必殺仕事人2009
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演 - 東山紀之少年隊)南町奉行所の定町廻り同心。表の顔は中村主水と同様に昼行灯で、忙しいことが何より嫌いなマイペース主義者。作中では昼行灯と呼ばれることは殆ど無く、周りからは変わった人物と見られることが多い。市中見廻りと称して芝居見物に興じており、仕事をさぼることにかけては主水も呆れるほど。渡辺家の婿養子で、嫁と姑から豪華な食事や弁当を用意されるなど、主水とは対照に過保護な環境に辟易している。好物は主水とは対照的に質素な物を好むが、第15話で、川兆御用達の「玉露の茶漬け」の味を気に入り、話の終盤で、茶漬けの費用一品が掛かりすぎて、ご飯に梅干のみという質素倹約な食事で、ぼやいていた。今作から登場した仕事人の中では裏の仕事のルールについて厳粛にわきまえており、血気にはしったり情に流されがちな涼次や源太、匳をたびたび戒めている。そのシビアさは仲間内だけにとどまらず、第10話では仕事から降りつつも、涼次の殺しを目撃した頼み人を躊躇せずに斬り捨てた[6]。出会ったばかりの仕立て屋の匳が「小五郎が仕事人」とばらさない為の取引を一蹴した際、主水からは「なぜ二度も見逃した」と問われるが、「無駄な殺生はもうしない」と笑って済ませるも、主水の言葉が重くのしかかり、自分自身も仕事人の掟に従えなかったことを悔やむ場面もある。また、第21話で怒りの余り衆目の前で刀を抜きかけたり、最終話では頼み人が瀕死とはいえ、正体を明かしてしまうなど、情に突き動かされ仕事人としての掟を逸脱しそうになったこともある。お富の正体が指名手配中の女詐欺師であることを早くから見抜いたり、自分に嫌疑が掛けられていた殺人事件の真犯人を独自調査で突き止めたりするなど優秀。しかし普段は「無能な同心」を装っているため、奉行所や幕府内部でも彼の実力を知る者は殆どいない。このあたりは『必殺仕置人』当時の主水の初期設定と共通している。第21話で突如現れた謎の鬼面集団に最初は躊躇するが、最終話で鬼面のニセ仕事人の正体が奉行所の同僚である伝七であったことに驚愕する。伝七の本当の気持ちを知り、やるせないままの現状を振り切って加納一派に命を狙われている大老の松坂を渾身の一刀両断で葬り、さらに暗殺を企てていた加納自身も主水の手によって葬られ、作中最後の大仕事を完遂した。
経師屋の涼次(きょうじやのりょうじ)
演 - 松岡昌宏 (TOKIO)伊賀の抜け忍。掛け軸や襖絵の補修を行う経師屋・絵師を表稼業とする。左利きだが、右手で絵を描いている描写も存在する。小五郎とは衝突が絶えず、匳とも険悪な雰囲気になっているが、仕事の際には連携している。食事に並々ならぬ執念を持っているのは相変わらず。表稼業より裏稼業に力を入れており、裏の儲けを食道楽に注ぎ込んでいる(自宅での自炊が主である。また、自分で捌いたフグ鍋にあたったことがある)。稀に、裏の仕事の際に絵師の仕事を取り入れることがある。ぶっきらぼうな振る舞いをしているが情には脆く、如月のことは口には出さずとも大切に思っている。源太のことも気にかけているようで、新春スペシャルでは裏稼業への迷いを見せる源太に、自分たちが地獄に落ちる身であるとした上で「どうせ地獄に落ちるなら、落ちるべき奴を先に送ってやるまでだ」と自身の矜持を語っている。第10話で伝七に殺し道具を調べられたものの、主水が錐を抜いたため、難を逃れた。昔の恋人のおゆきと再会した折に川兆の女将になることを打ち明けられて喜ぶが、彼女が川兆を乗っ取ろうとしていることを知り、お菊や小五郎の反対を押し切って自らの手でおゆきを葬った。第21話にて突如現れた鬼面集団・ニセ仕事人の登場で仕事の調子を狂わされ刀を奪い奮戦するも、敗退。加納肥後守実守一派に囚われの身となり、最終話では凄惨な拷問を受けて死の寸前まで追い込まれたが、口を割らなかった。乗り込んだ小五郎に助けられ一命を取り留めた彼は、わずかに残された体力を頼りに一派の一人・巳ノ助を仕留めた。仕事を終えて後日、如月と共に江戸から旅立っていった。『2010』では田舎に身をひそめていたが、ひそかに江戸に舞い戻り如月と再会。如月が江戸から出ていくという条件で依頼を受けた。
からくり屋の源太(からくりやのげんた)
演 - 大倉忠義関ジャニ∞[7]からくり仕掛けを作る職人だが、『2007』で殺された恋人・薫の遺した小料理屋「その」を、彼女の息子の作太郎と共に板前として支えている。設定年齢22歳。薫の仇を取るために仕事人になったが、その後も仕事人としての自分に苦悩し続けていた。しかし、その悩みを小五郎に一蹴され、「このまま行けば、お前はいずれ必ずヘマをする。その時は俺がお前を斬るぜ」と断言される。その危惧は現実となり、迷いを抱えたまま仕事に臨んだ源太は殺しに失敗し、蘇生した標的に逆襲され、返り討ちで撲殺した直後、標的の遺体近くから立ち去ろうとする現場を大河原伝七に目撃されるという大失態を犯す。主水と涼次の手助けでその場は切り抜けたものの、小五郎達は源太の仕事人としての限界を感じていた。「行き別れの母」と偽る近江の女狐 お冨への情けに流され、心を許してしまった直後に胸を刺され、致命傷を負う。最期は力を振り絞ってお冨を葬り去り、そのまま息絶えた[4]。遺骸は小五郎たちによって火葬されたが、小五郎の言葉が暗示するかのように、直前に閉じていた眼を見開き、炎の中へ落ちていくという演出がなされた。必殺シリーズでは、過去にも殉職者は多数出ているが、テレビシリーズの中盤において殺しの実行役が殉職したのは『新・必殺からくり人』の噺し家塩八以来となった[8]。最終話のエンディングで、お菊が源太の墓参りに訪れた際の回想として、12話振りの再登場を果たした。
仕立て屋の匳(したてやのれん)
演 - 田中聖 (当時KAT-TUN)源太に代わり、第13話から登場[5]。第12話の時点で、小五郎の追う外道を瞬殺で仕留めていた。表稼業は腕のいい仕立て屋だが、素行が悪く、酒に酔って騒いだり、ゆすりを働いたりして「悪たれの匳」と悪名を轟かせている。しかし心根は優しく義侠心に溢れ、社会的弱者を見過ごすことが出来ない性格。子供好きで近所の子供たちを対象に裁縫教室を開いており、帳外れの集団で知り合った弟分の伊助らに仕立てを覚えさせて自立させようとした。小五郎チームに加わった後もこの傾向は変わらず、ゴミ屋敷にいた行き場の無い名も無き老人たちの世話に積極的に献身し、彼らが悲劇的な最期を迎えた際は怒りと悲しみを隠せなかった。ペットは白い文鳥で並々ならぬ愛情を注いでおり、侵入者の察知にも役立てている。最終決戦を前にして一度は文鳥を空へ放つが、生還後に鳥は再び舞い戻ってきた。コンセプトは「池袋チーマー[9]。元は一匹狼の仕事人だったが、弟分の伊助が口入屋の松蔵一味に殺されたことを知り、帳外れ集団を匿っていたことを隠すための取引を一蹴された小五郎達の力を借りるために自ら頼み人となり、松蔵を葬った後に仕事人の仲間入りをする。そのため、源太を含む仕事人の中では唯一、依頼人となった人物でもある。裏稼業に積極的で、時には独断で人の助太刀に加わろうとしたこともあった。しかし上記の心根から小五郎チームに加わるまで、これまで頼み料を受け取らなかったため、主水から頼み料の意味を「仕事人の道義」として諭されており、それ以降は受け取るようになったが自分の取り分を非常に安く済ませたこともある。「匳」の名は涼次役の松岡昌宏が命名したもの。時代劇には珍しいピアス着用者で、『新・必殺仕置人』時の念仏の鉄を彷彿させる。中盤から加入する殺しの実行役としては、『助け人走る』における島帰りの龍以来となる。
花御殿のお菊(はなごてんのおきく)
演 - 和久井映見仕事人グループの元締。情報収集や、仕事の請け負いなどの事務部門を担当する。表向きは常磐津の師匠を生業にしている。殺しに手を染めることはないが、標的を罠に誘うなどして、他の仕事人をサポートすることはある。酒豪のようで、第2話で行ったように酒の飲み比べで、悪人を酔い潰して、殺しやすくすることも。冷静さと的確な判断力を持つ。過去に主水と組んで、仕事の実行役をしていたことを匂わせる演出がある。ただし、主水は「(殺しをしたことが)あるぜ」と答えた直後に「冗談だよ」とフォローともとれる発言もしており、その真偽を含め詳細は語られなかった。同話で窮地に陥った際には、『江戸プロフェッショナル・必殺商売人』のおせいが使用したような刃物を仕込んだ扇子を使おうとしたが、涼次に止められ、本作で腕を見せることはなかった[10]
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