惑星探査
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木星に到達したガリレオは、木星大気中に探査機を投下し、大気圧で押しつぶされるまでの数十分間に渡って、地球にデータを送信した。

一方ソ連の消滅によって、宇宙事業全てを引き継いだロシアは宇宙探査を行う余裕はなくなっている。

アメリカはさらに欧州宇宙機関と共同でカッシーニを打ち上げ、土星に接近した。さらに衛星タイタンに探査機ホイヘンス・プローブを投下し、着陸に成功した。ボイジャーが唯一探査を行わなかった冥王星や、さらにその外側に広がるエッジワース・カイパーベルトに向けても、2006年ニュー・ホライズンズを打ち上げ、冥王星には2015年に接近して探査を実施した(なお、冥王星が惑星から準惑星に変更されたのは打ち上げから約半年後のことである)。

20世紀終盤まではアメリカの独擅場だった外惑星探査にも、1997年、すでに豊富な実績のあるアメリカとの国際共同という形であるが、土星探査機のカッシーニによって欧州宇宙機関の本格的な外惑星探査への参入が始まり、遅れて同様に、日本の宇宙航空研究開発機構も、アメリカ、欧州との3機関国際共同プロジェクトとして、2020年頃の木星圏探査機ラプラスによって、外惑星探査に参入する予定[注釈 2][1]である。
彗星探査さきがけ詳細は「彗星#彗星探査機による観測」を参照

1986年ハレー彗星が地球に接近することを契機に、欧州宇宙機関ジオット)や日本宇宙科学研究所さきがけすいせい)が本格的な宇宙探査機を送り込むようになり、ソ連も彗星探査機(ベガ1号・2号)を送り込むことになったが、アメリカはハレー彗星専用の探査機は送り込まずに欧州宇宙機関と共同で運用していた太陽系探査機(アイス)をハレー彗星に接近する軌道にのせ、3カ国1地域による共同観測が行われた。これらのハレー彗星探査機群はハレー艦隊と呼ばれた。その後アメリカはディープ・インパクトスターダストなどを彗星に送り込み、それらの成果も挙がりつつある。
小惑星探査はやぶさ詳細は「小惑星#探査の歴史」を参照

ガリレオ1991年1993年に小惑星帯を通り抜ける際、それぞれ (951) ガスプラと (243) イダの撮影を行い、映像を送ってきたのが最も初期の小惑星探査である。本格的な小惑星探査は、1996年2月に打ち上げられ、1997年7月に (253) マティルドへ接近、2000年2月に (433) エロスへ到達したNEARシューメーカーが最初である。それに続く日本のはやぶさ (MUSES-C) は2003年5月に打ち上げられ、2005年9月に (25143) イトカワへ到達し、2010年6月に地球へ帰還した。

また、アメリカ合衆国でもドーン探査機が (1) ケレス(準惑星)と (4) ベスタを目指して2007年9月に打ち上げられた。さらに、ニュー・ホライズンズも、冥王星に向かう途上の小惑星帯で (132524) APLの撮影を行ったほか、ケンタウルス族に属する (83982) クラントルの探査をおこなった。

小惑星からのサンプルリターンに関しては「はやぶさ」が世界ではじめて試みた。地球に帰還したカプセル内部に微粒子ではあるが1500個以上のサンプルが回収でき、これらが小惑星由来であることが確認された[2]

サンプルリターンは2016年に打ち上げられたアメリカの探査機「オシリス・レックス」、及び上記「はやぶさ」の後継機として2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」の両探査機でも予定されている。オシリス・レックスのサンプルは2023年に、はやぶさ2のサンプルは2020年に地球に帰還予定である。また、中国も2020年代前半に小惑星サンプル・リターン探査機打ち上げを計画しているとの情報がある[3]
再び月へ

1990年代に入り、日本が次々と月探査計画ひてん1990年)/LUNAR-A(計画中止)/かぐや2007年-2009年))を発表・実施し、欧州(スマート12003年-2006年))や中国(嫦娥1号(2007年-2009年))やインド(チャンドラヤーン1号2008年-2009年))も独自に月探査機を送り込むこととなった。中国は嫦娥3号(2013年)で旧ソ連・アメリカに次ぐ月面軟着陸と、無人月面車(玉兎号)の稼動に成功した。アメリカも月の資源探査や有人基地化と火星有人探査への布石などから数多くの月探査機を送り込むようになっている。

また、グーグルとXプライズ財団が民間での月探査に賞金を設定している (Google Lunar X Prize)。
国際協力体制

最初の本格的な協力体制はハレー彗星探査のときに行われた(ハレー艦隊を参照)。その後は大規模な国際協力はなかったが、2007年3月4日京都で行われた国際宇宙探査戦略にかかる京都ワークショップにおいて、2007年以降の月探査も含む今後の太陽系探査についてワークショップに参加した14の宇宙機関により国際協力体制を早期に構築することが確認された。
探査機・探査計画の一覧詳細は「宇宙探査機の一覧」を参照


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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