惑星
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まず、球形とはどこまでの扁平やずれを許容するか線引きの曖昧さが指摘された[2]。また今後発見される可能性のある大型の小惑星や海王星以遠天体も惑星に分類すると、惑星が際限なく増える可能性があるという指摘がなされた。また、冥王星を敢えて惑星とするための基準であり、政治的な意図が含まれているとの批判もあったが、委員会はこれを公式に否定している。
惑星の概念を狭く限定する案(いわゆる8惑星案)可決された定義。惑星は8になった。

批判を受けて複数の修正案が示された。結果、第3の条件としてスターンとレビソンが追加した[2]以下が加えられた。

その軌道近くから他の天体を排除しているもの

さらに、第2の条件も「恒星の周囲」が「太陽の周囲」と変更され、ここで定義するものは太陽系天体に限定することが明示された。

この条件において、地球の月や巨大惑星が従える衛星群、また木星のトロヤ群など安定共鳴軌道にある天体は、惑星重力の影響を受け固定的な軌道を取っている。「排除」の意味は、他天体の軌道を変えてはじき飛ばしたり、引力で吸収したり、または軌道を支配したりする状態を言い、衛星などは「他の天体」に含まれない[2]

討議の結果、上記の3つの条件を満たすものを惑星とする決議案が2006年8月24日13:30 (UT) に賛成多数で採択され、その定義の下で、当初の案で classic planet と定義されていた8個が惑星とされた。惑星が8個であるのは、定義をこの時点で理解されていた太陽系の描像に当てはめた結果に過ぎず、8個のみを惑星と定義しているわけではないことには注意すべきである。ただし、軌道領域に占める天体の質量比を見ると、8個の惑星は5000以上つまり軌道領域上にある他の物質の質量は1/5000以下なのに対し、冥王星・ケレス・エリスは1以下つまり同量以上の物質が軌道領域に存在しており、明らかにこの定義から外れる[2]。また、この決議案は太陽系に限定されており、太陽系外の天体の種別については、それを惑星と呼ぶことを制限するものではない。

なお、学術用語について学会などが「定義」を明言することは極めて異例で、通常は関連研究者内部で随時提唱されたものが自然淘汰的に決まる。これは、一般言語において、単語の意味を明示的に定義することがないのと同様である(辞書などで、使われる単語の意味を解説することはあるが、それは単語の意味を定義することとは別である)。

また国際天文学連合の公式用語には、それを各国でどのように使用しどのように訳すかについて、強制力はない。
太陽系の惑星

太陽系の惑星は、「太陽系の惑星の定義」に基づき、水星金星地球火星木星土星天王星海王星の8天体とされる。

これら共通の特徴は、ほぼ同一の軌道面にある事、各軌道はほぼ正円である事、外側に行くほど惑星軌道の間隔が広くなる事である[3]。惑星質量をすべて集めても太陽の1/1000程度に過ぎない。しかし、軌道の角運動量は太陽の自転における角運動量の約200倍を示す[3]

惑星の条件のうち、採択された決議案に追加された、他天体との関係に関する第3項目を満たさない天体は dwarf planet(準惑星。日本語表記についての詳細は後述)と呼ぶ。なお、準惑星、小惑星は呼称に「惑星」が入っているが、惑星ではない。

2016年1月21日、「太陽系の9番目の惑星の存在を示す証拠が発見された」と報じられた[注釈 2]プラネット・ナイン)。
分類

太陽系の惑星の分類地球型惑星
(岩石惑星、固体惑星)水星内惑星
金星
地球-
火星外惑星
広義の
木星型惑星
(大惑星)木星型惑星
(巨大ガス惑星)木星
土星
天王星型惑星
(巨大氷惑星)天王星
海王星

内惑星・外惑星

太陽系の惑星のうち、地球よりも内側にある水星・金星を内惑星、地球よりも外側にある火星・木星・土星・天王星・海王星を外惑星と呼ぶ。この為、地球は内惑星・外惑星のいずれにも分類されない。

惑星が地球を挟んで太陽の反対方向にある状態を、太陽と同じ方向にある状態をと言う。内惑星には衝はなく、また合の位置も、太陽の手前にある内合と太陽の向こう側にある外合の二つの場合がある。

惑星は通常、天球を西から東に移動するように見える。この状態を順行と呼ぶ。逆に東から西へ移動するように見える状態を逆行と呼ぶ。外惑星の場合、地球から見て衝の位置にある時に地球がその惑星を追い越すため、衝の時期に逆行する。内惑星の場合には内合の位置にある時に地球がその惑星に追い越されるため、内合の時期に逆行する。惑星が順行から逆行、または逆行から順行に変わる時にはしばらくの間天球上で動かなくなるように見える。この状態をと言う。
地球型惑星と木星型惑星

水星・金星・地球・火星は比較的小さく、岩石と金属を主成分としているという共通点があるため、「地球型惑星」と呼ばれる[3]

それに対して木星・土星・天王星・海王星は、比較的大きく、地球質量を超える大気を持つという共通点がある。このうち、木星と土星はその組成が太陽系形成時の星雲ガスに近く、木星型惑星と呼ばれる。巨大ガス惑星と呼ばれることもある[3]。天王星・海王星は、のマントルを持っており、天王星型惑星と呼ばれる。その組成と物質の存在形態から巨大氷惑星または巨大固体惑星[3]と呼ぶ場合もしばしばある。

なお、かつて太陽系惑星の1つとされていた冥王星は、水やメタンの氷が主成分で、どちらにも分類されていなかった。
惑星以外の天体

太陽系の天体の分類恒星太陽
太陽の
周りを
回る
天体惑星地球型惑星


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