高齢化社会を迎え、高齢者の性も注目されている。閉経後は妊娠の心配がなくなるため、女性の性欲はむしろ増加する傾向が認められている。高齢者の性交では勃起障害や膣分泌液の不足などが問題になることが多い。しかし、性交不能の場合でも、抱き合うことやクンニリングスやフェラチオで性的な満足が得ることは可能である。人生の質を高めるためには、これらの問題をタブー視せず、治療や改善の工夫を行おうとする傾向が強まってきている。
年齢が上がるにつれて、セックスレスのカップルは増加する傾向にある。伝統的に日本では夫婦は歳を重ねると性的に積極的であることを恥じる風潮が根強くあり、夫婦ともに「高齢者となってなお頻繁に性交渉があることは恥ずかしい」という感覚があるためである。朝日新聞の調査[28] によると、 セックスの回数が「この1年まったくない - 年数回程度」と回答したカップルは世代毎に、20代で11%、30代で26%、40代で36%、50代で46%という結果であった。
また、日本性科学会の発刊する日本性科学会雑誌Vol.32 Suppl. 2014「2012年・中高年セクシュアリティ調査特集号」での「調査結果と分析」「調査結果の全データ」によれば、2000年調査と2012年調査の比較で、全くセックスをしていない人が2000年調査では4人に1人だったのが、2012年調査では2人に1人以上になり、夫婦間のセックスレス化が著しく進行している反面、配偶者以外の異性との親密な交際は男女ともほぼ3倍に増えていた[29]。
2017年5月18日にはNHKが「クローズアップ現代+」で高齢者の性の問題を取り上げたが、男性では60歳代の76%、70歳代では75%が性的な欲求があることが明らかにされた。また、60歳以上のシニア専門の派遣風俗店が紹介され、妻に性交渉を拒否された70歳代の男性が登場、2ヶ月に一度店を利用している実態が明らかにされた。