ライアンが肩の負傷を治している間に、ライアンは英国政府から名誉を与えられ、のちに勲爵士になる。一方、ミラーは誘拐未遂の罪で終身刑を宣告されるが、ゲヴィン・オドネル率いるアルスター解放軍の同胞が、ワイト島の厳重警備の刑務所に移送される途中でミラーを解放した。その後、彼らは北アフリカの砂漠にある秘密の訓練キャンプにリビアの協力者の支援で逃げ込む。ミラーは、最近の作戦を失敗させたライアンへの復讐を誓う。
ライアンは、メリーランド州アナポリスにあるアメリカ海軍兵学校で歴史の教職に戻り、アルスター解放軍が米国で彼を襲撃しないという事実に安堵した。彼の知らないうちに、ミラーはライアンと彼の家族を標的にした米国での作戦を始めることについて上司のオドネルを説得し、それを実行に移すため、「運動」と呼ばれるアフリカ系アメリカ人の国内テロリストグループの協力を得ていた。その作戦は復讐のための行動ではあるものの、それと同時に、対抗勢力であるアイルランド共和軍暫定派がその攻撃の原因とされることで、アメリカ人からの支援を減らすように計画された。ライアンを職場で殺すために送られた暗殺者は、その任務をやり遂げる前に兵学校の警衛に怪しまれ、拘束される。しかしライアンの妻のキャシーと娘のサリーは、ミラーの銃撃で2人の乗った車が高速道路で衝突させられたときに重傷を負い、その後、治療のためにヘリコプターでメリーランド大学医療センターに搬送された。
ライアンは家族が襲撃されたあと、中央情報局(CIA)本部で分析官として働き始め、これまであまり知られていなかったアルスター解放軍に関する詳細情報の収集のため、CIAからの申し出を受け入れる。その後、イギリス皇太子夫妻がメリーランド州のライアンの自宅に訪れる。しかしこれが、再び「運動」の力を借りアルスター解放軍に新たに襲撃する機会を与える。皇太子夫妻の訪問の夜、テロリストたちはライアンの家に奇襲を仕掛け、皇太子夫妻とライアンの家族を拘束する。
ライアン宅の周囲の、シークレットサービス隊員を含む幾人かの警備員が殺されたが、ライアン、彼の友人の戦闘機パイロットであるロバート(ロビー)・ジャクソン、そして皇太子はなんとか数名のテロリストを殺すことに成功する。彼らは後に地元警察、米国海兵隊、および米国海軍兵学校の水兵から支援を受け、残ったテロリストがコンテナ船で国外脱出するのを阻止する。ライアンは追い詰められたミラーに遭遇し彼を殺そうとするが、彼に射撃を教えている兵学校教官ブレッケンリッジに諭される。アルスター解放軍のテロリストたちが逮捕されたあと、ライアンはアナポリスに到着し、息子のジャック・ライアンJr.の誕生に立ち会う。 「愛国者のゲーム」はジョン・ル・カレ、レン・デイトン、そしてロバート・ラドラムによるスパイ小説中の敵対者に関する道徳的な曖昧さを覆したことで注目された。
登場人物
ジャック・ライアン:メリーランド州アナポリスにある米国海軍兵学校の歴史教師。のちに中央情報局の分析官。
キャロライン(キャシー)・ライアン博士:ジョンズ・ホプキンス大学医学部の一部であるウィルマー眼科研究所の眼科外科医。ジャック・ライアンの妻。
オリビア(サリー)・ライアン:ジャック・ライアンとキャシー・ライアンの娘。
プリンス・オブ・ウェールズ
プリンセス・オブ・ウェールズ
ダニエル(ダン)・E・マリー特別捜査官:FBIの駐ロンドン米国大使館付法務官。
ジェイムズ(ジミー)・オーインズ:テロ対策を専門とする英国の警察官。
ロバート(ロビー)・ジェファソン・ジャクソン:米海軍の戦闘機パイロット。臨時教官として海軍兵学校に着任し、ジャック・ライアンの友人となる。
ショーン・ミラー:アルスター解放軍(ULA)の作戦責任者。
ゲヴィン・ジョゼフ・オドネル:ULAのリーダー。
ジェイムズ・グリーア:CIA副長官。ライアンをCIAに個人的に採用する。
マーティ・カンター:グリーア提督の補佐官、のちにライアンに代わる。
ノウア・ブレッケンリッジ上級曹長:米海軍兵学校の警備課長兼銃器長。ライアンに拳銃射撃を伝授する。
パウリグ(パディ)・オニール:英国議会のアイルランド共和軍暫定派代表。
デニス・クーリィ:稀覯本専門書店の持ち主。 ULAの工作員。
ジェフリー・ワトキンズ:英国外務省と王室間の連絡係。クーリィを通じてオドネルに密かに情報を渡すULAのスパイであることが明らかになった。ミラー、オドネル、および他のULAテロリストが逮捕されたあと、自殺する。
アレグザンダー・コンスタンティン・ダベンズ:「運動」と呼ばれるアフリカ系アメリカ人の国内テロリストグループのメンバー。米国でのULAの作戦を支援した。
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