徳島線
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(68.9)T00 徳島駅


牟岐線

徳島線(とくしません)は、徳島県三好市佃駅から徳島県徳島市佐古駅に至る四国旅客鉄道(JR四国)の鉄道路線地方交通線)である。「よしの川ブルーライン」(よしのがわブルーライン)の愛称を持つ。

日本国有鉄道(国鉄)時代は徳島本線(とくしまほんせん)と称し、終点は徳島駅であった。佐古駅 - 徳島駅間は高徳本線にも属する重複区間であったが、民営化時に徳島本線を佐古駅終点として重複区間は解消された。また民営化後の1988年に徳島線に改称され、前述の愛称が設定された。
概要

吉野川に沿って徳島県の東西を結んでいる。全線にわたって吉野川の南岸を経由するが、駅によっては北岸の地域からの利用もある。

JR四国では国鉄民営化以降、独自の車両である1000形気動車を徳島・高知エリアを中心に導入した。また、2006年5月25日からは1500形気動車を徳島地域に優先して導入するなど、徳島線はローカル線でありながら新型車両が多く走る線区である。
路線データ

管轄(事業種別):四国旅客鉄道(
第一種鉄道事業者

路線距離(営業キロ):67.5km

軌間:1067mm

駅数:24(起終点駅含む)

徳島線所属駅に限定した場合、起点の佃駅(土讃線所属[2])が除外され、23駅となる。終点の佐古駅は徳島線所属[2]であるが、国鉄分割民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画では、佐古駅の所在地は徳島本線(当時)ではなく高徳本線(当時)の方に記載されていた[2]。基本計画の記述に従い佐古駅を高徳線の駅とみなした場合、徳島線所属駅は22駅となる。


複線区間:なし(全線単線

電化区間:なし(全線非電化

閉塞方式

単線自動閉塞式(佃駅 - 辻駅間)

自動閉塞式(特殊)(辻駅 - 佐古駅間)


最高速度:110km/h

指令所:高松指令所

運行形態

歴史的に徳島駅阿波池田駅が徳島線列車の実質的な起終点駅となっており、書類上の起終点駅となっている佐古駅および佃駅を始発・終着とする列車は運転されていない。列車運行上は終点の佐古駅(徳島方面)から起点の佃駅(阿波池田方面)へ向かう列車が下り、逆方向が上りとされている。
優等列車

優等列車としては徳島駅 - 阿波池田駅間に徳島線特急剣山」が運転されている。2014年3月14日までは「剣山」の一部列車と牟岐線の特急「むろと」が徳島駅を介して徳島線・牟岐線間で直通運転していたが、翌15日の改正で徳島駅を越えて運転する特急列車は廃止された。この徳島線・牟岐線直通特急は、運転終了時のダイヤでは、上下列車それぞれ直通先線区の愛称(徳島線から牟岐線へ直通する列車は牟岐線特急名の「むろと」、牟岐線から徳島線に直通する列車は徳島線特急名の「剣山」)で全区間運転され、列車番号のみ徳島駅で徳島線・牟岐線の上下方向に合わせた番号に変更されていた。

「剣山」の運転本数は徳島駅 - 阿波池田駅間を運転する列車が毎日5.5往復(下り6本・上り5本)[3]運転されている。また、かつては通学時間帯に徳島発穴吹止まりの区間運転列車が存在していた。

なお、高度経済成長期には自動車便や本四連絡ルートの主体となりつつあった岡山・高松ルートに対抗して、小松島駅小松島港仮乗降場)・徳島駅 - 高知駅間に準急(後に急行「阿佐」や「よしの川」が運行され、阪神・和歌山 - 小松島・徳島航路とともに本四連絡ルートを形成していたが、1972年の山陽新幹線岡山暫定開業後は京阪神 - 高知県の旅客流動が山陽新幹線・岡山経由にシフトしたこともあり、徳島線と土讃線をまたぐ流動が減少したため、1980年に徳島線優等列車の高知直通は廃止された。1985年の小松島線廃止後しばらくして「よしの川」は全列車徳島 - 阿波池田間運行となり、また一部列車の快速への格下げが行なわれ、1999年に廃止されるまでJR四国最後の定期急行列車として推移していた。1996年に特急「剣山」が新設され、一部高知直通が復活したが、2000年に徳島線 - 土讃線間の直通運転は再び解消され、以後は阿波池田駅で土讃線の特急「南風」と徳島線の特急「剣山」が接続するダイヤ編成を採っている。1998年から1999年までには、徳島 - 阿波池田間に臨時特急「あい」も毎日運転されていた。

かつては前述の通り、急行の格下げによる快速列車が設定されていた時期があり、列車により停車駅は変わっていたが、おおむね戦後に開業(再開)した小駅を通過する程度であり、特急「剣山」新設で廃止された。
地域輸送

普通列車は徳島駅 - 阿波池田駅間の全線直通列車のほか、徳島駅 - 阿波川島駅・穴吹駅間の区間運転列車や、下り始発列車として穴吹発6時台に阿波池田行きの区間運転列車が1本設定されている。牟岐線との直通列車も多く設定されており、最長で穴吹駅 - 阿波海南駅間の普通列車も存在する。2019年3月改正で牟岐線直通列車の運行区間が穴吹駅までから阿波池田駅までに延長された。徳島駅 - 阿波川島駅は概ね毎時2本、阿波川島駅 - 穴吹駅間は概ね毎時1本、穴吹駅 - 阿波池田駅間は1日10.5往復と4時間以上開く時間帯がある。全線においてワンマン運転が実施されている。

列車編成は、いずれも普通車のみで、またホーム長の関係で最長4両編成となっている。
トロッコ列車藍よしのがわトロッコ

2020年10月10日より徳島駅 - 阿波池田駅間でトロッコ列車「藍よしのがわトロッコ」を運転している[4][5]。運転期間は主に春・秋の行楽シーズンの土日祝日に1日1往復で、徳島発下り列車名は「さとめぐみの風」、阿波池田発上り列車名は「かちどきの風」である。車両はキハ185系(キハ185-20)とキクハ32形(キクハ32-501)が使用され、車体には「Ai」の文字を阿波踊りに見立てたシンボルマークと、木綿地のテクスチャーで深い藍色「かちいろ」へと染まっていくグラデーションと3色の流曲線が特徴のラッピングが施されている。ヘッドマークの「藍」の文字は阿南市書家・天羽汕景の作である。

トロッコ車両に乗車可能な区間は、上下とも石井駅 - 阿波池田駅間となっている。全車指定席で、1号車がトロッコ車両、2号車が座席車両となっており、座席番号は共通。下り「さとめぐみの風」では1号車が先頭となり、上り「かちどきの風」では2号車が先頭になる。

途中の停車駅は、石井駅穴吹駅阿波加茂駅(このほか幾つかの駅で運転停車あり)。走行中、景勝地美濃田の淵など景観が良い区間を通過する際には徐行する[6]

上下便とも乗客限定の特製弁当が販売されている。下り「さとめぐみの風」で運航当初より販売されている「阿波尾鶏トロッコ駅弁」は、かつて販売されていた駅弁「阿波尾鶏とりめし」を当列車オリジナルにアレンジをしたものである[5]。徳島県内では徳島駅で2016年8月に販売終了したのを最後に駅弁の取り扱いがなくなっており、「阿波尾鶏トロッコ駅弁」は徳島県内ではそれ以来の駅弁の復活となる[7][8]

上り「かちどきの風」では土讃線の観光列車・四国まんなか千年ものがたりでも料理を担当している和食店が調理した弁当が2021年春の運転より販売されている(2021年は「藍よしのがわうなぎ弁当」、2022年からは「あわ愛ぎゅうぎゅう ローストビーフ弁当」が販売されている。)。

なお、弁当は事前予約制であり、トロッコ列車の指定席券を購入の上、乗車日より土日祝を除く4日前までに製造業者へ直接電話して予約する必要がある(下り便の弁当は貞光駅、上り便は阿波池田駅で積み込み。代金は弁当と引き換え時に支払い)。このほか、車内販売で徳島県産の素材を使った土産品、お菓子、お茶などを販売する[5]

2020年は当初10月・11月のみの運行予定であったが、10月は乗車率が100%近くあり、また11月も予約率が100%近くと好評なため、12月も追加で運行した[9]
輸送密度

平均通過人員(輸送密度)、旅客運輸収入は以下の通り。

年度平均通過人員(人/日)旅客運輸収入(百万円/年)出典
19895,096[10]
20132,967[10]


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