恐竜
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恐竜という分類群はそのもっとも際立った特徴をして「直立歩行に適した骨格をもった爬虫類」と呼ぶことができ、ほぼすべて地上棲である[9]。翼竜は恐竜や鳥類ワニと同じく主竜類に属し、恐竜とは「姉妹群」の関係にあたる。

古典的分類によれば、恐竜は爬虫綱 - 双弓亜綱 - 主竜形下綱に属し、分類階級上目とされてきた。なお、系統樹に基づく分岐学的観点から単に「恐竜」と呼んだ場合、学術的には「鳥類」を含める(後述)。このため、上記の分類群(恐竜から鳥類を除いたグループ)を指す上では、より厳密な「非鳥類型恐竜(non-avian dinosaur)」の使用が、学術論文を中心に見られる[10][11]。ただし一般に「恐竜」と言えば鳥類を除いたものを指すケースが多く、依然分類群としても簡便で有用である[11]。よって本項では特に言及のない限り、「恐竜」と言えば「非鳥類型恐竜」を指すものとする。
分岐学的定義

分岐学の観点から、「現生鳥類とトリケラトプス(Triceratops)を含むグループの最も近い共通祖先より分岐したすべての子孫」が定義として頻繁に用いられる[12][10]

この意味は実際にクラドグラムを見ると分かりやすい。

以下は、Nesbitt (2011)に基づく主竜類のクラドグラムの例:.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}

主竜類 

ワニ類

鳥頸類 

翼竜類(プテラノドンなど)

 恐竜形類(Dinosauromorpha) 

ラゲルペトン科(Lagerpetidae)

 恐竜型類(Dinosauriformes) 

マラスクス(Marasuchus)

シレサウルス科Silesauridae

 恐竜 

鳥盤類イグアノドントリケラトプスステゴサウルスなど)

 竜盤類 

獣脚類メガロサウルスティラノサウルス、鳥など)

竜脚形類ブラキオサウルスサルタサウルスなど)















現生のイエスズメ(Passer domesticus)。獣脚類の系統に含まれる。

上の系統図で、現生鳥類は竜盤類の獣脚類に含まれ、トリケラトプスは鳥盤類の一属である。要するに、前述の定義の意図するところは概して「竜盤類鳥盤類、それぞれの動物の共通祖先から分岐したすべてのもの」[11]であり、「現生鳥類」「トリケラトプス」は、それぞれ竜盤類、鳥盤類における代表例として任意に挙げられたにすぎない[注 2]

よって同様のグループを、例えば「恐竜 (dinosauria)」の命名のきっかけとなった2属を挙げ、「メガロサウルス(Megalosaurus)とイグアノドン(Iguanodon)を含むグループの、最も近い共通祖先より分岐したすべての子孫」[13]と表すこともできる。

また、より厳密に3つの系統を用いて「トリケラトプス (Triceratops horridus)、サルタサウルス(Saltasaurus loricatus)、イエスズメ(Passer domesticus)の、最も近い共通祖先より分岐したすべての子孫」(つまり、恐竜=鳥盤類+獣脚類+竜脚形類)[14]とする意見もある。

これらの定義では必然的に、獣脚類の一群である鳥類を恐竜(より詳細には、竜盤類の中の獣脚類、コエルロサウリアに属すマニラプトラに含まれる)に含めることになる。このため、鳥を除いた恐竜を表すために、「非鳥類型恐竜 (non-avian dinosaur)」の用語が使用される。また特に、鳥を除いた獣脚類を表す語として、「非鳥類型獣脚類 (non-avian theropod)」も頻繁に用いられる。

なお、恐竜類の中のクレードについては上記のクラドグラムと異なりオルニトスケリダやフィトディノサウルス類(英語版)を設ける説もある[15]。詳細は「鳥肢類」を参照詳細は「フィトディノサウルス類(英語版)」を参照

以下は、オルニトスケリダのクラドグラムの例。

恐竜形類

マラスクス

unnamed

シレサウルス類

恐竜類

竜盤類

ヘレラサウルス科

竜脚形類



オルニトスケリダ

鳥盤類

獣脚類









以下は、フィトディノサウルス類のクラドグラムの例。

恐竜類

獣脚類

†フィトディノサウルス類

竜脚形類

†セグノサウルス類

鳥盤類








特徴

中生代三畳紀に現れ、中生代を通じて繁栄した。多様な形態と習性のものに適応放散し、陸上動物としては非常に大きくなったものもあったが、約6,600万年前の白亜紀新生代との境に多くが絶滅した。なお、アラモサウルスなどの一部の属については、この後もしばらく生き延びていた可能性を主張する研究者もいる[16]。以前より鳥類は恐竜(の一部)から進化したものだという見方があった[17]が、獣脚類の一部は現在も鳥類として繁栄しているとする説が主流となっている[18]
特徴的な派生形質陸上四足動物の後ろ足の付き方(概略図)。左:トカゲやワニなど一般的な現生の爬虫類。中央:恐竜、哺乳類


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