スウェーデンでは、ゆで卵をニシンの酢漬けやアンチョビなどと供する。主菜は家庭によって子羊の脚またはサケが供される[53]。
フィンランドでは、東方教会の影響下にあったカレリアではパスハを、その他の地域ではマンミ(Mammi)というライ麦粉と廃糖蜜のプディングを食べる[54]。
アイスランドでは、子羊肉またはマトンの燻製と、米またはオオムギのミルクプディングを食べる習慣があった[55]。
ポーランドの復活祭の正餐には、ゆで卵、ソーセージ、乳飲み豚のロースト、ハム、おろしたセイヨウワサビなどが並ぶ。デザートにはマズレク(英語版)やクグロフに似たババ・ヴィルカノツナ(ポーランド語版)を食べる[56]。
アカディアには、朝食にゆで卵、昼食に卵とハムまたは塩漬け豚肉、夕食にはオムレツかフラン(パンケーキ)にメープルシロップかメープルシュガーをつけて食べる習慣があった[57]。
イースター・エッグ(復活祭の卵)詳細は「イースター・エッグ」を参照
イースター・エッグ、または復活祭の卵とは、復活祭に出される、彩色や装飾を施されたゆで卵である[58]。
卵は大斎(四旬節)に節制される食品である(ただしこうした断食・節食の習慣は、西方教会では大幅に簡略化されるかもしくは消滅している)。卵が使われる意義については、見た目には動かない卵から新しい生命が生まれ出ることから、死と復活を象徴しているとされる。赤く染められる事が多いが、その赤い色は十字架上で流されたキリストの血の色と、血は生命を表すことから(レビ記 17:11)復活の喜びを表すとされる[59][60][61]。
ウクライナには表面に模様を描いていくプィーサンカと呼ばれる復活祭の卵がある[61]。ルーマニアには卵の表面をビーズで装飾する復活祭の卵がある[62]。
国や地域によっては、復活祭の際に庭や室内のあちこちに隠して子供たちに探させるといった遊びもおこなわれる。
また、上記のイースターエッグの探し物遊びにちなんで、ソフトウェアの中に開発者がまぎれこませたメッセージ(開発チームスタッフへの謝辞やスタッフロール)のことも「イースター・エッグ」と呼ばれる[58]。
この習慣の起源については様々な説がある。教会の伝承の一つとして、マグダラのマリヤが、キリストの復活を知らせるためにローマ皇帝に謁見した際、赤い卵を献上したことに由来するというものがある[59]。他方、その由来を春の到来を祝う異教に求める見解もある(ただしこの見解をとる教会においても、上述の意義付けは同様である)[60]。「プィーサンカ」および「イースター・エッグ (おまけ要素)」も参照
卵の染め方・柄には下記画像に挙げている諸例のほかにも様々なものがあり、各国・各地域内でも多様である。
最も基本的な、赤一色に染めた復活祭の卵(ギリシャ)
復活祭の卵(フランス)
復活祭の卵(アルメニア)
プィーサンカ(ウクライナ)
装飾された復活祭の卵(ルーマニア)
復活祭直後から宗教を問わず祝われるシャンム・ナシームの「彩色卵」(エジプト)
ホワイトハウスから手をふるナンシー・レーガンと復活祭のウサギ(1981年)
イースター・バニー(復活祭のウサギ)詳細は「イースター・バニー」を参照
上述のイースター・エッグは東方教会・西方教会を問わない古くからの習慣であるが、イースター・バニー(復活祭のウサギ)は西欧(西方教会)のみの習慣であり、16世紀から17世紀にかけて定着したものである[63](起源を15世紀、定着の始まりを19世紀とする者もいる[64])。
英語圏やドイツでは、ウサギをかたどったチョコレートが作られる[64]。ウサギは多産なので豊穣の象徴であるとされる[60]。
イースターリリー詳細は「テッポウユリ#イースターリリー」を参照
キリスト教西方教会で、またその影響を受けた日本のキリスト教会でも、復活祭にテッポウユリを教会の祭壇に飾るなどする習慣があり、これをその英語名からイースターリリー(Easter lily=復活祭のユリ)と呼ぶ。 ルイス・フロイスによると、日本での復活祭は1564年に平戸の度島(長崎県)で行われていた(ルイス・フロイス『日本史』第50章より)。4月2日の復活祭ではキリシタンたちはいちばん上等な着物に身を包み、行列をつくって島内を練り歩いた。 また1581年3月21日にキリシタン大名・高山右近統治下の高槻で行われた復活祭は、畿内のキリスト教信者1万数千名が集う大規模な祭典であった[65]。 2010年代に入った頃、「イースター」(復活祭)の要素を取り入れたイベントの開催や商品展開が各業界で模索され始める。その例として東京ディズニーランドでは毎年4月?6月期のイベントとして2010年から「ディズニー・イースターワンダーランド」(2014年より「ディズニー・イースター」に改称)を開催[66]、またユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)でも2013年より「ユニバーサル・ イースター・セレブレーション」を開催している[67]。
日本とイースター