患。医療現場ではMRSAなどの薬剤耐性菌の伝染の主要な経路である。 感染者の血液や体液などが目や鼻の粘膜に付着することにより感染する。感染経路は直接のものと、または媒介物を通した間接的なものがある。次の経皮感染に含める場合もある。 流行性角結膜炎など眼科疾患。 通常、皮膚は病原体の侵入を防ぐ力を備えるが、蚊や昆虫、または犬などに刺され、または噛まれることにより病原体が体内に侵入する。寄生虫が直接体内に経皮侵入する場合もある。また、創傷や熱傷により皮膚の防御機能が失われた部分から病原体が侵入する。これらを特に経皮感染と呼ぶ場合がある。針刺し事故も経皮感染に含める立場がある。 性的な接触感染である。粘膜感染と経口感染の側面がある。
粘膜感染
経皮感染
MRSA、HIV、B型肝炎、C型肝炎、クロイツフェルト・ヤコブ病が代表的。
大量の曝露があれば梅毒も考慮される。
性的感染詳細は「性感染症」を参照
唾液を媒介として唾液中の病原体が口移しやディープキスなどにより感染する場合、特に唾液感染と言う場合もある。なお臨床感染経路分類論では歯垢感染と呼気感染は経口感染に入るが、唾液感染は入らない。虫歯菌、EBウイルスなどで唾液感染が起きる。
垂直感染詳細は「垂直感染」を参照
母子感染、垂直伝播とも。さらに次のように分類される。 間接接触感染(Indirect contact transmission, vehicle-borne transmission)とは、非生物との接触によって伝染する経路。食品、水、生物学的製品(血液など)、媒介物(ハンカチ、寝具、外科メス)などが挙げられる。たとえば不適切に製造された缶詰食品は、ボツリヌス菌によるボツリヌス毒素生産に適した環境を提供している。間接感染は常識となっているが、専門家によれば、帰宅後に着替え、食べ物、携帯電話、荷物をきれいにする必要はないという[16]。 病原体に汚染された飲食物を介した感染を特に経口感染と呼ぶ場合がある。汚染原因が糞便であれば介達感染(糞口経路、後述)である。ほか、飲食物自体が感染源となり経口感染するものにBSEがある。 他の動物(特に節足動物)が媒介者(ベクター)となって、伝播することで感染が成立するもの。(1) その病原体の生活環の一環として、ベクターの体内で発育、増殖し、そこから感染する場合(生物学的伝播)と、(2) 単にベクターの体表面に付着した病原体が機械的に伝播される場合(機械的伝播、機械的ベクター感染) とがある。
胎内感染(経胎盤感染・経羊水感染): 胎盤を通る血液を通じて感染。風疹ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、サイトメガロウイルスなど。
産道感染(経膣感染): 出産時の出血や皮膚の擦り傷を介して感染。B型肝炎やHIVなど。
母乳感染: HIVや成人T細胞白血病ウイルスなど。
間接感染
経口感染
ベクター感染(水平伝播)ツェツェバエ
(1) の例は、カによるデング熱や日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、マラリアなどの昆虫媒介感染症、ダニによるクリミア・コンゴ出血熱や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の媒介、シラミによる発疹チフスの媒介、ネズミによるラッサ熱、南米出血熱、ハンタウイルス、ペスト、腸チフス、パラチフス、サルモネラなどの媒介。