男性の割礼はHIVをはじめとした性感染症に予防効果がある事が知られている。また、抗ウイルス薬であるテノホビルのゲルもHIVの感染予防等に効果があるとされる[2]。 クラミジア感染症や淋病の診断を受けた人のパートナーの治療選択肢には、初回検査なしで医薬品を提供することも慣行である[44]。パートナーの検査や治療を放置すると簡単に再感染する[45]。 以下、日本の2016年のガイドラインより説明する。 オーラルセックスの増加により咽喉の淋菌やクラミジアの感染も増えており、咽喉にも有効な治療が第一選択となる[38]。淋菌の薬剤耐性は著しく、薬剤感受性試験も行う[38]。咽喉では淋菌、クラミジアともに2週間以上開けてから治療判定の検査を行う[46]。 淋菌の薬剤耐性は著しく、ペニシリン系は90%、テトラサイクリン系、ニューキロノン系では70-80%、第三世代のセファロスポリン系でも30-50%が耐性を持ち、セイフィキシムでも無効例が報告されるようになり、セフトリアキソンやスペクチノマイシンの注射剤のみが保険適用の上で推奨でき、2016年時点で100%に近い有効性があり、治療後の検査は必須ではない[47]。アジスロマイシンの2グラムは、90%以上の有効率であるが、1グラムでは40%が治療に失敗しており、地域的に耐性を持つ菌も増えており、第一選択肢ではない[41]。例えば、福岡では2010年の1.8%の割合であったアジストロマイシンに耐性を持つ淋菌は2013年には22.6%だと報告されている[48]。咽喉の淋菌では推奨されるのはセフトリアキソンを1グラムの注射剤のみである[46]。セフトリアキソンの耐性菌も日本では世界に先駆けて報告されている[42]。 クラミジアではマクロライド系のアジスロマイシンやニューキノロン系やテトラサイクリン系が用いられる[49]。咽喉のクラミジアでは性器への感染に準じる[46]。非クラミジア性非淋菌性でも同様である[50]。マイコプラズマ・ジェニタリウムは、薬剤耐性があり、テトラサイクリン系よりも、アジスロマイシンやクラリスロマイシンやなどマクロライド系が強い殺菌効果を持つが、それでも2000年前後にはほぼ100%であった有効率は低下してきており、2012年のオーストラリアの報告ではアジスロマイシン1グラムでは69%であり、日本ではそこまで失敗が頻発していないため1グラムか2グラムを第一選択とする[51]。ウレアプラズマでは、アジスロマイシン1グラム、あるいはレボフロキサシン500mgを7日間、あるいはシタフロキサシン200mgを1日2回7日間で100%であったため、これらのマクロライド系やニューキノロン系が推奨される[51]。 トリコモナスではメトロニダゾールによる治療が一般的である[52]。 梅毒ではペニシリンが第一選択である[37]。 国立感染症研究所の調査では、2008年のデータでは性感染症の罹患率は年々減少、もしくは横ばいとなっていた[53]が、2010年以降は梅毒では増加傾向にあり[54]、特に2014年以降急増している[55]。後天性免疫不全症候群(AIDS)は2010年以降増加[56]にあったが、新規報告件数の約80%を占める日本国籍男性は、2013年(1,401件)をピークとし2017年(1,150件)まで4年連続で緩やかな減少が認められ、代わりに外国国籍報告例数は2013年には約150件、 2017年は196件に達し再増加が認められる[57][58]。 フォアダイス、および真珠様陰茎小丘疹は、発生部位や様態からいかにも尖圭コンジローマなどの性感染症のようにみえるが、性感染症ではない。他人に感染させることはなく、治療の必要もない。
治療
疫学
日本
紛らわしい症状
出典[脚注の使い方]^ “性行為感染症(STD) 性行為以外でうつることも
^ a b c d e f g h i j k l m n o p “ ⇒Sexually transmitted infections (STIs) Fact sheet N°110”. who.int (2013年11月). 2014年11月30日閲覧。