戦後は、新倉イワオが1968年に日本初の心霊番組を企画制作。後に日本テレビ「お昼のワイドショー」内で放映された『あなたの知らない世界』などによって1970年代の怪談ブームをリードした。新倉はその後も番組企画本など合わせて50冊余りの怪異譚を蒐集した著作を世に送り、大人が怪談を嗜むことを許容する社会環境と後年の素地を築いた。また、1970?1980年代に活躍した中岡俊哉による児童向け怪談、1970年代にブームとなったつのだじろうの『うしろの百太郎』『恐怖新聞』などの恐怖漫画によって子供時代に恐怖・オカルトの洗礼を受けた世代が成長して、現在の怪談需要を支えている。
木原浩勝と中山市朗は、自らが体験者より収集した怪異譚の人名や地名を意図的にぼかすことによって取材ソースを秘匿し、「実話怪談集」というスタイルにまとめ、江戸奉行・根岸鎮衛による随筆「耳袋」になぞらえて『新・耳・袋?あなたの隣の怖い話』(扶桑社、1990年)として出版した。この仕事は長く忘れられていたが、1998年に復活刊行され、2005年までの7年間に刊行され続けた『新耳袋』全十巻(メディアファクトリー)により「怪談」という日本古来のエンターテイメントの復権がなされることとなった。
『新耳袋』の休眠期に当たる1991年?1997年には実話怪談集『「超」怖い話』(勁文社)が安藤薫平、樋口明雄の手によって編まれた。これは1998年の新耳袋復活と勁文社倒産の後も平山夢明、加藤一に引き継がれ、竹書房から刊行されている続刊は、新耳袋と並んで近代実話怪談のひとつの潮流となっている。
落語の他に古典的な怪談の題材を扱う講談師に、かつては7代目一龍斎貞山、近年には一龍斎貞水がいるが、現代の怪談需要にそぐわず、講談形式の演目・演者は減少している[1]。代わりに怪談話者として有名な[4]タレントの稲川淳二による現代の生活様式に合わせた怪談が語られている。また前述の新耳袋の著者である木原・中山は、新宿ロフトプラスワンにおいて定期的な怪談のトークライブを続けており、11年目を迎えた2007年には通算50回を、18年目を迎えた2014年には通算100回を超える。現代的な題材の怪談話者としては、浜村淳、桜金造、つまみ枝豆、みぶ真也、白石加代子などがタレント活動の中で展開している。シンプルな表現形式の講談から、演劇的な美術や演出を用いて怪談をショー・ビジネス化し、ジャンルとして発展させた稲川の功績は大きい。
また伝統的な怪談の会のスタイルとして、百物語が挙げられる。
怪談と都市伝説が混同されていることもあるが、現状では明確な公的な定義は共有されていない。
怪談の例
本所七不思議
皿屋敷(播州皿屋敷、番町皿屋敷など)
四谷怪談(東海道四谷怪談など)
小泉八雲『怪談』所収
ろくろ首
耳無し芳一
雪女
むじな
牡丹燈籠(灯篭)
累ヶ淵
真景累ヶ淵
おいてけ堀
八反坊
鍋島藩の化け猫騒動
学校の怪談:都市伝説に近い面がある。
出典^ a b 関山和夫「怪談咄」『日本大百科全書』小学館。
^ ちくま文庫から刊行されている、東雅夫の怪談文芸アンソロジーを参照
^ 水野葉舟『遠野物語の周辺』(国書刊行会)収録の横山茂雄による解題「怪談への位相」より。
^ 株式会社タレントデータバンク。
関連項目
怪談噺
百物語
幽 - 怪談専門誌
都市伝説
怪談都市伝説
ホラー
ゴースト・ストーリー(英語版) - 英語圏。
典拠管理データベース: 国立図書館
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