怒りの葡萄
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初版は50万部を超えて『風と共に去りぬ』の次に売れたといわれ、社会的反響の大きさは1852年に出版されたハリエット・ビーチャー・ストウの『アンクル・トムの小屋』以来と言われている[8]

保守層からは目の敵にされ、カリフォルニア州では出版から2か月後には反論パンフレット「喜びの葡萄 ―ジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』に対するカリフォルニアの清新溌溂たる回答―」が出版された[7]。一方で記述の正確さを擁護する声も少なくなく、社会学者や聖職者、行政府の役人といった様々な階層の人間が作品内の出来事を事実として証言している[7]。また、映画『怒りの葡萄』の製作に先立ち、ダリル・F・ザナックが私設探偵をオクラホマ州に派遣して調査させたところ、事実は小説以上に酷かったとのエピソードもあった[7]

発表翌年の1940年にはジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ主演により映画化され、ニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞、監督賞、またアカデミー賞監督賞助演女優賞ジェーン・ダーウェル)を受賞している。詳細については『怒りの葡萄 (映画)』を参照。

1995年にはブルース・スプリングスティーンがアルバム「ザ・ゴースト・オブ・トム・ジョード(英語版)」(The Ghost of Tom Joad)を発表している。
「図書館の権利宣言」の誕生

本書は非難も強く、除去する図書館も続出した。こうした事態に対応し、図書館の読者の知的自由を守る決意として図書館の権利宣言(英語版)が生まれ、1948年にアメリカ図書館協会が採択した。[9]
日本語訳

新居格訳 第一書房(上下) 1940

大久保康雄訳 六興出版社(上下) 1951、のち新潮文庫(上中下) 1955、改版(上下) 1967

石一郎訳「世界文学全集決定版 第一期20」河出書房 1955、のち角川文庫(上中下) 1956、改版(上下) 1968

大橋健三郎訳 岩波文庫(上中下) 1961

野崎孝訳「デュエット版世界文学全集66」集英社 1970

谷口陸男訳 講談社文庫(上下) 1972

黒原敏行訳 ハヤカワepi文庫(上下) 2014

伏見威蕃訳 新潮文庫(上下) 2015

脚注[脚注の使い方]^ a b 平凡社『アメリカを知る辞典』p.53
^ 救世主を指す
^ 神に選ばれた人間の比喩
^ 神に選ばれなかった人間の比喩
^ 野崎孝訳『怒りの葡萄』解説p.523
^ 野崎孝訳『怒りの葡萄』解説p.522
^ a b c d e 野崎孝訳『怒りの葡萄』解説p.520
^ 野崎孝訳『怒りの葡萄』解説p.521
^1 図書館の基本理念に関するもの 静岡図書館友の会

関連項目

怒りの葡萄 (映画)

砂漠化

ダストボウル

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