悪人_(小説)
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祐一と逃亡生活を送っていた光代はある日数km先の街まで歩いて買い出しに行くが警官に保護され、その後すきを見て逃走を図る。派出所を抜け出した光代は必死に走って祐一のいる灯台の小屋まで戻るが、密かに警察車両が彼女の跡を追っていた。灯台にパトカーのサイレンが近づく中祐一は、自分のわがままで自首を阻止したことを泣きながら謝る光代の上にまたがり彼女の首に両手をかける。
キャスト(映画)
清水祐一
演 -
妻夫木聡金髪の解体作業員。長崎県の海からほど近い田舎街に住んでいる。暗い性格で話下手で、佳乃から「話が面白くなく一緒にいてもあまり楽しくないが、車の運転とセックスだけは上手い」と評されている。自宅では自分のことは後回しで祖父母の日々の頼まれごとを淡々とこなしているが、子供の頃に両親がいなくなったことに闇を抱えている。子供の頃に初めて見た灯台という物を印象的に感じている。唯一の趣味は車を運転することでリアウイングのついた白い車に乗り、スピード狂でドリフト走行をしている。出会い系で知り合った佳乃と福岡で会った直後事件を起こし、その後出会った光代と逃亡する。
馬込光代(まごめ)
演 - 深津絵里紳士服店の販売員。佐賀県在住。真面目で大人しい性格なため、恋愛に憧れているがこれまで異性と付き合ったことはほとんどない。本気の出会いを求めて10月頃に出会い系を利用して、祐一とメールだけのやり取りを数回した。本人は、生きることに不器用なタイプの人間なことや、人生の生活圏内が狭い[注 1]ことについて「祐一と似たような所がある」と評している。自転車で通勤している。祐一と同じく灯台が好き。祐一と関係を持ち、彼から事件のことを打ち明けられた後2人で逃亡する。
石橋佳乃
演 - 満島ひかり増尾に好意を寄せる、恋人気取りな女性。博多で保険外交員として働き、寮で一人暮らししている。祐一とは秋頃に出会った直後に男女の関係を持ち、金を要求する。性格に裏表があり、話す相手によって見せる顔や態度がかなり変わる。加藤ミリヤの「Aitai」という曲がお気に入り。金をもらう条件で祐一と会う約束をしていたが、その後死体となって発見される。
増尾圭吾
演 - 岡田将生福岡の大学生。実家は由布院で老舗旅館を経営。裕福で自由気ままだが基本的に性格が悪く、親しい人以外には悪口を言ったり露骨に嫌な態度を見せたり、時には手荒い行動を取ることもある。軽い気持ちで佳乃をナンパして一晩の遊びで関係を持ったが、それ以降親しげにメールを送ってくる彼女を疎ましく思っている。愛車は赤い車。
石橋佳男
演 - 柄本明佳乃の父。久留米市に住んでいる。親として一人娘の佳乃のことをいつも気にかけているが、娘があまり実家に帰ってこないことを寂しく思っている。刑事から事件の経緯を聞いた後哀しみと怒りの感情を携えて、佳乃の遺体発見現場である三瀬峠、娘を峠で強引に降ろした増尾に会いに久留米から訪れる。
祐一の親族など
清水房枝
演 -
樹木希林祐一の祖母。長崎の田舎町の魚市場で働いている。家族を棄てた依子を良く思っておらず、祐一の母親代わりに小さい頃から育ててきたため「祐一は私の息子」と認識している。矢島の会社で働き始めて間もない頃の祐一に買ってもらった、オレンジ色のスカーフを大事にしている。平凡な日常を送っていたが悪徳業者に騙されたり、事件後からは自宅前に群がるマスコミから容疑者の家族としてマイクを向けられ始める。
清水勝治
演 - 井川比佐志祐一の祖父。祐一、房枝と3人で暮らしている。多くの時間を寝たきりで過ごしているが、人に肩を貸してもらった状態なら何とか立って歩ける。病院を退院後自宅療養中だったが、冒頭で再び入院することになる。日常的に文句が多く房枝たちの手を焼かせる。
清水依子(よりこ)
演 - 余貴美子勝治・房枝の次女で祐一の母。祐一を棄てた後、洋菓子店経営している。祐一が小学校入学前後に家を出た模様。祐一が指名手配された後、久しぶりに実家に顔を出し房枝に、自身の職場にも警察が来たことを話す。
矢島憲夫
演 - 光石研祐一の大叔父。祐一が勤める解体業を経営。面倒見が良い性格で、清水家を気にかけており時々自宅に寄って様子を見たり会話をしている。自分の生活を犠牲にして祖父や近所の高齢者の病院の送り迎えをする祐一を不憫に思っている。
佳乃のその他主な関係者
石橋里子
演 -
宮崎美子佳乃の母。石橋の妻。佳乃の実家で夫婦で理容店を経営している。朗らかな性格で佳乃から好きな相手ができたとの報告を受けて喜ぶ。しかし突然娘を亡くし激しいショックを受けると同時に、夫婦間で意見の衝突が起き佳男との関係が揺らぐ。
安達眞子
演 - 中村絢香保険外交員。佳乃の同僚。博多在住。事件当日夜に佳乃、沙里の3人で飲食店で食事しながら会話をする。佳乃とは仲が良く出会い系で祐一と出会った話をいくらかは聞いている。その直後佳乃の恋愛事情を聞いて引いてしまう。
谷元沙里
演 - 韓英恵保険外交員。佳乃の同僚。博多在住。佳乃とは表向きは親しくしているがお互いあまり快く思っておらず、彼女の増尾との交際話を嘘と疑い会話の中でさりげなく挑発する。佳乃からは内心「欲求不満の典型」と見下されている。
その他の主な人たち
佐野刑事
演 -
塩見三省福岡県警刑事。作中の佳乃が殺された事件(福岡出会い系殺人)の捜査を担当。峠下で佳乃の遺体を引き上げた後、殺人容疑で増尾の行方を探す。その後出会い系の利用者として佳乃と会う約束をしていた祐一を真犯人と疑い、彼を追い始める。
久保刑事
演 - 池内万作福岡県警の刑事。佐野の部下。いつも佐野とコンビを組んで行動し、名古屋市に潜んでいた増尾を確保し任意同行で取調べしたことなど、捜査状況を石橋夫妻に報告する。
鶴田公紀
演 - 永山絢斗増尾の親友。増尾から、以前ナンパした佳乃との最近のやり取りについて話を聞く。後日殺人の容疑が晴れて警察の取調べから解放された増尾を囲んで他の友人たちと食事会を開く。食事会では佳乃を笑い者にする増尾にただ一人不快感を示し、石橋と出会ったことで自身の心境に変化が起きる。
馬込珠代
演 - 山田キヌヲ光代の双子の妹でアパートで二人暮らししている。仕事は、商工会議所事務員。彼氏持ちで、恋人がいない光代を少々見下していたり、姉の都合を聞かず勝手に物事を決めるなど自己中心的な所がある。祐一が指名手配された後、“光代は彼に連れ回されている”として姉の身の上を心配していたが、光代が祐一への好意を明らかにすると一転して罵倒し彼女を失望させる。
堤下
演 - 松尾スズキ高齢者などを相手に健康食品を売る販売員。話術に長けており笑いを交えながら商品をピーアールする。実は悪徳商法の販売員で商品の効能を信じた房枝を騙す。普段は、長崎県の街なかの裏通りに小さな事務所を構え2人ほどの強面の男たちと共に、解約を申し出る高齢者を脅して金をむしり取る。
その他
理髪店の客
演 -
河原さぶ石橋の顔なじみの客。石橋に散髪されながら、東京で暮らす大学生の娘が遊び呆けてたまにしか連絡してこないことを愚痴る。
紳士服販売員
演 - 広岡由里子光代の同僚。ある時来店した祐一に場違いな感じを受け、彼と光代の会話が気になり離れた場所から恐る恐る様子をうかがう。
紳士服店の客
演 - 二階堂智光代が働く店にスーツを買いに来る。スーツを試着しながら光代と雑談を交わす。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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