そんなある日、500 km先の油田で火災が起きた。石油会社は爆風を利用して火を消し止めるため、現場までニトログリセリンをトラックで運ぶことに決めた。安全装置のないトラックでニトロを運ぶのは命がけである。そこで街の食い詰め者に2,000ドルの報酬で運ばせることにした。
選ばれたのは、マリオ、ジョー、ルイージ(フォルコ・ルリ)、ビンバ(ペーター・ファン・アイク)の4人で、彼らは2台のトラックに分かれ、500 km先の目的地に向かう。
道中は、洗濯板のような悪路(Washboarding)、転回困難な狭路、落石など、いろいろな障害が待ち受ける。マリオと組んだジョーは怖じ気づいてしまい、運転はマリオ任せにして、何かあるとすぐに逃げ出す。「何もしないで2,000ドルか」となじるマリオに対して、ジョーは「この2,000ドルは運転の報酬だけではない、恐怖に対する報酬でもあるのだ」と答える。
さまざまな障害を何とか乗り越え、4人は目的地まで比較的安全な道だけを残すに至る。しかし、安心したのも束の間、前方を走っていたルイージとビンバのトラックがふとした油断で爆発し、遺体を含めて跡形もなくなる。その爆発の影響で原油管が破損し、道の窪みに大量の原油がたまる。マリオとジョーのトラックはそこを一気に走り抜けようとするが、その際に障害物をどかすためにトラックの前にいたジョーが轢かれ、片足に大怪我を負い、結局、目的地に到着する直前で死ぬ。
何とか任務を完了したマリオはジョーの分を含めて4,000ドルの小切手を受け取り、嬉々として帰路につく。しかし、浮かれ過ぎたマリオは運転を誤り、トラックは崖下に転落してマリオは死ぬ。 1953年4月15日、第6回カンヌ国際映画祭で上映された。同年4月22日、フランスで公開された。同年4月29日、カンヌ国際映画祭は閉幕し、グランプリと男優賞(シャルル・ヴァネル)を受賞した。 同年10月18日から28日にかけて第1回「フランス映画祭」がユニフランス・フィルムの主催により、東京都の第一生命ホールと新丸ビル・ホール、大阪市の大阪ガスホールと朝日会館、京都市の公楽会館で開催された。『夜ごとの美女』『浮気なカロリーヌ』『嘆きのテレーズ』『裁きは終りぬ』『恐怖の報酬』『失われた想い出』『陽気なドン・カミロ』『肉体の悪魔』『輪舞』の計9本の長編と、短編2本が上映された。本作品は10月22日に上映された。アンドレ・カイヤット、ジェラール・フィリップ、シモーヌ・シモンが映画祭に参加するため来日した[2]。そして1954年7月25日、日本で一般公開された。 前半部にアメリカに対して批判的な描写がある為大幅にカットされ、各国で公開されたときはそれが標準版とされた。 1991年にカットされた部分を一部復元した148分版がリリースされた[4]。2017年にオリジナルネガに基づき4K対応を行ないBlu-ray、DVDでリリースされた[5]。 役名俳優日本語吹き替え
公開
キャスト
NETテレビ版日本テレビ版テレビ東京版
マリオイヴ・モンタン臼井正明広川太一郎田中正彦
M・ジョーシャルル・ヴァネル河村弘二佐野浅夫佐々木梅治
ルイージフォルコ・ルリ神山卓三多々良純天田益男
ビンバペーター・ファン・アイク市村昌治中多和宏
リンダヴェラ・クルーゾー森ひろ子山像かおり
エルナンデスダリオ・モレノ
ビル・オブライエンウィリアム・タッブス(英語版)秋元羊介
NETテレビ版:初回放送日1967年8月6日『日曜洋画劇場』
・その他日本語吹き替え:加藤精三、田の中勇
日本テレビ版:初回放送日1972年7月26日、8月2日『水曜ロードショー』