愛國戰隊大日本
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他にも大日本の登場シーンや、富士山をモチーフにした5人の戦士の決めポーズ、サンバルカンのオープニングで嵐山美佐(演:根本由美)が屋内プールで泳ぐシーンを意識しているとみられる本作品オープニングでの舞子ユキ(=アイ・ゲイシャ。演:西由紀)が屋外プールで遊んでいるシーン、武器の1つでサンバルカンの兵器の1つであるバルカンボールを模した「天誅ボール」、サンバルカンロボの必殺技である「太陽剣・オーロラプラズマ返し」を模した大日本ロボの必殺技「日本剣・愛國富士山返し」、「バルカンスティック」を模した十手状の「バンザイ・スティック」、怪人が巨大化する時に映し出される歯車などの機械内部構造などもサンバルカンを参考にしているとみられる。エンディングテーマ『起て!大日本』はテレビアニメ『宇宙戦士バルディオス』の挿入歌『立て!バルディオス』の替え歌である。

「テーマがなくてもテーマがあるように見せかけて作る」というのが制作意図で[3]タイトルから想像されるとおり、当時まだ冷戦下にあったソ連を「おちょくった」ような内容ではあるが、同時に右翼も「揶揄」した内容でもあった。

製作陣の多くのスタッフが当時大阪芸術大学の現役の学生であったため、ヒラ戦闘員「ハラショマン」のコスチュームは大阪芸術大学のジャージがそのまま使用されている(正確に言うと「大」の横棒を塗りつぶし「人」にして胸の表記である「大阪芸大」を「大阪芸人」に換装していた)。

1980年代にゼネラルプロダクツよりビデオ(VHSβ)が発売されたが現在は絶版。2005年12月1日には関西テレビ☆京都チャンネルの「熱血!インディーズムービー野郎」番組内でテレビ放送され、関西テレビ地上波での再放送も行われた。現在でも、稀にSF・自主制作映画関係のイベントで上映が行われることがある。
評価

反共主義右翼的な内容に見せかけているものの、前述の通り実は右も左も笑い飛ばしたパロディーであるが、一部の東欧SFファンやプロの中には、その内容を表面的に捉えたり、「露助」や「アカ」という蔑称がそのまま使われたりしていることから、これを「反社会主義的」「右翼的」と本気で問題視するグループもあり、1982年から1984年にかけて「『愛國戰隊大日本』論争」と呼ばれる論争も発生した[要説明]。主に『イスカーチェリ』などのSF同人誌やダイコンフィルムメンバーによるゼネラルプロダクツの会報『パペッティア通信』を舞台に論争は行なわれたが、『SFイズム』『SFの本』といった商業誌やオランダで発行のSF情報誌なども論争の場となっていた。

論争の参加者には、当の岡田斗司夫や武田康廣のほか、翻訳家の深見弾山形浩生、波津博明などがいた[4]。かつて日本SF大会を主催したこともあるSF作家の筒井康隆も、エッセイ[5]で「アホな演しもの」と本作品について触れている[6]

この影響で、本作品オープニングに「富士山将軍」としてカメオ出演したSF作家からダイコンフィルムに申し入れがあり、本作品を公の場所で公開する場合には、その作家の顔と名前を塗りつぶしたバージョンが用いられるようになった[7]

岡田斗司夫は2010年の著書『遺言』において、宮崎駿が本作品を見てDAICON FILMのメンバーを気に入り、構想中だった新作映画『アンカー』を実写で撮影したいとDAICON FILMの代表数名を呼び寄せたと記している(岡田自身は面会に参加していない)[8]。岡田は『ウルトラマン』ではなくて本作品だったことを「不思議でしたけど」と述べ、面会したメンバーが宮崎になぜ自分たちに頼むのか(宮崎のファンである庵野秀明も宮崎の作りたいものは自分たちには無理、と考えたという)と尋ねると「いや『愛國戦隊』をつくった君たちならできるよ」といわれたという伝聞を記している[8]

これについて赤井孝美は2019年にTwitterで、「宮崎駿さんが褒めたのは庵野くん監督の「帰ってきたウルトラマン」で「大日本」は『くだらない』とおっしゃってました。これは自分が聞いたので確かです」と述べている[9]
ストーリー

北から神國・日本を狙う悪の組織「レッドベアー」は、洗脳五カ年計画実行のため、怪人「ミンスク仮面」やヒラ戦闘員「ハラショマン」を使って、子供たちの教科書を真っ赤に塗りたくる作戦を開始した。アイ・カミカゼ、アイ・ハラキリ、アイ・スキヤキ、アイ・テンプラ、アイ・ゲイシャの5人の愛國戰隊大日本は、巨大空中母艦「大日本戰艦」と巨大合体ロボ「大日本絡操(ダイニッポン・ロボ)」を駆り、アカの脅威から御國を守り抜くため、日夜戰い続ける。
登場人物・メカニック

以下に紹介する内容には、『アニメック』誌上における愛國戰隊大日本全26話を紹介する架空記事の内容を含む。実際に製作されたのは第3話のみであり、従って第3話に登場しないものは設定が存在するのみで、劇中未登場である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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