日本では、1948年に性病予防法が施行されると、路上の売春婦などを摘発して保健所に同行させ、強制的に性感染症の検診を受けさせる「狩込み」が行われた時期がある。この狩込みについては、1950年10月30日に法制意見局から違憲の疑いがあるとして警告が出されて中止に追い込まれている[35]。 梅毒やHIVでは特徴的な口腔の病変が生じ診断の機会となりうるが、淋菌やクラミジアでは症状がなかったり、特徴のない炎症が生じるため見逃されやすい[36]。梅毒の感染が発覚した場合、HIVの検査も推奨される[37]。 イボでは尖圭コンジローマや伝染性軟属腫。 排尿痛、尿道の痛みや分泌液は、性感染症以外でも起こりうるため鑑別が必要である[38]。 男性の尿道炎の70%は非淋菌性であり、そのうち30-50%がクラミジアを検出するが、そのクラミジア性尿道炎と非クラミジア性非淋菌性尿道炎との症状の差はみられないため、症状による鑑別は困難であり検査により容易となる[40]。初診時にグラム染色で淋菌の診断が得られれば、クラミジアの検査も行う[38]。淋菌感染者の20-30%がクラミジアの感染を合併しており、クラミジアの検査も必須とされる[41]。グラム染色で淋菌が検出できなければ、核酸増殖法(SDA法)を行う[38]。 淋病では、3-7日で発症し強い排尿痛と膿を伴い、クラミジアでは1-3週間で発症し軽い排尿痛で粘液性の分泌物を伴う[38]。非クラミジア性非淋菌性尿道炎では1-5週間である[40]。 淋菌の保菌者の場合、非罹患者との性行為により一回あたり約3割の確率で相手への感染が生じるとされている[42]。 一切の性行為(肛門性交や口腔性交などを含む)を避けることは性感染症を回避する最も信頼のおける方法となる[6]。また、性感染症を防ぐ上では「特定の相手とのみ性行為を行う」「コンドームを使用する」などのセーファーセックスの実行が重要である。これは望まない妊娠を防ぐ上でも重要となる[2][6][43]。 コンドームの使用は効率的に性感染症を予防する事ができる[2][6]。 HPV感染症の一部とB型肝炎はワクチンの接種により予防可能である。さらにHIVとヘルペスウイルスについてもワクチンの開発が進められている[2][6]。 男性の割礼はHIVをはじめとした性感染症に予防効果がある事が知られている。また、抗ウイルス薬であるテノホビルのゲルもHIVの感染予防等に効果があるとされる[2]。 クラミジア感染症や淋病の診断を受けた人のパートナーの治療選択肢には、初回検査なしで医薬品を提供することも慣行である[44]。パートナーの検査や治療を放置すると簡単に再感染する[45]。 以下、日本の2016年のガイドラインより説明する。 オーラルセックスの増加により咽喉の淋菌やクラミジアの感染も増えており、咽喉にも有効な治療が第一選択となる[38]。淋菌の薬剤耐性は著しく、薬剤感受性試験も行う[38]。
診断
鑑別診断
淋菌性尿道炎[38]。
クラミジア性尿道炎 - クラミジアが分離できる[38]。
非クラミジア性非淋菌性尿道炎 - 主にマイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナスなどであり、他の多くの細菌では確実な証拠は不足している[39]。
予防カリフォルニア州サンフランシスコにある性病検査のためのサンフランシスコ・シティ・クリニック。詳細は「セーファーセックス」を参照
カウンセリングと行動科学的アプローチ
コンドーム
ワクチン
その他
治療
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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