情報技術
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現在のコンピュータに使われている電子データストレージは、第二次世界大戦中にレーダー信号の混乱を除去するために開発された遅延線メモリーにさかのぼり、その最初の実用的な用途が水銀遅延線だった[15]。最初のランダムアクセス方式のデジタル記憶装置は、標準的な陰極線管をベースにしたウィリアムズ管であった[16]。しかし、これらの装置や遅延線メモリーに保存された情報は揮発性であり、継続的にリフレッシュしなければならないため、電源を切ると失われてしまった。不揮発性のコンピュータストレージの最初の形式は、1932年に発明され[17]、世界初の市販汎用電子計算機であるFerranti Mark 1で採用された磁気ドラムであった[18]

1956年、IBM社は、305 RAMACコンピュータシステムの構成部分として、最初のハードディスクドライブを発表した[19]:6。今日、ほとんどのデジタルデータは、ハードディスクに磁気的に、またはCD-ROMなどのメディアに光学的に保存されている[20]:4?5。2002年まではほとんどの情報がアナログデバイス(英語版)に保存されていたが、この年にデジタルストレージの容量が初めてアナログを超えた。2007年の時点で、世界中に保存されているデータのほぼ約94%がデジタルで保存されていた[21]。52%がハードディスク、28%が光学デバイス、11%がデジタル磁気テープである。1986年には3エクサバイト (1018 B; ギガバイト<GB>の10億倍) 以下だった世界的な電子機器の記憶容量は、2007年には295エクサバイトに増加し[22]、約3年ごとに倍増していると推定されている[23]
データベース詳細は「データベース」および「en:Database」を参照

データベース管理システム (DMS) は、大量のデータを正確かつ迅速に保存および検索するという問題に対処するため、1960年代に登場した。初期のそのようなシステムとしては、IBMのInformation Management System(IMS)があり[24]、50年以上経った今でも広く展開されている[25]。IMSはデータを階層的に格納するが[24]、1970年代にテッド・コッドは、集合論述語論理をベースに、テーブル・行・列という使い慣れた概念を用いた新しいリレーショナル・ストレージ・モデルを提案した。1981年に、市販用として初のリレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) はオラクル社から発表された[26]

すべてのDMSは、複数の構成要素から作られており、格納されているデータの整合性を維持しながら、多くの利用者が同時にアクセスできるようになっている[27]。そしてすべてのデータベースでは、格納されているデータの構造(データベース・スキーマ)が、データそのものとは別に定義され、格納されている点で共通している[24]

近年、拡張可能なマーク付け言語 (extensible markup language; XML) が、データ表現の一般的なフォーマットになった。XMLデータは通常のファイルシステムに保存することもできるが、「長年の理論的および実践的な努力によって検証された堅牢な実装」を利用するために通常、リレーショナルデータベースに保持される[28]文書記述言語 (Standard Generalized Markup Language; SGML) を発展させたXMLのテキストベースの構造は、機械にも人にも読めるという利点がある[29]
データ検索

リレーショナルデータベースモデルでは、関係代数(リレーショナル代数)に基づいて、プログラミング言語に依存しない構造化照会言語 (Structured Query Language; SQL) が導入された。

「データ(英語版)」と「情報 (information)」という言葉は同義ではない。保存されているものはすべて「データ」であるが、それが整理されて意味のある形で提示された場合にのみ「情報」となる[30]:1?9。世界中のデジタルデータのほとんどは構造化されておらず、単一の組織の中でもさまざまな異なる物理的形式で保存されている[31][注釈 2]。データウェアハウスは、これらの異種の情報源を統合するために、1980年代に発展した。データウェアハウスは一般的に、インターネットなどの外部情報源を含むさまざまな情報源から抽出したデータが含まれており、意思決定支援システム (DSS) での使用を容易にするように編成されている[32]:4?6。
データ伝送バージニア州アレキサンドリアにあるIBMカード保管倉庫(1959年)。これは連邦政府がパンチカードを保管していた場所である。

データ伝送には、送信、伝播、受信の3つの側面がある[33]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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