悪魔
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また、神が悪魔を許容するのは、悪魔が宇宙の推圧遮断機であって、神々の清掃人だからであり、破壊的な力が魔神ではなく神として分類されている理由は、それが宇宙の法則による反作用であり、無秩序で乱れた力ではないからだ、と説明している[29]
悪魔の姿形「キリスト教悪魔学における性」も参照

悪魔の姿を見た、という伝承は古来から様々な形で残るものの、信頼に足る記録などは現在のところ存在しない。

悪魔の観念が固定しつつあった11世紀ごろの芝居に登場する悪魔は黒い服を着たグロテスクな異形であり[12]、今日でもロマネスク様式ゴシック様式の建造物のレリーフにそういったデーモンを見ることができる。

よくある類型的な悪魔像は、ある程度「人間に似た形」をし、肌が紺色、あるいは黒や赤色で、目は赤く、とがった耳を持ち、とがった歯を有する裂けた口を持ち、頭部にはヤギのような角を生やし、とがった爪の付いたコウモリのようなに、矢印のように鋭く尖った尻尾を持つ、といったもの。また、かかとがないことも重要な特徴とされる。絵に描かれた悪魔は、これらの特徴のほぼすべてを備えているものもあれば、一部のみを有するものもある(バフォメット(山羊頭の悪魔)の項目を参照)。

高等な悪魔は外見が男性的であったり、女性的であっても実際は両性具有であるという説もある。中世には、女性に近づく悪魔は上品な身なりの伊達男や兵士、騎士の姿をしていると言われていた[12]

ペルシア神話や初期ゾロアスター教の悪魔アンラ・マンユはトカゲ・ヘビ・人間の若者と姿形を変化させることができるとされたが、後期の文献では、実体を持った物質世界は神の創造した善の領域であり、悪魔は実体を持たず人間や動物の中に住むと説明している[30]
比喩・強調としての「悪魔」

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出典検索?: "悪魔" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2012年1月)

悪魔という言葉は、残忍・非道でずる賢い人間の喩えとしても用いられる。

議論の方法として、あえて個々人の賛否について反対の立場から議題を眺め、批判や矛盾点を明らかにするという方法がある。このときの役割を担う人を悪魔の代弁者と呼ぶ。

「小悪魔」という表現は、見せかけの可愛らしさと性的魅力とで男性を誘惑する女性を指すことがある。「悪魔のささやき」は常に甘美である。神に従うのは潔癖さや信仰への忠誠が求められるなど厳しい道であるが、悪魔に従うのは堕落であり、むしろこちらの方が魅力的な場合が多い。
音楽

楽器の速弾きによる超絶技巧は往々にして悪魔に結びつけられる。神業でもあるのだが、音楽においては神のそれはゆったりしたものとの定見がある。遅いテンポで美しい旋律が流れる音楽は「天国的」といわれる。

また、モーツァルトの音楽は悪魔が書かせたもの、との言葉がある。音楽美において、アポロン的美とディオニューソス的美を対立させる考えがあり、モーツァルトのそれは後者の代表とされるが、ギリシャ神話多神教で悪魔の性質も神々が抱えており、中でも酒の神であるディオニューソスは集団的狂乱を呼び起こしたりと悪魔的な側面が強い。哲学者のニーチェはこのディオニーソス的な狂乱を美徳とし、ディオニーソス賛美の著書を記した。
科学の世界の悪魔

デカルトが「我思う、故に我在り」を導くために悪魔を仮定したことで知られる。

ゲーテの『ファウスト』で描かれるところのメフィストフェレスは「理性は持っているが悟性は持たない」ことになっている。

科学の分野でも悪魔の存在を仮定する例がある。「ラプラスの悪魔」や「マクスウェルの悪魔」が有名で、いずれもパラドックスに関わっている。

近年でも、化学兵器核兵器など大量破壊兵器に関わる学者は「悪魔の科学者」といわれることがある。創作の中でのマッドサイエンティストはその例である。
シンボル・マスコット・名称としての「悪魔」BSDデーモン

BSDデーモン - FreeBSDに代表されるBSDオペレーティングシステムのマスコット。

デーモン (ソフトウェア) - Unix系オペレーティングシステム (OS) で、主にバックグラウンドで動作するプロセス

悪魔を自称している人物

デーモン閣下---人間の体を借りた悪魔と自称

脚注[脚注の使い方]


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