徳島市阿波おどり
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同年6月初め、徳島市が主導する「阿波おどり実行委員会」が例年通りの日程で主催することが決定[25]。6月14日、市は、市議会産業交通委員会で、阿波おどり振興協会の合同連が南内町演舞場で実施していた「総踊り」について、同年は中止すると表明した[26]。続いて「阿波おどり実行委員会」も「総踊り」の中止を決定。これに反発する阿波おどり振興協会は8月13日午後10時、演舞場外で「総踊り」を強行実施した[27][28][29]。この年の阿波おどりは収支改善を目指して徳島市が自ら運営に乗り出したものの、約2,950万円の赤字に終わった[30][31]

同年12月7日、遠藤市長は、市議会本会議で、阿波おどり運営について将来的に民間委託する考えを示した[32]
2019年

2019年2月5日、「阿波おどり実行委員会」は会合を開き、新しい運営体制を決定。遠藤市長は委員長を退いた。実行委は今後、踊り事業の民間委託を目指して受託事業者を選ぶ立場になるため、阿波おどりを半世紀近く主催してきた徳島新聞社は実行委員会から外れることとなった。新しい実行委員会の構成メンバーは、徳島市、徳島県商工会連合会、徳島県商工会議所連合会、徳島青年会議所、徳島市国際交流協会、徳島県中小企業団体中央会、弁護士の松原健士郎の7者。徳島市からは第1副市長の平山元が委員として加わった[33][34]。2月13日、松原健士郎が委員長に選任された[35]

同年2月26日、市は民間委託をする事業者の全国公募を開始[36]。同年3月28日、応募は、キョードー東京と同社の関連会社キョードーファクトリー、徳島市のイベント企画会社ネオビエント(その後、板野郡北島町に移転)の3社で構成される「キョードー東京共同事業体」の1件のみであったため、阿波踊り実行委員会から、企画運営業務の委託事業者に選任された[30]。期間は2023年までとされた[37]

台風10号のため、8月14日・15日の開催が中止[8]。11月7日、「キョードー東京共同事業体」は、この年の阿波おどりの事業収支が1億1300万円強の赤字になったと報告した。赤字額は過去最大となった[38]
2020年

2020年4月5日、徳島市長選挙執行。自らが「阿波おどり実行委員会」の委員長に就くことを選挙公約に掲げた市民団体代表の内藤佐和子が、現職の遠藤彰良を破り初当選した[39][40]。4月18日、市長就任。

同年4月21日、「阿波おどり実行委員会」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、戦後初の徳島市阿波おどりの4日間の中止を決定した[9][41]。4月27日、内藤市長は公約どおり「阿波おどり実行委員会」の委員長に就任[39]

同月、「キョードー東京共同事業体」は、開催準備にかかった約2,100万円の分担や、実行委員会へ毎年納付する500万円の支払い免除を求める協議書を実行委員会に提出したが[42]、実行委事務局を担う市は「赤字補填に税金は投入できない」と拒否した。

同年9月15日、市は、コロナ対策の検証を兼ねた阿波おどりの実証イベントを同年11月の2日間に行うとする事業計画の概要を市議会本会議で説明[43]。事業計画は「阿波おどりネクストモデル構築事業」と名付けられた[44]

同年11月21日、22日、阿波おどりの実証イベントが藍場浜公園で計4回実施された[44]。観客約2700人、踊り手グループは33連の554人が参加した[10]。実証イベントの事業収支は以下のとおり。収入は観光庁支援金2,000万円、徳島県負担金1,000万円の計3,000万円で、支出は約2,416万円[45]
2021年

2021年2月25日、「阿波おどり実行委員会」は市役所で非公開の会合を開き、「キョードー東京共同事業体」の求める約2,100万円の費用分担には応じないことや、年間500万円の固定納付金の支払いを事業体に求めることを正式に決定した[46]

同年3月31日、内藤市長は自身が委員長を務める「阿波おどり実行委員会」を、前触れなく解散した。さらに、固定納付金の不払いなどを理由に、「キョードー東京共同事業体」との5年契約を2年で解除した。ネオビエントの藍原理津子社長は「全く知らされておらず、一方的すぎる。今年も運営するつもりだったのに信じがたい」と述べた[47]

同年4月13日、内藤市長は定例会見で「阿波おどりを徳島市の主催にする」と発表。「地域全体で黒字なら、阿波踊り事業は赤字でもいいのではないか。そういうことも考えて再検証したい」と述べた[48]。「阿波おどり実行委員会」解散の理由を記者から問われた際は回答しなかった[39]

事業体は、前年度中止となった阿波おどりの開催準備費の負担や損害賠償を求める通知書を実行委員会に送付したが、4月27日、実行委員会事務局は、事業体側の要求には応じられないとの回答書を公表した[49][50]

8月12日、「2021阿波おどり?ニューノーマルモデル?」が開幕。通常、徳島市阿波おどりは、前日の11日に前夜祭が開かれるが、この年は初日が前夜祭も兼ねた[51]。前夜祭並びに選抜阿波おどりは踊り手・観客を県内在住者に限定してあわぎんホールで実施。8月15日のグランドフィナーレは徳島市陸上競技場でライブ中継かつ無観客で執り行われた。
2022年

2022年4月8日、開催主体となる新組織「阿波おどり未来へつなぐ実行委員会」が発足した[52]。同実行委員会は、経済・観光・文化団体の関係者や踊り団体の代表者、公募の市民委員ら計30人で構成。委員長には徳島商工会議所の寺内カツコ会頭が就任。事務局は市と市文化振興公社、徳島都市開発が担う。阿波おどり振興協会の山田実理事長が委員として参画したが、徳島県阿波踊り協会の関係者は参加していない。市によると、徳島県阿波踊り協会にも打診したが「踊り手団体が運営主体に入るのは難しい」という回答だったという[1][53]。実行委員会は第1回会合で、前夜祭、選抜阿波おどり、有料演舞場のチケットが85%売れるという想定の収支計画案を承認した[54]

同年5月31日、実行委員会は「演舞中の踊り手のマスク着用は必ずしも必要ない」「会場内では熱中症予防の水分補給を除いて飲食や飲酒を禁止する」などの方針を確認した。この日の委員会から、2025年の大阪・関西万博のプロデューサーの一人である中島さち子がオブザーバーに加わった[55]

第3回会合で、有料演舞場の座席数を増やすことが決まった。これにより、7割が収支の分岐点となることが見込まれた。2022年のチケット数は約6万8千枚。団体向けに販売済みと公表された5千枚を除くと、収支の均衡には約4万3千枚を売ることが必要となった。当初、演舞場などのチケット販売はインターネットに限定されていた。ところが、開催が迫った8月9日、当日券を現地販売する方針に転換された。空席を解消するための窮余の策であろうとメディアは報じた[54]

同年8月11日、前夜祭開催。同日正午のアスティとくしまは、用意された約3200席のうち半分以上が空席だった。12日から15日にかけて例年どおりの日程で実施された[54]

同年8月18日、徳島新聞の取材により、有名連の間で新型コロナウイルスの感染者が相次いでいることが明らかとなった。約90人の連員を抱える新のんき連では、同日までに10?50代の25人の感染が判明。別の有名連では16日以降に10?50代の約20人の感染が判明。約40人で構成する別の有名連では、20?40代の4人の感染が判明[12][56]


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