オリジナル版ともいえる1991年単発版(本編約182分)に比較して、本編時間が倍以上確保できるため(当1996年版・本編総計約501分)[10]、各エピソードが膨らませられた他、大石の最初の江戸訪問、また先述の安兵衛の若き日の逸話[11]、勝田新左衛門、小山田庄左衛門[12]、橋本平左衛門、高田郡兵衛それぞれの逸話などが加筆されている。
赤穂浪士に対抗する立場の上杉家江戸家老として、本作では千坂兵部が登場している[13]。赤穂浪士の仇討を警戒した上杉家主導の[14]“吉良邸防衛作戦”は、前作でも描かれていたが、本作では作戦の司令塔は千坂、本作で新たに登場した小林平八郎が千坂の配下として吉良家に派遣され、平八郎が清水一学たちを勧誘して、上野介の警護団を組織する設定となり、平八郎の千坂への忠誠心や、平八郎と一学の交流も描かれて、あくまでも赤穂方のドラマが中心ではありながらも、吉良方のドラマも厚みを増すことになった。以上の加筆部分については、同じ脚本を用いた2003年作品、2004年作品でも基本的にそのまま生かされており、本編時間上からも、この1996年版の脚本が後発2作の基本となっていったと思われる。
脚注[脚注の使い方]^ 同じ脚本を用いた1991年作品『忠臣蔵 風の巻・雲の巻』では脇坂淡路守 を演じていた。
^ 同じ脚本を用いた1991年作品では赤垣源蔵を演じていた。
^ 同じ脚本を用いた1991年作品では、内蔵助たち赤穂浪士に対抗する米沢藩江戸家老・色部又四郎を演じていた。
^ 忠臣蔵関連作など同時代を扱う時代劇作品にも出演歴豊富で『大忠臣蔵』(1971・TV朝日系)以来、『徳川風雲録 御三家の野望』(1986)『大忠臣蔵』(1994・TBS系)と、柳沢出羽守を3回も演じ、当たり役としていた。