忍者
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1970 - 1980年代には格闘技としての忍術も広まり[20]、忍者トレーニングなど、忍術の実践そのものへの熱意といった日本とは異なる現象もみられる[21]

1980年代には米国製ニンジャ映画の大ヒットでアメリカにニンジャブームが巻き起こり、一連の作品に主演したショー・コスギは日本人初の出演料100万ドルハリウッドスターとなった。ほかに、アメコミとして登場し後にアニメ化された『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』や、職業として忍者が登場するゲーム『ウィザードリィ』シリーズなど、様々なジャンルに作品が存在し、日本でも放映や発売されたりもしている。ただし「昼間から黒装束でビルの壁面にへばりつく」「武器としてヌンチャクサイトンファーなど忍者の使用していない武器を使用する」「一撃必殺の貴重な手段である手裏剣を大量に乱れ投げする」「火薬やポンプ等の原理なしに魔法のように火柱や水を手や足元から出し隠れる為ではなく攻撃手段として使う火遁や水遁の術」など間違った忍者像も広まっている。前者においてはハリウッドにおけるニンジャ映画のアドバイザーとして招かれた日本人が間違いを指摘したところ、「それじゃニンジャの姿が見えないじゃないか。君はニンジャというものが全く分かっていない」と真顔で言われたというエピソードも関係者の談話として伝わっている[要出典]。

ハリウッドが描く忍者は反社会的で残酷な殺し屋であり、映画の舞台は現代の欧米で主人公は白人であり、日本の忍者とは異なるものだった[20]。こうした忍者ブームは1987年で終わったが、この欧米産の忍者像が世界に広がり、香港映画、インド映画などでも忍者ブームが生み出された[20][21]。これにより忍者の認知度は上がったが日本との繋がりは薄れた[20]。1990年代以降もハリウッドでは『ブレイド』(1998年)、『Ninja』(2009年)、『ニンジャ・アサシン』(2009年)といった忍者映画が作られているが、それ以前のハリウッド忍者映画の特徴であった白人男性のみをヒーローとしたアクション映画と異なり、黒人や東洋人をもヒーローとして映画に登場させるなどの変化がみられた[22]。しかし、描かれる忍者像はあくまで日本のそれとは異なる空想上のものであり、「忍者ほど世界史においてよく知られ、にもかかわらずひどく誤解されているものはない」ものとなった。2000年代には海外産の忍者映画を観て育った世代によりアフリカでも忍者映画が作られるようになった[21]。それらは、正義のカンフーに対抗する悪の忍者という香港忍者映画の図式を踏襲し、正義のムスリムvs悪の忍者として描かれている[21]
器具・体術忍秘伝の1頁。を壊す方法について記されている。万川集海の1頁。家屋に侵入するための最適な時間などについて記されている。
忍具

忍者が用いる武器・道具である。

手裏剣 - 手投げの刃物。形は棒状のものから十字型、円形のものまである。重くかさ張る為、通常、携帯していた数は1枚から、多くても3?4枚のみだったという。

くない - 両刃の道具。「苦無」あるいは「苦内」とも表記される。崖などを登るほか、武器として投げて使ったり、穴を掘るときにも使われた。

忍刀 - 携帯性や機能性向上のために工夫された刀。特徴は武士の刀より短く、反りがないまっすぐな刀であること。主に刺してつかった。

- 鎌は日本の農具で一般的に入手が容易である刃物であり、農民として行動する際に携帯していても不自然ではない刃物である。

忍び鎌

鎖鎌




撒菱 - 地面にばら撒いて、それを踏んだ追っ手の足を傷つけ、逃げる武器。植物を使用したものは食用が可能だった。

五色米 - 赤・青・黄・黒・紫の5色に染めた米。食用ではなく、仲間との連絡の暗号に用いた。色つきなので野鳥に食われる恐れがない。

忍の六具 - 6つの携帯用具。

編笠 - 顔をやたらに見られないようにする。

三尺手拭 - 名のとおり、普通の手拭とは異なり長辺は1メートル弱ある。殺菌効果がある植物・蘇芳(すおう)で染色されているため、包帯として使用可能

鉤縄

石筆 - 粘土、 蝋石の筆



付竹(つけだけ) - 発火用具。


錣(しころ)- 楕円形のようなのこぎり

龕燈(がんどう)- 現代の懐中電灯に似た形状の携帯用の明かり。内部に蝋燭が入っているが、灯心が常に上を向くようなからくりが施されており、振ろうが上下反転させようが火は消えない。

耆著(きしゃく)- 焼入れし舟形に薄く伸ばして磁化させた鉄片。水に浮かべて方位磁針にする。縫い針。

坪錐(つぼきり)- 二股の錐。土壁や土蔵に丸い穴を開ける。錠前抜きにも使用される。

戸締器(とじめき)- 角張ったS字の金具。障子や襖の間に挟んで、開けられないように細工、逃走や工作の時間稼ぎに使う。

折りたたみ鑿(おりたたみのみ)- 折りたたむ事が可能で携帯性に優れた鑿。

鑿(さく)- 先端が丸くなった、五寸ほどの細い鉄の棒状の道具。開錠に使用される。

万力鎖 - 鎖の両側に分銅をつけた護身用の武器。

鳥の子 - 焔硝(黒煙火薬、もしくは硝酸カリウム)と発煙剤を鳥の子和紙で何重にも包み、卵型に固めた手投げ弾。衝撃を受けると発火発煙する。

打ち釘 - 木製握りの上部から、逆「し」の字に曲がった鉄製の釘が飛び出したもの。両手に持ち、石垣の隙間に釘を引っ掛けて登る。

忍び熊手 - 最先端に鉤爪が付いた、複数(5本程度)の竹の管に紐を通した、形状通りの折畳み熊手。片側の紐を引いてテンションを掛ける事で、竹が繋がって長くなる。

胴火 - 懐炉。銅製の筒に、和紙や植物の繊維を黒焼きにした物を入れておき、火を点ける事で暖を取る。

水松明 - 通常の松明には用いない火薬を使用する事で、水や雨に濡れても消えないように工夫された松明。雨松明とも呼ばれる。

(かすがい) - コの字形をした鉄釘。壁や石垣を登ったり、戸を外して侵入したり反対に戸を閉めて継ぎ目に打ち込んで逃走したり(時間稼ぎ)、丸太をつなげて筏を作るなどしたため、常に携帯していた。

目潰し - 中に唐辛子、灰、薬品等を入れて吹き口から敵の顔面に吹き付けることができるため常に携帯していた。卵の殻に詰めて顔めがけ投げつける手榴弾式の物もあり、こちらは「卵目潰し」と呼ばれた。


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