愛の戦士レインボーマン
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キャラクターデザインは、『正義を愛する者 月光仮面』の監督を務めた岡迫亘弘によるものである[8][9][注釈 3]。岡迫は7種のデザインにあたり一目で見分けられることを心がけている[9]。背面はデザインしておらず、造形側の処理による[9]

レインボーマンの7つの衣装は、造形会社「開米プロダクション」が担当している。予算の関係で皮革素材は使えず、社長の開米栄三自身が浅草の専門店へ足を運んで伸縮性のある生地(ビニールレザー)を購入し、衣装屋に縫製してもらったそうである。開米によると、原作者の川内が多忙で、打ち合わせはホテルのロビーで行なったとのこと。

敵対する勢力は、ヒーローものにありがちな架空の宇宙人や怪人ではなく、日本人を憎悪し日本国家の滅亡と日本人撲殲滅を企む組織死ね死ね団で、現実の外国人[注釈 4]によって組織された集団である[2]。第2クールで魔女イグアナと殺人プロフェッショナルを送り込んだのを皮切りに、第3クールでは悪魔武装戦隊(DAC)を結成、第4クールでは部下などを次々とサイボーグ化しレインボーマン抹殺を目論んだ。

いわゆる怪人は登場しない[10]が、殺人プロフェッショナルなど、特殊な能力を持った異形の怪人的なキャラクターは存在している。

メカの描写は、『緯度0大作戦』や『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』など東宝特撮映画の特撮シーンを流用している[11]
物語の進行

戦いは、変身ヒーローなどに多い1話完結による「怪人対主人公」ではなく[10]、約1クール(13話)からなる「政治的結社の陰謀対それを阻止する主人公」であり、登場する殺人プロフェショッナルやサイボーグはレインボーマン打倒が目的で送り込まれるケースが多い。第2話の「この1年間、よくぞ耐え抜いた」というダイバ・ダッタのセリフ、第40話の「娘・イグアナが死んでから666日が経った」というゴッドイグアナのセリフから、作中では第2話の間に1年、第25話から第40話までの間に、2年近い時間の経過があったことになる。

ヒーロー誕生から敵組織との戦いに至る流れも従来のヒーロー番組とは異質であり、第1話においてはレインボーマンは幻影のみの登場、2 - 4話ではレインボーマンとなったタケシの人間ドラマが中心で、敵組織の「死ね死ね団」は4話目にして初めて登場する。
あらすじ

アマチュアレスリングで名をはせた高校生・ヤマトタケシは小学生のころ、妹を自分の不注意で交通事故に遭わせ、脚に障害を負わせてしまう。その治療費を稼ぐため、格闘技にさらに磨きをかけプロレスラーとなり、有名になって金持ちになるべく、インドの山奥に住む奇蹟の聖者ダイバ・ダッタのもとへと旅立った。折しも第三次印パ戦争の真っ只中であり、負傷したタケシだったが、年老いたダイバはタケシに長年夢に見た伝説の七色の戦士レインボーマンの素質を見出し、タケシを弟子に迎える。

タケシが長く厳しい修行をしながらその地で見たものは、同じ人間同士が傷つき殺しあう民族間の紛争だった。ダイバは死んだ兵士を超能力を用いて蘇らせるが、生き返ったにもかかわらず、再び争いを始める兵士たち。ダイバが諭すと、その神々しさに感銘した兵士たちは武器を捨て故郷へ帰っていった。

タケシはダイバの偉大な力に改心し、自分の力を人々の役に立てようと誓う。やがて月日は流れ、ダイバは老衰しその魂をタケシに委ねて果てた。その直後帰国したタケシは、自分が通っていたレスリングジムの経営者である正造が借金の保証人になっていることを知り、賭博レスリングで資金を稼ぐために単身マカオに飛ぶ。そこでタケシの前に待ち受けていたのは、日本滅亡と日本人撲滅を企む秘密結社、死ね死ね団だった。
キャスト
主人公側
ヤマト タケシ / レインボーマン
演 -
水谷邦久17歳の城東高校生でアマチュアレスリングの選手。「必殺回転落とし」という技を持ち「下町の黒豹」との異名を持つが、規定の試合に飽き足らず関東大会の決勝戦でこの技を使用し、4人もの怪我人を出してしまったためにレスリング部を除名された。その後プロ入りを目指すも、プロには「必殺回転落とし」が通用しなかった。アマチュアレスリング時代の先輩・堀田からインドの山奥に住む聖人ダイバ・ダッタの話を聞き、強くなるため日本を離れてダイバの弟子となった。1年間の苦しい修行の末、人類愛に目覚めてレインボーマンとなる。当初は典型的な軽い感じの若者で、しかも自信過剰な乱暴者だったが、死ね死ね団との死闘を繰り広げていくことで人間的に成長し、沈着冷静になった一方、次第にどこか陰のある青年となり、正体を明かすこともできずに苦悩する。第9話で死ね死ね団員にキャッツアイ入りの飲料を飲まされて狂気に陥ったうえ、続く第10話で死ね死ね団配下の医師の手で完全に狂人になってしまったが、ヨガの眠りで毒素を排出して回復する。
ダイバ・ダッタ
演 - 井上昭文インドのヒマラヤ奥地に棲む150歳の聖者[12]提婆達多がモチーフ。現地の人々にも信仰されており、様々な超能力を持つ。タケシに七色の戦士「レインボーマン」の素質を見出し、修行させる。やがて老衰を悟り、死に際にレインボーマンを伝授する。死後も霊体がタケシの夢枕に立ち助言を与える。また、タケシの最大の弱点であるヨガの眠りの最中のピンチには、実体化しタケシを温泉に入れて凍傷から救ったり、殺人プロフェッショナルのアイスリーを幻影で惑わしたり、タケシの目の前に現れ新しい技を伝授したりすることもある。「寿命が来た」と語り一度は完全に消滅したが、その後の素行から、生きているのか死んでいるのか判らない、得体の知れない存在となっている。タケシには「お師匠」と呼ばれている。
ヤマト たみ
演 - 本山可久子タケシとみゆきの母。「おふくろ」というおにぎり屋を一人で経営している。タケシがレインボーマンだとは知らず、危ない目に遭い夜になっても度々帰ってこない息子を常に心配している。
ヤマト みゆき
演 - 石川えり子タケシの妹。兄思いの優しい少女。幼少のころタケシと遊んでいる時に交通事故で怪我をし、足に障害を負ってしまい松葉杖の生活を強いられている。タケシはみゆきが怪我を負ったのは自分のせいだと常に自分を責め続け、いつか格闘技で大金を稼ぎ治療してやろうとしている。最終話にて足の手術を受けるために海外へ旅立った。
ヤマト 一郎
演 - 小泉博[注釈 5]タケシとみゆきの父で日洋新聞社の記者。海外特派員として東南アジアに出張してから消息が絶え、8年もの間行方不明になっていたが、実は死ね死ね団の存在を知って、彼らの手掛かりを追っていたために囚われていた。ミスターKを「ミスター狂人」と罵ったこともある。レインボーマンをおびき出すために利用され、タケシは日本国民の未来と父親を天秤に掛けざるを得なくなり苦悩する。第26話にてタケシと共に死ね死ね団の海堡基地を壊滅させるも、ミスターKの凶弾を浴びて死亡。第22 - 26話に登場。
ヤマト 久蔵
演 - 増田順司タケシの祖父。九州の朝霧高原で、示現流剣道部師範剣王塾を主宰する。怪我の影響で術が使えなくなったタケシの焦りを看破し、無の心を示唆する。第43 - 45話に登場。
淑江
演 - 伊藤めぐみタケシの恋人。父である正造の経営する保育園「どんぐり園」の保母を務めている。父と二人暮らし。芯が強くしとやかな性格。死ね死ね団と戦うタケシを案じつつも見守っている。本名は水野淑江。
レスキの正造
演 - 村田正雄タケシの通うレスリングジムと保育園「どんぐり園」の経営者で、べらんめえ口調が特徴。「レスキ」とは「レスリングきちがい」の意味。借金の抵当として保育園を取られようとしていた。タケシをプロレスラーに育て上げたかったらしい。本名は水野正造。
堀田
演 - 黒木進タケシの先輩で良き相談相手。ガソリンスタンドに勤めている[注釈 6]。ダイバ・ダッタの噂をタケシに教えた。アマチュアレスリングのチャンピオンであり、「逆噴射投げ」という得意技を持っていたらしい。友人の北村刑事と共に死ね死ね団の存在を知るが、しだいにタケシとは疎遠になっていった。第28話まで登場。
吉岡
演 - 倉田始城東高校レスリング部のキャプテン。タケシのレスリングを野獣の格闘と批判し、タケシに退部を言い渡した。しかし27話でタケシと再会した際には、2人はまるで親友のように接し合っている。また47話では死ね死ね団によって人間サイボーグにされてしまい、タケシを襲撃したが、レインボーマンの解毒の術で元に戻った。第1話のオープニングクレジットでは「片山」と表記されていた(劇中未呼称)。第27 - 29話、第47話にも登場。
ヤッパの鉄
演 - 山崎純資元は仁侠一家という暴力団に属し、レスキの正造に借金の取り立てに来たやくざだったが、タケシに惚れ込み足を洗い、おでん屋を開業した。副業として牛乳配達もしている。事件の情報をいち早くタケシに伝える情報屋。タケシのことを「兄貴」と呼んでいる。イグアナに魔法で犬にされたこともあった。ヤッパとは刃物のこと。
さくら
演 - 鷲尾真知子弟のロコとともにマカオに住む少女。父親は日本人の記者で5年前に殺人ショーを調査するうちに外国人の運転する自動車に轢かれて死亡。ヤマト一郎のことも知っていた。オートバイにも乗れる。チンピラに絡まれていたところをタケシに助けられ、以後タケシに協力するが、死ね死ね団の凶弾に倒れて死亡する。第4 - 5話に登場。
ロコ
演 - 佐瀬陽一さくらの弟。タケシの上着を盗もうとしてタケシと出会い、姉を助けられたことで打ち解ける。さくらの死後孤児となり、その身を案じたタケシから日本に一緒に来るよう持ちかけられるも、一人マカオに残ることを決意する。パチンコが武器で、タケシのピンチを度々救った。第4 - 7話に登場。
北村刑事
演 - 長島寛堀田の大学のころの友人で、城西署捜査課の刑事。堀田と共に死ね死ね団の存在を知る。死ね死ね団と銃撃戦の際に負傷し、手術に成功するも直後容態が急変、タケシに「がんばれ」と言い残し息を引き取った。第9 - 11話に登場。
松前 源吉
演 - 木田三千雄引退した腕利きの製版工で、死ね死ね団のM作戦のために偽札原版作りの技術者として誘拐された。どんな拷問にも屈しなかったが、孫のマー坊を人質にとられ、やむを得ず偽札作りに協力してしまう。しかし良心の呵責により偽札工場を爆破し、源吉自身も犠牲となった。タケシは源吉が爆破したとは知らず、「名も知らぬ正義の人」が実行したと思って感謝する。その後も、タケシが真実を知ることはなく、ミスターKもレインボーマンの仕業と勘違いしていた。くにという名の妻がいる。第14 - 21話に登場。
マー坊
演 - 梶浩昭どんぐり園の園児で、源吉の孫。泣き虫で甘えん坊な性格。


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