復活祭
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

赤く染められる事が多いが、その赤い色は十字架上で流されたキリストの血の色と、血は生命を表すことから(レビ記 17:11)復活の喜びを表すとされる[59][60][61]

ウクライナには表面に模様を描いていくプィーサンカと呼ばれる復活祭の卵がある[61]ルーマニアには卵の表面をビーズで装飾する復活祭の卵がある[62]

国や地域によっては、復活祭の際に庭や室内のあちこちに隠して子供たちに探させるといった遊びもおこなわれる。

また、上記のイースターエッグの探し物遊びにちなんで、ソフトウェアの中に開発者がまぎれこませたメッセージ(開発チームスタッフへの謝辞やスタッフロール)のことも「イースター・エッグ」と呼ばれる[58]

この習慣の起源については様々な説がある。教会の伝承の一つとして、マグダラのマリヤが、キリスト復活を知らせるためにローマ皇帝に謁見した際、赤い卵を献上したことに由来するというものがある[59]。他方、その由来を春の到来を祝う異教に求める見解もある(ただしこの見解をとる教会においても、上述の意義付けは同様である)[60]。「プィーサンカ」および「イースター・エッグ (おまけ要素)」も参照

卵の染め方・柄には下記画像に挙げている諸例のほかにも様々なものがあり、各国・各地域内でも多様である。

最も基本的な、赤一色に染めた復活祭の卵(ギリシャ

復活祭の卵(フランス

復活祭の卵(アルメニア

プィーサンカウクライナ

装飾された復活祭の卵(ルーマニア

復活祭直後から宗教を問わず祝われるシャンム・ナシームの「彩色卵」(エジプト)
ホワイトハウスから手をふるナンシー・レーガンと復活祭のウサギ(1981年
イースター・バニー(復活祭のウサギ)詳細は「イースター・バニー」を参照

上述のイースター・エッグは東方教会西方教会を問わない古くからの習慣であるが、イースター・バニー(復活祭のウサギ)は西欧(西方教会)のみの習慣であり、16世紀から17世紀にかけて定着したものである[63](起源を15世紀、定着の始まりを19世紀とする者もいる[64])。

英語圏やドイツでは、ウサギをかたどったチョコレートが作られる[64]。ウサギは多産なので豊穣の象徴であるとされる[60]
イースターリリー詳細は「テッポウユリ#イースターリリー」を参照

キリスト教西方教会で、またその影響を受けた日本のキリスト教会でも、復活祭にテッポウユリを教会の祭壇に飾るなどする習慣があり、これをその英語名からイースターリリー(Easter lily=復活祭のユリ)と呼ぶ。
日本とイースター

ルイス・フロイスによると、日本での復活祭は1564年平戸度島長崎県)で行われていた(ルイス・フロイス『日本史』第50章より)。4月2日の復活祭ではキリシタンたちはいちばん上等な着物に身を包み、行列をつくって島内を練り歩いた。

また1581年3月21日にキリシタン大名・高山右近統治下の高槻で行われた復活祭は、畿内のキリスト教信者1万数千名が集う大規模な祭典であった[65]

2010年代に入った頃、「イースター」(復活祭)の要素を取り入れたイベントの開催や商品展開が各業界で模索され始める。その例として東京ディズニーランドでは毎年4月?6月期のイベントとして2010年から「ディズニー・イースターワンダーランド」(2014年より「ディズニー・イースター」に改称)を開催[66]、またユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)でも2013年より「ユニバーサル・ イースター・セレブレーション」を開催している[67]

テーマパークのイベント以外でも、2011年よりイースター限定商品を展開しているサーティワン アイスクリーム[68][69]の他、2015年時点でイースター商戦に力を入れる百貨店菓子メーカーが出てきており、イースターはクリスマスバレンタインデーハロウィンに続く第4のイベントとして注目されている[69][70][71][72]

日本はキリスト教国ではないため、これらのイベントと同様に宗教的色彩は大幅に薄められている。しかし、10月31日という季節イベントの少ない時期に行われる、商売閑散期のハロウィンと比べると、イースターはちょうどソメイヨシノ)の花見卒業入学、歓送迎会シーズンに当たり、それらに合わせて既存の販売促進イベントも集中するため、イースター商戦が入り込む余地が少ないことに加え、前述の3つのイベントにはない日付が毎年変動し、宗派によって日付も違う要素もあり[注釈 6]、イースターイベントが日本では定着しない一因となっている[73]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 「パスハ」表記の大本はギリシア語である。ギリシア語: Π?σχαは、古典ギリシア語再建からは「パスカ」と転写し得るが、現代ギリシア語では「パスハ」。新約時代以降のギリシア語の発音はアクセントやイ音化、各種子音の発音等、かなり現代ギリシア語に近くなっていた。正教が優勢な地域におけるスラヴ系言語、ルーマニア語等における、ギリシア語に由来する教会関連の語彙の発音は、中世以降のギリシア語発音に則っている。
^ 「祭」の表記が教会暦において頻繁に使われる教会(正教カトリックなど)では「復活祭」の表記が使われ、「祭」と位置づけられ呼ばれるが、「祭」の表記が比較的もしくはあまり使われない教会(聖公会、プロテスタントなど)では「復活日」という表記が一般的であり、「祝日」といった説明がなされる。プロテスタントの参照元である『キリスト教大事典』でも項目名は「復活日」となっていて、その説明冒頭において「祝日」としており「祭」とは書かれて居ない。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:83 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef