恐怖に対する反応は大脳辺縁系の扁桃体と、脳の機能の中では比較的古い部分である小脳扁桃の活動にリンクしており、扁桃体より発せられた警告が中枢神経・自律神経にさまざまな生理的応答を促す[8]。扁桃体に異常をきたしたウルバッハ・ビーテ病の患者は恐怖を感じることがないという[10]。
人間は恐怖によって怯えた状態になり、他者の望むことに一方的に従ってしまうことがある。その一方、人間は同様に暴力的にもなり、命を懸けて戦うこともある。 ジョン・B・ワトソンやパウル・エクマン
心理学的説明・研究
心理学において、恐怖の対象を覚えさせることが、「恐怖条件付け (en:fear conditioning) 」として研究されている。その最初のものはワトソンが1920年に行ったリトルアルバート実験 (en:Little Albert experiment)で、この研究では、生後11か月の幼児が実験室の白鼠に対し恐怖を感じるように条件付けることに成功した。
研究により、特定の対象(例:動物、高さ)が他の対象(例:花、雲)に比べより恐怖を引き起こしやすいことが発見されている。また、被験者にこれらの対象に対し恐怖を植付けることもより容易である。 扁桃体に起因する、恐怖条件付け 認知行動療法は、人々の恐れを克服することを助けることに成功してきた。記憶を忘れる、削除することは容易ではないため、人々を繰り返し彼らの恐怖に直面させるアプローチは積極的であり、より成功率が高い。安全な方法により、本人の恐れに立ち向かうことによって、人は恐れを引き起こす記憶や刺激を抑え込むことができる[12]。 曝露療法は、特定の恐怖症を持つ人々の90%において、時間の経過とともに彼らの恐怖を著しく減少させることができたと知られている[13][12]。 もう一つの心理療法は体系的脱感作であり、これは恐怖を完全に取り除く、あるいはその恐怖に対する嫌悪感のある反応を起こし、それを置き換えることを目的とする行動療法のひとつである。条件付け 宗教の中で安らぎを見つけることは、自分の恐れに対処するための別の方法である。たとえば死後に起こることや死後の世界など、あなたの恐れに関する質問に答えるための何かを持っていると、それはあなたの死への恐れの助けとなる。答えを持っていることは、不確実性の余地を減らすのである。宗教は自分の恐れを無視するのではなく、理解し感じる方法を提供するのである[14]。 ジョゼフ・ルドゥーの研究によると、扁桃体は恐怖や脅威、危険といった記憶を意識下に格納する部位でもあり、戦うか逃げるか反応などの条件性恐怖を司る。ほとんどの脊椎動物には小脳があることから、それらの動物の小脳扁桃は全て同様の働きをしていると考えられる[8]。
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その他の治療法
動物恐怖状態にあるネコ