惑星ベジータ
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隔世遺伝が起こることで、一世紀もの時を経て純血サイヤ人に匹敵する戦闘力を持つ個体が生ずることもあるらしい。

外見は人間型で風貌は地球人と同じだが、猿のような茶色く短い毛の生えた長い尾がある[注 6]満月を見ることで大猿に変化する。たとえ尻尾が切れてしまっても、一定期間を置けば基本的には自然に再生する[注 7]。尾を強く握られると力が抜けてしまうという弱点があるが、鍛えることで克服することができる。再生可能であるため、弱点と成り得る尻尾はその気になれば自分で切断できる。ベジータの切れた尻尾はメディカルマシーンでは再生できなかった。自身の意思で動かすことができ、それで物を持ったり体を支えることができる他、悟空やラディッツのように叩いて攻撃に使うことも可能。ベルトのように腰に巻きつけた状態でいる者も多い。尻尾の生えてこなかった子供は高い資質を持っている[16]。尻尾の弱点については『ドラゴンボール大全集』において、サイヤ人同士の闘いになった場合、種としては、いかに怪我をせず優越を決めるかが重要であるがゆえの、多くの動物が本能として持っている儀式的闘争のためと考えられると解説されている[17]

純粋なサイヤ人は全て黒髪。ベジータは「純粋なサイヤ人は頭髪が生後から不気味に変化したりはしない」と証言している。悟空やベジータが短髪なのに対し、ラディッツのように腰より下まで伸びる長髪を持つ長髪タイプのものもいる[注 8]。悟空はムラサキ曹長や桃白白の刀によって髪が一部切れたことがあるが、その後元に戻っている。サイヤ人の髪事情も地球人と同じく禿げることがあり、髪型が変わらないというわけではなく髪質が少し違うだけである[2]。また、男は髭も生え、ナッパやベジータ王やパラガスやパンブーキンのように髭を蓄えている者もいる。アニメ『超』でも新たに作られた精神と時の部屋で、約3年の修業を終えて出てきた直後の悟空とベジータは髭が大量に伸びきっていた[18]。また『ドラゴンボールGT』でも当初ベジータが口髭を生やしていた。

鳥山明が考えていた原作では描かれていない裏設定では、サイヤ人は顔の種類が少ないというものがあり、それを聞いたアニメスタッフにより悟空と同じ顔のバーダックやターレスが作られ、劇場版第6作目『ドラゴンボールZ 地球まるごと超決戦』では階級ごとに別々の育てられ方をするため、同じ階級の者は同じ顔になるという設定が登場している[19][20]

Vジャンプ』連載の漫画版では、尻尾が無いことを聞かれた第6宇宙のサイヤ人であるキャベが「昔はあったようですが今のわたしたちに尻尾はありません」と説明している[21]
身体の特質と能力

サイヤ人は地球のおよそ10倍近い重力を持つ惑星ベジータで生まれ育ち、屈強な体を持つ。また、非常に大食漢で地球人の数十倍もの量を食べる。アニメオリジナルキャラクターであるベジータの弟ターブルは非戦闘体質であり、アニメ『オッス!帰ってきた孫悟空と仲間たち!!』において、ターブルの妻であるグレが悟空やベジータ、孫悟飯の食べっぷりを見て非常に驚いていた。

身体の回復力が高く、銀河系の種族の平均を上回る回復力を有す[注 9]。修行などによる戦闘力上昇のほか、瀕死状態から回復することにより戦闘力が大幅に上昇する[注 10]。そのため悟空や、アニメ版のバーダック[22]のように、下級戦士でも最前線で激しい戦闘や修行を繰り返し、生存した場合にエリート戦士の戦闘力に匹敵、或いは超える場合がある。この「戦えば戦うほど強さを増していく」という特性と優れた戦闘センスこそ前述の凶暴で好戦的な性格と併せてサイヤ人が戦闘民族たりえる所以であり、サイヤ人の平均戦闘レベルを上回っているはずのフリーザ一味の戦士の中にも、そのサイヤ人の特性を把握していて自分より戦闘力が下のサイヤ人を心の底で恐れている者がいるという描写が劇中で何度かあった[注 11]。魔人ブウとの戦いで瀕死になった孫悟飯がデンデの力によって回復した際も、漫画版『ドラゴンボール超』では、超サイヤ人ブルーのベジータが瀕死から回復してもパワーアップすることはなく、これについてトランクスは「極限まで鍛えられているため瀕死からの復活でのパワーアップはおそらくもうできない」と推測している[23]。一方でトレーニングを怠ると力は衰えることがあり、作中では悟飯がセルを倒した後や魔人ブウとの後の長期間の空白期間にトレーニングを怠っていたため以前より力が衰えている場面がある。DSのゲームではベジータもそうなる話が作られたことがある。

寿命に関して鳥山明は、戦闘民族であるために最も闘いに適した年齢に達すると老化が鈍り、長く強いパワーが保てるが、寿命は地球人と同程度であり、ある程度の年齢になると急速に衰えがくる[2]と答えたり、寿命そのものは地球人よりも長いが、戦闘民族であるサイヤ人の宿命ゆえ、寿命を迎える前に戦闘で命を落とす者がほとんどであり、平均寿命はそれほどでもないと答えたりしているが[11]、戦闘に向いた若い時代が長いことは共通している。またアニメ『超』の作中の会話で、80歳頃までは若者のままであることが判明した。原作でも悟空、ベジータは青年期と最終話までの間で外見がほとんど変わっておらず、サイヤ人たちの外見が変わらないその若さに、ブルマがひがむシーンが度々ある。『銀河パトロールジャコ』ではジャコが「子供時代が長く、青年になるまで幼児体形のままで相手を油断させる。その後、一気に戦闘に向いた体形に成長し、以後ほとんど老化しない」と説明している[3]。青年になるまで子供姿の期間が長いという特徴は、少年時代の孫悟空や『超』の頃の孫悟天やトランクスなどに、この特徴が顕著に表れている。

ナメック星でフリーザは悟空に「オレは宇宙空間でも生きられるぞ、だが貴様らサイヤ人はどうかな?」と発言しており、界王は悟空のことを「宇宙空間だ。生き返った瞬間にまた死が待っている」と発言しており、漫画版『超』ではベジータが悟空に「ここから先は宇宙空間だ。俺たちサイヤ人が行ったら死んでしまうぞ」と発言しているが、『ドラゴンボールZ 神と神』において、悟空が成層圏まで飛び出して戦ったことに対して鳥山明は「宇宙人なのでギリギリ息はできるのかな?」と語っている[24]。実際、ある程度の時間であればサイヤ人が宇宙空間で活動している例があり、子供の頃の悟空が月までウサギ団を連れて行ったり、アニメ版ではベジータとナッパが宇宙空間から星を攻撃したり、バーダックが宇宙空間で戦闘を行っていた[注 12]。このほかベジータは悟空との初対決の際、地球を破壊しようとしていた[注 13]


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